死んで一人っ子になった父①

私は九州地方の出身
男尊女卑がまだまだ残る地域で
長男を産まない嫁は蔑まれるという
地域
無いとは言わせない
鯉のぼりが得意気にあげられる
4月から5月には体調不良になるほどだ
本当にあそこは日本なのか?
そう今は思っている
今は関東に住んでいるから。

そういう地域で
父は長男として産まれた
父は妹2人弟1人の4人弟妹
きっと父は長男として溺愛され特別な扱いを受けて育ったのだろう。
この父の弟妹達とは不仲だった。
曾祖母の葬儀も何か揉めていたし
祖父の葬儀も何か揉めていたし
祖母の葬儀では父が激怒して
大きな声を出して
家から弟妹を帰らせた

そこから
末の妹(10歳ほど下)だけは
必ず誰かを連れて父の家に来ていたが
お年玉や何か貰い物をするために
言葉は悪いが私はこの人を
欲しがり屋おばさんと思っていた
たかって貰って帰るから

父は食道癌から肺に転移し肝臓へも転移しステージ4と言われたがそこから10年以上生きた
しかし最期は誰も病院のベッドに間に合わないというスピード感だった
80歳を超えていたので長生きだと思うが、母親さえも寄せないという
父親の激しさを垣間見た。

父は長男として地元へ帰り
祖母の為に部屋も作り
住みたくもないその地域で老後を過ごした。

死後
ノートがあった
死んだら見ろと姉が言われていたノート

死去後誰にも知らせるな
妹弟、地域住民、親類
葬儀は密葬
檀家での読経拒否
その他死去後の手続き等だった

この父の遺言を
ド田舎でやったら
もうそこには住めない
本当住めない
薄情な人、非礼な人、無礼な人
そう言われる

そして
妹弟へも言わないという
私たちへの大きな宿題


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