【118医師国家試験、勉強の記録】ゆめおい流Anki活用例

ゆめお医びと( Xアカウント @KokusiPersuArDc )です。

118回医師国家試験、お疲れ様でした。今年も医師国家試験は長くて大変でしたね。僕は最後まで諦めないで見直すこと。マークミスやケアレスミスのない回答を貫くことを目標にして望みましたが、とても大変でした。

最後のFブロックはすごい疲労と眠気で、まともに問題文を読まずにマークしてしまいそうだったので、一生懸命起きろ、起きろ、と頭の中で念じながら、問題用紙を凝視して意識を保っていました。

1日目の終了後、駅で受験生と同じくらいの年代の人が泣きながら倒れていて、他の受験生に助けられて、救急車に運ばれてしまったのに遭遇してしたのがとても印象的でした。

運ばれていった人は恐らく同じ医師国家試験の受験生ですが、恐らく国試前の勉強の期間に酷くメンタルを崩してしまったのでしょう。その人がその後復帰して、きちんと最後まで試験を受けられたことを切に祈っています。その人のその後の人生に幸あれ。

さて、とりあえず僕の試験の合否は確定していません。まだまだマークミスがあれば落ちる可能性は残っています。ただし、そんなことは構わず、とりあえず今年の勉強の記録の一部をnoteにも残しておきます。

一番の目的は、僕が後で見直すためです。しかし、今後の受験生の参考にもなるようでしたらとても嬉しいです。
ちなみに、もし今年落ちてもそれはそれで縁がなかっただけなので気にしません。それでは気にせず行きます!!

今回の記事は僕が医師国家試験で使った、Anki活用テクニックです。ターゲット層は多浪生や、Ankiを覚えて間もない受験生向けの文章になると思います。(乱文駄文申し訳ありませぬ。)

〜パソコン版Ankiアプリを用いたテキストファイルの取り込み〜(操作説明①)

Ankiパソコン版では、テキストファイルに書き込んだ文章を取り込んで、一気に何十枚ものカードを作成することができます。手順の流れをざっくりと説明します。

まずはテキストファイルの準備から。パソコンでもタブレットでもなんでもいいのですが、まず1個テキストファイルを用意して、そのファイルに箇条書きのように文章を打ち込んで、カード作成の雛形を作ります。

以下の例はテキストファイル(.txt)でWindowsのメモ帳を使って作成することができます。

重要なのは文章の打ち込み方で、必ず、

(1枚目のカードの表面の文章),(1枚目のカードの裏面の文章)改行
(2枚目のカードの表面の文章),(2枚目のカードの裏面の文章)改行
(3枚目のカードの表面の文章),(3枚目のカードの裏面の文章)改行

となるように文章を入力します。また、文章の途中で改行やカンマ(,)を入力すると、カードがずれて作成されてしまいます。気をつけてください。

テキストファイルを用意したら、パソコン版Ankiを使って、テキストファイルを取り込んでカードを作成します。パソコン版Ankiを開いたら、まずカードを配置するためのデッキを作成します。「デッキを作成する」で新しいデッキを作成する画面が出ますので、デッキ名を入力して「OK」を押すと新しくデッキを作ることができます。コロン(:)を連続で2回入力すると、サブデッキを作成することができるので、これもうまく活用しましょう。

「ファイルをインポート」ボタンを押して、取り込むファイルを選択します。

サポートされているファイル形式を見ると、.txt、.csv、.tsvなどいろいろとファイル形式がありますが、今回は.txtファイルなので、取り込みすることが可能です。.csv、.tsv形式のファイルを取り込むことも可能です。ファイルを選択して、「開く」をクリックします。

区切り文字をコンマ(,)やタブやスペースなど選ぶ項目がありますが、基本的にコンマ(,)のままで大丈夫です。たまにコンマ(,)以外になっていることがあるので、その場合はコンマ(,)に修正しましょう。

ノートタイプはほとんどの場合はBasicで十分だと思います。デッキにはファイルを取り込んでカードを配置したいデッキを選択します。これ以下の項目は基本的に変更しなくて大丈夫だと思います。
最後に、右上の「インポート」ボタンを押すとカード作成が開始されます。

実行すると、新規ノートが作成された画面を確認することができます。

▼詳細をクリックすると、追加された各カードの内訳を確認することができます。

最後に、最初の画面の右上の「同期」ボタンをクリックして、Ankiweb(サーバー)とコンピューターのデッキの中身を同じにすることを忘れないでください。

〜何をAnkiに覚えさせればいいか?〜

一番覚えさせたいのは、自分の間違えた知識です。さらにその中でも、予備校の講義やテキストで重要なポイントと強調された知識は、最優先で覚えたいです。

過去問の間違えた選択肢。日頃のテストで引っ掛かった選択肢。テキストで下線やマーカーが引かれた所で、自分がすぐに思い出せない知識。そうしたポイントを絞ってAnkiに取り込むと、効果は高めです。

作成例)
   間違えた問題、摂取カロリーが約80kcalなのはどれか?【118C28】
   正解選択肢、 鶏卵1個(約50g)
   誤答選択肢、 食パン6枚切り1枚(約60g)
   迷った選択肢、ビール中ジョッキ1杯(約570mL)
   問題の背景で問われている知識、糖尿病治療食の1単位のカロリーの大きさを理解しよう。

間違えた理由がわかる場合 理由)食パン8枚切りのカロリーが約80kcalと考えていたから
   表面例①食パン8枚切りのカロリーは何kcalか?
   裏面例①約130kcal
   ポイント 勘違いした場所をそのままカードにして追加すると、間違えそうになった時に思い出して踏み留まることがある。

   表面例②食パン6枚切りのカロリーは何kcalか?
   裏面例②約150kcal(約2単位)
   ポイント 問題の誤答選択肢のポイントをカードにすることで、過去問で同じ選択肢を見た時に、カードを思い出してスムーズに選択肢を切ることができる。

   表面例③摂取カロリーが約80kcalになるのは鶏卵1個(約50g)か?食パン6枚切り1枚(約60g)か?
   裏面例③ 鶏卵1個(約50g)
   ポイント 誤答選択肢と正解選択肢の2つを選択肢に示すことで、最後に迷いそうなポイントをマスターすることができる。また、過去問の重要な選択肢を覚えると、ダミーの選択肢を切りやすくなるため、なるべくカードにするのは正解選択肢と誤答選択肢に絞った方が良い。

   表面例④鶏卵、木綿豆腐、食パン、米飯(炊飯後)、ビール中ジョッキで摂取カロリーが約80kcalになる量はどれくらいか?
   裏面例④鶏卵→1個(約50g)、木綿豆腐→1/3丁(約100g)、米飯→1/3杯(約50g)、ビール中ジョッキ→1/2.5杯(約200g)
   ポイント 自分で調べたポイントや疑問点に対する答えを書き出しておくと、記憶の定着に役立つことがある。作成に時間がかかるので、調べ過ぎに注意!

   表面例⑤糖尿病治療食の1単位のカロリーはどれくらいか?
   裏面例⑤約80kcal
   ポイント 背景となる知識を追加することで、背景となる知識を考えながら問題を解く癖を身につけることができる。

間違えた問題と、誤答選択肢や正解選択肢から、上のような文面を考えることができるので、自分の覚えたいポイントや、その重要性をよく考えながら、ポイントを厳選してAnkiに登録するのがコツです。(上の例には出てきませんでしたが、迷った選択肢も適宜加えてカードを作ってもいいです。この場合、迷った理由もわかるなら、迷った理由をカバーできるカードを作るのも策です。)

作成例で改行を一切入れてないのは、最初の章で説明したようなテキストファイルに打ち込んでカードを作成する際に、改行が入っていると正しくカードが作成されないからです。

一応、テキストファイルに取り込んだ後に改行を入れ直すことはできますが、スマホアプリやタブレットのアプリで見ると文字の並びが崩れてしまうことがあるので、多分改行はない方が見やすいと思います。

〜ゆめおい流Anki文面作成術〜

もしAnkiをしっかりと活用して勉強する場合、おそらく作った単語帳は何度も何度も見直して覚えることになると思います。単語帳の文章がどのような文面になっているかどうかは、Ankiを使ってどれだけスムーズに単語や重要事項を暗記できるかを占う、非常に大事な要素になると思います。

ここでは、僕がAnkiの単語帳の文面を考えた時に、どのようなポイントに気をつけて文章を作成したかをひとつひとつ説明します。
なお、絵や教材のスクショを貼り付ける作り方については、僕は今回ほとんど扱わなかったので、省略します。

①作成時点で間違いと明らかにわかることは絶対に書かない。ただし、後で間違いとわかるかもしれないことを気にしてはダメ!

Anki単語帳、予備校の講義も各出版社のテキスト、大学でもらう授業のプリントも全ての教材が、それぞれの教材によって微妙にテイストが違うため、勉強する時にどの教材で何を言っていたか探すのに苦労したり、教材によって言ってることが違うことに悩まされることは案外たくさんあります。

もしAnkiでテキストの文章をしっかり覚えることを決めた場合は以上の事情から、Ankiを検索することで、該当の資料を探したり、重要事項を思い出すきっかけにすることが少なからずあります。なので、まず気をつけることとして、嘘を書かないようにします(これはまず間違いなくみんな気をつけると思いますが)。

ただ、必ずしも絶対に間違いを書いてはならないという訳ではありません。つまり、勉強の途中の段階では正しいことをきちんと正しく判断できないことが少なからずあるからです。

作成する時点で、少なくとも今自分が間違いないと思うことを書きましょう。間違いは後で確認して修正できます。また、後で間違いとわかった時に修正する時に、自分の今までの勘違いを発見するきっかけにすることができます。これは、勉強を進める上で大きなターニングポイントを生むことに繋がります。

②文章は簡潔に、読みやすい文章を。

もちろんですが、読みやすい簡潔な文章を書くことに心がけます。これは人によってやり方の工夫があるかもしれませんが、僕はなるべく短時間にたくさんのカードを作成することと、復習を短時間で効率的に進められることを目標に考えて、次のような工夫をしました。

どのカードを作るときにも気をつけること

  1. 重要な知識ほど、文章は短く。逆に、細かい知識は、正確に書くことにこだわり、文章の長さは気にしない。
    長いノートはさっさと飛ばす。重要なカードから先に覚える。

  2. 裏面は記号(()、→、←等)を使い、文章の構造がわかりやすいカードにする。まどろっこしい表現は避ける。
    文章だけのカードを見返す時に、ぐだぐだ書いてあると読みにくくい。ただし、たくさんの種類の記号は禁物。使う記号は最初から5種類ぐらいに限っておく。ほとんどのカードを同じルールで読めるようなカード作成を心がける。

  3. 文章で覚えたい知識は、なるべく省略せずそのままの文章をコピペなどで書いておく。
    特に文章を改変すると間違えて覚えやすいため危険。文章の長さよりも正確性の方が大事。これもとても大事なポイント。

  4. 英単語帳の暗記カードのような、単語-単語の暗記カードの作成は極力避ける。なるべく立体的な知識として覚えたい。文章を読んで覚える単語帳作りを心がける。ただし、基礎の暗記項目を一通り覚えた後、2周目以降から考えるのがいいと思います。

質問形式のカードを作るときに特に気をつけること

  1. 〇〇の特徴は?や、〇〇と××の違いは?のように、クローズドな質問を使う。そのカードで聞きたいテーマを明確にする。

  2. あるのか?ないのか?痛いのか?痛くないのか?の2択の質問を使う。
    自分の迷いそうなポイントを狙って書き出す。本番は2択で迷うことは多いのでとても大事。

リストアップ形式のカードを作るときに特に気をつけること

  1. 10項目以上の答えをリストアップする時はデッキを分けずに、カードを分けずに、「、」で区切って全部1枚のカードにする。
    少し見にくいけど、時間に余裕のある時にまとめて読みなおすのが効果的。他のカードとの関連性がわかりにくくなるので、デッキはなるべく分けない。

③どれだけたくさんの知識を書き出すかよりも、カードの枚数のバランスを良くすることを大事にする。

なるべく漏れなく知識を書き出したい気持ちはすごくわかりますが、医師国家試験はいろんな範囲の総合した知識を問われる試験なので、知識の偏りやカードの作り過ぎはあまりよくありません。てか、禁物です!!

ひとつのデッキにテーマをひとつ決めて、カードは合計60枚くらいのデッキに統一するのがおすすめです。もちろん、後から追加したり削除したりもします。とにかく、デッキに追加するカードはある程度厳選しましょう。ただし、忙しい時は選ぶ時間はありません。その場合は、60枚くらいカードが集まってきたら、新しいデッキに分けるといいと思います。

〜中盤以降の全範囲復習に効果発揮、フォルダ構造破壊式全デッキコピー〜(操作説明②)

Ankiは、全てのカードにカード固有のIDが割り当てられており、タブレットやスマホのアプリから、カードのコピーをするのは難しい構造になっています。パソコン版のAnkiでも、やや特殊な操作が必要なので、これでは不便です。

そこで、パソコン版Ankiを使ったデッキのカードのコピーの方法を話しながら、デッキ-サブデッキ構造を破壊するコピーの仕方も一緒に話します。これは僕は10月頃に行ったのですが、今まで作ったカードを全てごちゃ混ぜにして、新しいデッキを作ることができます。このデッキを臓器別に分けて復習することで、全範囲を一度に俯瞰的にチェックすることができます。(ただ、確かこれと似たようなデッキをタグを駆使して作ることがそういえばできた気もしますね…。)

まず、ファイル→エクスポートでエクスポートのウィンドウを出します。

ファイルの形式を指定する項目には、テキスト形式のカード(.txt)を選びます。

対象は、すべてのデッキを選んで実行すると、コレクションの中に入った全てのカードがデッキ構造が破壊された状態でテキストファイルの中に書き込まれます。対象で選ぶデッキをひとつ指定して実行すると、指定したデッキのカードがテキストファイルの中に書き込まれます。「HTMLとメディアの参照を含める」横のチェックボックスは、チェックを外しておきましょう。

この操作で作ったテキストファイルは、「ファイルをインポート」ボタンからインポートするとそのまま新しいカードになって新しいデッキの中に作成することができます。

この後は臓器別のデッキを作って、ちまちまとカードを臓器別のデッキに手作業で仕分けていきます。5000枚カードがあっても、検索にかけて、複数のカードを同時に移動させることができれば、おそらく1日頑張れば全てのカードを仕分けられると思います。

ここで作成されたカードのコピーは、最初のカードと違うIDが割り振られているので、重複チェックに引っ掛からなければ、完全に前のカードとは別モノのコピーのカードとなります。これは大した特徴ではないのですが、、タグの機能を使ってサブデッキを作った場合と違い、前のカードの文章を変更しても、コピーのカードに変更が影響することはない…という特徴があったはずです。

タグの使い方はあまり覚えていないのですが、もっと細かい作業になり使いにくかった気がしますので、管理が楽なので、この全コピーの方法を僕からはおすすめします。アプリの統計データを特に気にする訳ではなければ、僕調べでは、全コピした方が使いやすい。

ただし、ひとつしっかりと気をつけたいのですが、コピー前のカードと、コピー後のカード。このふたつのカードを同じデッキに混ぜてしまわないように、気をつけてください。訳がわからなくなると思います。

一応、投げ銭エリアを設けましたが、応援してくださる方がいれば、投げ銭くださると非常に喜びます。

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