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傑作朝ドラ「虎に翼」の寅子がシナモンに見えてくるのはもう仕方ないと思う

第一週目から素晴らしい掴みをみせて、そのままの勢いで濃密で意思と覚悟のあるエンタメドラマがいま放送されている。
その名も「虎に翼」。
日本初の女性弁護士をモデルにしたフィクションだ。

〜おおまかな「虎に翼」のあらすじ〜
主人公の寅子は優秀であり法律の勉強をはじめ弁護士を目指していく。しかし時代は戦前から戦中へ。彼女が女性として受ける環境は生易しいものではなかった。そして彼女は日本の女性の人権を築いていく重要な存在にもなっていく…。演技派であり素晴らしいコメディエンヌでもある伊藤沙莉を座長として描かれていくドラマである。
〜終〜

大評判であるので作品評価はいたるところで目にするだろう。個人的にもとても気に入っているが、どうしても気になっていることがある。

主人公の寅子がシナモロールに見えてくるのだ。

なにを言ってるのか分からない人もいるだろうが、ごく一部のサンリオファン、もしくは安田顕ファンなら分かってくれるだろう。
シナモロールってなんだよ、という人は年末〜今年はじめごろからTikTok等でダンス付きで流行りだした自己紹介ソングを聞いてほしい。シナモロール(通称シナモン)が歌で全部説明してくれる。

懐かしのセガキャラ「お茶犬」の対抗キャラとして作られたシナモロール(当時はベビーシナモン)は一躍大人気となり、映画化もされ、2023年度のサンリオ人気キャラ投票では1位になったキャラであり、ついには2023年10月からTBSでシナモロールのメイン番組が始まった。(正確にはアイシナモロール)
その番組名が「シナモンと安田顕のゆるドキ☆クッキング」である。
突然の安田顕(実写)。
見たほうが理解は早い。

これは記念すべき第一話である。
どうだろうか。アシスタントが嫌なシナモン。もうこのシナモンは寅子っぽくないだろうか。
昨年10月からずっと見ているため洗脳されてしまったのかもしれないが、朝ドラが始まってから既視感を覚えていたのだ。

例えば寅子は疑問があれば「はて?」と言って、流さずにその議論に突っ込む。そしてとことん向き合っていく。

シナモンも疑問があれば流すことはできない。それを安田顕が受け止めてシナモンが納得するまで話を跨いでも対話する。

開始当初シナモンのキャラ設定がこの作品に関してだけ急にめんどくささを増しているのは否めないと思っていたが、それがなんとも癖になっていて、どんどんシナモンを好きになる自分がいた。
そして同じく、流せない癖の強い寅子が好きになっている。

そして気づく。

この2作品。脚本家が同じなのだ。

脚本の吉田恵里香氏は実写だけではなくアニメ作品でも評価を受けているので、冷静に考えれば不思議ではないのだが、「虎に翼」と「シナモンと安田顕のゆるドキ☆クッキング」はあまりにも雰囲気的にギャップがあり直結しにくい。
(朝ドラ第一週目を見たらすぐに「恋せぬふたり」の脚本家であることはすぐ分かるのだが)

でも一度気づいてみれば、もうどう見ても同じ作家だと分かるのだ。

例えば記事公開時点でまだ配信されている26話。

ここでシナモンは過去に働いていたレストランで、店の人にロールキャベツを巻きながら言われた「お前も巻いちまうぞ」という言葉がトラウマでロールキャベツが怖くなったと言う。そして「怒られた時を思い出す」とも言う。
人間からすれば可愛い冗談かもしれない。しかしサンリオキャラからすればパワハラ以外のなにものでもない。そもそもサンリオキャラを怒るなどクズ人間でしかない。(怒ったのが人間とは言及されていないが)

脚本家が分かれば、安田顕がしている、虎に翼で出てくる穂高先生のような受け止め方も含めて傾向に気付くことができる。
シナモンが男の子であり可愛いものが好きというキャラ設定も脚本家と親和性が高い気もする。

そしてシナモンから虎に翼の香りが、虎に翼からシナモンの香りがしてくるのだ。
その結果、見えてくる。


寅子が、伊藤沙莉が、シナモロールに見えてくるのだ。


はて?

虎に翼のグッズとしてシナモロールを買ってしまいそうな欲求と、今、戦っている。
シナモンファンも安田顕ファンもぜひ虎に翼見てみてね。


穂高先生と寅子
安田顕とシナモン

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