遊 - Yumin Flaneur

遊民。遊びの記録。

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最近の記事

【映画レビュー】アクト・オブ・バイオレンス

特にヘタな事はしていなさそうなのに、あんまり面白くなかったなという映画。期待を持って見ていたのに、とかでもなく割と早い段階からぼんやり面白くなくて最後まで覆らなかった感じ。何が原因なのか、イマイチわからない。 麻薬密売組織にさらわれた婚約者を兄弟が取り戻しに行く物語。ポスターはブルース・ウィリスが主役で犯罪組織に立ち向かうように見えるけど、重要な役どころではあるものの脇役である。 まず、事件が起こるまでが長い。序盤はしばらく全く繋がりのない2つの世界が描かれ、それがぶつか

    • エッセイ#084 - 大阪のたこ焼き

      大阪に行く度に、スタンプラリーのようにあちこち有名なたこ焼き屋さんに行っている。食事の全てをたこ焼きにするような熱狂的なものではないけど、3〜4日間なら毎日食べても全然飽きない。けっこう店によって味も違うし。 昨日は梅田で1時間だけ余裕がある程度だったので、お土産を買い回った後に「はなだこ」に行った。人気店との噂でイチかバチかのつもりで行ってみたら、行列ではあるものの待てる範囲だった。行列には外国人も多かった。最近はどこもインバウンド客で溢れかえっていると聞くけど、大阪駅の

      • 【ライブレビュー】WE ARE! Let's get the party STARTO!!

        まぁあんな場所に行くような事もこの先もうないかもしれないから、個人的な雑感を書き留めておく。他人のための感想ではなく、自分の気付きを。 グループのライブに行くと大阪に着いた途端に、あるいはその前からも明らかに同じライブに行くとわかる人たちを見掛けるけど、今回は色んなグループのファンが集っているせいでファンかどうかの見分けがつかず、本当に近々の駅までそれを感じられなかった。あの会場よりだいぶ遠い所から同士を見掛けていた事が、ライブ前の高揚を煽っていたんだなぁと気付かされた。

        • エッセイ#083 - クモ 2

          家のトイレで出会ったクモを、トイレの中から逃がして1ヶ月ちょっと。クモは私の部屋にずっと居座っている。私の部屋よりトイレに近い、ほとんど使っていない静かに身を隠せる部屋もあるのに、なぜかずっと私の部屋にいる。 私はだいたい壁を背にして部屋が見渡せるような状態で作業しているので、ふとモニターから視線をそらすと壁に張り付いている姿を見かけたり、視界の端で何かが動いたような気がして見るとクモだったり、存在を感じる事も多い。和室なので敷いた布団でごろごろしていると寄ってくる事も何度

        【映画レビュー】アクト・オブ・バイオレンス

          【映画レビュー】新宿少年探偵団

          1998年公開の、相葉雅紀・松本潤・横山裕の主演映画。あの頃のJr.を知っている者からすると、全てが懐かしすぎて死ねる。 映画自体は公開当時から情報としては知っていたけど、田舎の学生だった私は映画館に観に行くこともなく、エピソードとして語られるものをテレビで見ていただけだった。きっと映画自体は出来の良いものではないだろうと、大人になってからも特別見てみたいと欲していたわけではなかった。でも、絶対におサムい子どもだましの映画だろうと思って見たのに、なんか意外と面白い……そして

          【映画レビュー】新宿少年探偵団

          エッセイ#082 - レジの行列

          私はスーパーとかコンビニとかで何かを買う時は、けっこう売り場をうろうろして時間を掛けてしまうタイプだ。目的の物だけを買ってさっさと店を出るのは急いでいる時だけで、だいたい買う物が決まっていてもそれ以外の売り場も物色してしまう。 それである時、いつものようにスーパーでのんびり売り場をうろうろして買い物してからレジに並んでいる時に、重いカゴを持ってなかなか進まない列にイライラしている自分にふと、なんて理不尽な奴なんだろうと思った。私はさっきまで15分も自分の意思で時間を浪費してい

          エッセイ#082 - レジの行列

          【映画レビュー】おまえの罪を自白しろ

          大物政治家の汚職を暴くために、誘拐が仕掛けられる話。色んなところでヘタだなと感じるような、ちょっとちぐはぐな作品だった。 しっかりした原作がある作品を映画化した時に起こりがちなのだけど、原作が大きすぎて映画の範囲内に上手く収めきれていないような感覚をこの作品にも感じた。説明が足りなくて、作り手が想定している所まで鑑賞者の理解が追いついていないのだろうなぁという感覚だ。原作のスケールが大きければ大きいほどそれを取捨選択するのは難しくなるだろうし仕方ないのだろうけど、この作品で

          【映画レビュー】おまえの罪を自白しろ

          エッセイ#081 - マイクラをはじめた

          Minecraftが15周年セールをやっていたので、モバイル版のマイクラを始めた。300円だった。 もちろんマイクラの事は知っていたし、今までも何度も買って始めようと思ってはやっぱり止めよ、を繰り返してきた。やり始めたら絶対に自分がめり込むタイプのゲームだとわかっていたから、自分が溶かしてしまう時間を想像して躊躇していたのだ。でも、セールという絶好の始め時が来て、モバイル版ならPC版よりのめり込まないかなと思って、ついに始めた。半年くらい前にスマホのゲームは全部やめたので、他

          エッセイ#081 - マイクラをはじめた

          【映画レビュー】トランス・ワールド

          森の中に迷い込んだ男女が、脱出を試みているうちに思わぬ展開を見せる物語。予想できた部分もあったけど、よく練られていて面白い映画だった。 場所は変わらないのに、時間が進んでいくに従っていろんな面が現れるのが上手い。この映画のほとんどは、森の中で起こる。まず、森に迷い込んだ男女がお互いの素性がわからず警戒し探り合う、ミステリーやホラー風味の緊張感のあるパート。次に、お互いの素性や自分たちがいる森について、情報が次々と明らかになっていく謎解きのようなパート。そして、ある程度情報が

          【映画レビュー】トランス・ワールド

          エッセイ#080 - ツバメ

          玄関を出てすぐ上のひさしに、ツバメがいる。もうすぐ巣立ちそうなツバメたちだ。 毎年、ツバメが来るとすぐわかる。玄関ポーチの真ん中にフンがぽつぽつと落ちていたら、それが合図だ。家では玄関ポーチを守るために、そこに新聞を広げて風で飛ばないように四隅に石を置いておく。玄関の目の前なので多少は通行のジャマではあるけど、風物詩として見守っている。 でもどうして、頻繁にドアが開け閉めされて人が通る場所に巣を作るのだろう?外に出る前にはピヨピヨピヨピヨかわいい声が聞こえているのに、玄関

          エッセイ#080 - ツバメ

          【映画レビュー】ブルーベルベット

          鬼才が作った昔の映画って感じの、シュールで独特で非道徳な作品。よくわからなくて、不思議で、面白い!と言い切れないのになんかスゴい。 子どもの頃の感覚を思い出した。映画やドラマを見ても、子どもだから理解できない事も多い。わかる部分とわからない部分がまだらで、でもなんか印象に残る部分があったり、自分が今まで触れてこなかった世界を覗き見たような興奮を覚えたり、だから背伸びして一生懸命わからないものを見ていた。大人になって、色んな事を理解できるようになって、すっかり忘れていた。あの

          【映画レビュー】ブルーベルベット

          エッセイ#079 - ダサいは身を助く

          自分に一番足りないものって、たぶんオシャレさだと思う。何がおしゃれなのか全くわからないし、そもそも全く興味がない。未だにイエベとブルベ(だっけ?)が何なのかもわかっていない。いつもてきとうな格好をしているので、ちゃんとした服装をしないといけない時は毎回周りに聞きまくって助けてもらう。 会社員時代には、私は作業服を着ていた。中途入社みたいなものだったので、入社してから短いOJTと自分の仕事を並行していた頃、私のOJT担当の先輩に制服を着るかどうか問われた。オフィスカジュアルで

          エッセイ#079 - ダサいは身を助く

          【映画レビュー】シャイロックの子供たち

          これも池井戸潤原作の銀行モノ。少し前に見た『アキラとあきら』は人間の汚さやカネの恐ろしさをあまり描いていなかったが、この作品は人間の汚さやカネの恐ろしさをメインに描いているような作品。 この作品には銀行という巨額のカネのすぐ側にいる環境のせいで道を外した銀行員がたくさん出てくる。いくら映画だからってそんなに犯罪者ばかり登場させる事ないだろうに……と思わせる一方、銀行という環境が簡単に一線を踏み越えてしまいやすい誘惑の多い場所なんだなと思わせる。もちろん、現実の銀行にはそれな

          【映画レビュー】シャイロックの子供たち

          エッセイ#078 - ゆで卵の殻

          母が作ったゆで卵を食べると、百発百中で卵の殻が混ざっている。他の卵料理でもたまにあるけど、特にゆで卵だと殻がついている確率が跳ね上がる。 百発百中と感じているだけで、おそらく実際は6〜7割なのだろう。飲み口の1ヶ所が欠けているグラスでお茶を飲む時に、いつも欠けている部分に口を付けて飲んでしまうと感じるのだけど、実際は欠けていない部分からも飲んでいるけど気にしないから印象に残らなくて、欠けている部分に口を付けた時だけが記憶されて毎回そうだと感じるみたいに。たぶん、玉子の殻が混ざ

          エッセイ#078 - ゆで卵の殻

          【映画レビュー】オーバー・ザ・トップ

          子どもの頃にテレビで放送された映画を、大人になっても断片的に覚えている。タイトルは覚えていないし、大人になった今見ても面白くないだろうし、特に探したりはしない。でも、Amazonプライムの見放題が終了間近のタイトルを物色していてその思い出の中の映画に期せずして出会ってしまうと、つい興奮して見てしまう。 主演はシルベスター・スタローンだ。トラック乗りのスタローンが人生逆転を掛けてアームレスリング大会に挑む物語だ。10年ぶりに会った息子とトラックで旅をしながら親子の絆を取り戻そ

          【映画レビュー】オーバー・ザ・トップ

          エッセイ#077 - お百度参り

          私の通っていた小学校は神社に隣接していて、小学校のグラウンドは神社の境内だった。小さな神社だったけど、その目の前で当たり前のように体育の授業をしていたし、休み時間にはドッジボールやサッカーをしていた。休みの日に友だちと遊ぶために小学校のグラウンドに行ったりもしていた。 ある休みの日にそのグラウンドに行ってみると大人たちがたくさんいて、グラウンドをぞろぞろと往復していた。20人くらいの近所のおばさん達の集まりで、みんな黙ってグラウンドを横切り、神社の前で手を合わせてお参りして

          エッセイ#077 - お百度参り