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【映画】SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる


Amazon.co.jp: SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してるを観る | Prime Video

漫画に心血を注ぎ、漫画家として生計を立てている泉本真治(山下智久)は、ある日、自分の作品が映画化されるという朗報を聞く。アシスタントの中村沙織(山本舞香)と喜ぶ真治。だがその喜びも束の間、突如病に倒れ、視力を失うことになってしまう。やっと軌道に乗ってきた連載漫画も休載。一緒に暮らしていた祖母(夏木マリ)の面倒も見切れなくなっていく・・・。一人になった真治は孤独と恐怖に襲われ、ベランダから身を投げ出そうと考える。そんな時、真治の漫画のファンで、耳が聞こえない相田響(新木優子)に助けられる。こうして出逢った真治と響は不思議な共同生活を始めるのだった。©2023「SHL」partners

あらすじにもある通り主人公とヒロインの出会いは、自殺を止めるシーンではじまるのですが、なぜその状況になったかというと漫画が突如休載が続き主人公を心配したヒロインがネットでなんやかんや調べて(?)マンションを特定し(?)郵便物をあさり部屋番号を特定し(!)部屋を訪ねるというかなり強引な設定でしたWすごいW

最初の方はほんとうになんのツールも使わずに目の見えないもの、耳の聞こえないものとしての不自由さをそのまま描いているのですが途中からスマホやipadが登場し、声を文字化したり文字を読み上げたりして会話するようになる。む・・・最初からこれできたやん・・・・という気がして感動が薄れないでもない。

そして、恋のライバル(?)である化粧品会社社長なのですが、急に秘書とヒロインのことを調べはじめ、誰やこいつは?と思ったら家族写真やヒロインの写真を引き出しにいっぱい入れてる。なんやろう?生き別れの家族?シスコンのお兄ちゃんとかかな?妹大好きでぶち心配??と解釈してしまったのが大いに私の誤爆。

途中で結婚してくれというので(??!!!)となったら昔施設で子どもの時に出会っていた幼なじみ(ヒロインが好き)だった。描写がわかりにくかった・・・・わかりやすく「響きはいつオレの物になるんだ」くらいのセリフがあってほしかったですね。(いや、間違えんやろ普通・・・・)
この社長と秘書のシーンだけ妙にコミカルで作品から浮いているのもちょっと気になってしまった…障害という重いテーマを明るくするために必要だったのかもしれないけれど、もっととことん重くして設定を活かすこともできたのではないだろうか・・・・。主人公の二人はボロアパートで懸命に生きてるというのに、結局横から出てきたこの社長の金で最後なんとかなるんやろな~~~って思えてしまうのが残念。スネ夫ポジが逆効果なときもあるのですね。

漫画内のふりで主人公が「キャラクターが死ぬバッドエンド」を嫌っているのでこの映画も死ぬ終わり方ではないのだろうな…というところが見えてきてしまい終わりの方も「生きてそ~~」とみてしまったり。最後は・・・うん・・・

唯一、劇中劇の漫画の最終話に出てくるセリフは美しい言葉選びで、ヒロインの号泣と相まってとても良かったです。

追記◆ 最終話のセリフは映画オリジナルのものではなく、ライナー・マリア・リルケさんという方の詩だそうです。以下引用。
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私の目の光を消してください
私はあなたを見るでしょう
私の耳をふさいでください
私はあなたを聞くでしょう
足がなくても私は
あなたのところへ行くでしょう
口がなくても私はあなたを呼び出します
私の腕を折ってください
私はあなたを抱きとめます
私の心臓で手のように
私の心臓をとめてください
私の脳髄が脈打つでしょう
私の脳を燃やしてしまっても
私は血の流れに
あなたを浮かべて行くでしょう
ライナー・マリア・リルケ
『時祷詩集』より

漫画のアシスタントもただただ良い人。内心主人公が好きなような描写はありつつも、真っ向から恋のライバルではなかった……誘惑するほどの悪女でもないし。ほんとうにまじめに仕事をしている。一番大変なの彼女です。でも家もそれなりに立派そうで成功してて良かった。幸せになってくれ。

夏木マリも夏木マリの良さ全開に引き出せてたかというと役者の無駄遣い感がしてしまった・・・

名前忘れたけどたまたま合った主人公のファンの男の人が付き人化しててこの人は良いキャラしてた。

今回は酷評気味のnoteになってしまいましたが、目と耳の障害同士の恋という引きのある設定がありつつも、全体のムードや温度に統一感がないとちぐはぐな印象になり「感動させたいの?」「え?笑わせたいの?」と観てるほうに迷いが出るというのが勉強になりました。



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