【香水名鑑】ランスタン・ド・ゲラン(ゲラン)


この記事は以下の投稿記事に加筆、修正したものです。


1828年に創業したフランスの老舗香水メゾン、ゲラン。約200年にわたり、一子相伝のレシピとともに1100種類を超える香水を世に送り出してきた。

1853年にはウジェニー皇后にコロンを献上し、欧州王族の御用香水商として繁栄したが、20世紀後半からその勢いに陰りが見えはじめ、2002年、4代目ジャン=ポール・ゲランの退位を機に、ゲラン家調香師は空位となる。そして、代わりの調香師を初めて外部から迎えるという挑戦の中、2003年に「ランスタン・ド・ゲラン」は誕生した。

軽やかなかんきつ類や果実、はかない花々が、濃厚な蜂蜜の香りにぶつかり、涙を誘うほどに甘く切ないバニラが後を追う。

「ゲランの瞬間」という意味の名前は、ふたつの心と身体が出会い、全てが一瞬のうちに変わる官能を示している。しかし、香水はもっと気軽に、自分のためにまとえるものだ。たとえば、気落ちする朝。新たな出会いに胸が高鳴る夕刻。不安を和らげたい就寝時。一日のどのタイミングであっても、たったひと吹きで一瞬にして、現実はドラマティックに変化する。あなたに寄り添い、あなたを引き上げ、あなたの背中を押すこの香りで、理想の自分を手に入れよう。


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