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詩を訳すということ ―金子みすゞ日西バイリンガル詩選集

スペインの出版社Satori Edicionesから、金子みすゞ日西バイリンガル詩選集『El alma de las flores(花のたましい) 』<スペイン語、日本語、ローマ字表記>を、チリの詩人マリア・ホセ・フェラーダさんとの共編訳で刊行させて頂きました。

ありがたいことに、第2刷りが決まりました。同時に、シリーズ第2弾は中原中也さん(他の訳者さん)だそうです。

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Poetry in translation is like taking a shower with a raincoat on.
「詩の翻訳は、レインコートを着てシャワーを浴びるようなもの」

数年前に観た映画『パターソン』の最後のシーンで、詩人役の永瀬正敏が言うセルフは、今でも心に残っているフレーズです。詩の翻訳は、作品に込められた作者の想いには近づくことができても、言語体系が違う言葉のリズムや音韻の効果までを伝えるのは難しく、限界があるのも事実でしょう。けれど言葉や文化の違いの中に歩み寄れる共通項を探っていく楽しさもまた、詩の翻訳を通じて学んだことでした。

金子みすゞさんの素朴な詩は、どれも読み手の心に深く響くものです。みすゞさんのやさしい言葉の奥に注がれる深いまなざし、命あるものと命なきものへ寄り添い慈しむ彼女の感性をスペイン語にしていくという作業は、共訳者のマリア・ホセさんと一緒に言葉を探す未知の旅でもありました。それはいつも楽しいばかりでなく、時に両者譲れないやりとりもあり、長い時間をかけてまいりましたが、原詩のリズムをできるだけ損なわず、シンプルな言葉選びと、みすゞさんのくりかえしのフレーズの魅力にも心がけたつもりであります。

よろしくお願いいたします。

アマゾンでも取り扱っています。

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