見つけろ。テメエで。

3.20DDT後楽園大会で上映することが出来なかったVTRを高木社長、そしてDDTのフロントの皆さんが工面してくださりUNIVERSEで無料公開にしてくださりました。

(こちらでご覧いただけます)
https://www.wrestle-universe.com/ja/videos/ijKRqgFqXgRAYrUnVvWva5

当日煽りVTRがながれなかった試合に、本来煽りVTRがあった箇所に映像がくっついていますので、ここに至るまでの経緯が分からない人にとっては今成が何について怒っているのかよく分からないという摩訶不思議な映像となっていますが、札幌猪木問答よろしく、「おめーは何に怒っているんだい?」と猪木さんの声を脳裏に浮かばせながら、今成の怒りをせっかくですのでこの際楽しんでいただけたらと思います。

「おめーは何に怒っているんだい?」

それはそれとして
今回とても誠意ある対応を団体の方々がしてくださり、結果的に広くSNSを通じて多くの人からの感想をいただき感謝しています。作品を作ることの最大の報酬は鑑賞してくれた人たちのフィードバックなのだと改めて再確認出来ました。お客さんの熱っぽい感想を拝見することで、これがプロレスの会場VTRを作ることの醍醐味だよなと改めて思いました。昨年末にフリーランスになってから別件の仕事などで、何度も作った映像がお蔵入りになるという事態がありました。何より成果物に対してフィードバックが得られないことには私自身の成長はないわけで。今回はこうしてフロントの人たちのリカバリーのおかげで、結果的に沢山の発見を得られることが出来ました。また意見を伝える、表明する、現場で感じたことを落とし込むといった一連の出来事を通じて私自身が成長することが出来たと感じています。

どうして僕は怒ったんだろう?
よく高木社長からは「お客さんが喜ぶなら何をやってもいいんだ、でもお客さんが受け入れなければダメだよ」と徹底的に教え込まれてきました。

ロッテントマトという映画批評のサイトがあり、観客からの支持率を示すメーターと、批評家からの支持を示すメーターの二つがあって、その二つが一致している映画もあれば、批評家からは全く支持されていないけど、観客からは異様なまでに支持されているようなタイプの映画もあったりします。私が特に後者のような映画を好むこともあってか、高木社長の言う観客からの支持という要素にはこれでもかと過敏になる体質になっていました。故に観客からの「?」を作ってきて沢山怒られてもきました。

ある種の観客至上主義と言いますか、どれだけ作家的なものを発揮しても、判断するのはお客さんであってお客さんが受け入れてくださっていればどんなことをやってもいいんだよというのが社長のスタンスだったので、これを見せればお客さんは何かしら心を情動して見てくれるに違いない!という思いがあったからこそ、今回上映が出来なかったことに怒ったのだと思いました。

結果的になのですが、今回顕になった自分の感情は高木社長からの教えが血肉になっていることの何よりの裏付けでもあったように思えます。

また先輩ディレクターからも口を酸っぱくなるほどに「まず後楽園ホールでしっかりとVTRを作れるようになれ、そうすれば両国も行ける」と言われ続けていました。プロレスの聖地が映像を上映する環境になるという高揚感もやはりあるのですよね。北側にスクリーンを設置してどの角度からも見えるというのも(北側の人は首を上げて、後ろ見なきゃだから見辛いだろうけど。)

レスラーにとって後楽園というステージでベーシックに熱狂と興奮を作り続けられるかどうかが大事なことのように、ここで映像を見せる側も同じことが言えるというのは自分が仕事をしている上で血肉として刷り込まれていたのだと感じました。

普段から沸点が低いわけではないし、普段から人を怒鳴ったりすることも滅多にないけど、姿勢として時に譲れないものを見せなきゃいけないこともあると感じます。
それがたまたま今回起きたのだと今は思います。
昔の自分だったら素通りしてたけど、素通りしない自分がいた。波風を立ててでも主張しないといけない必要があったと感じる自分がいました。

「仕方ない、しょうがない、どうせ出来ない」で済まさない。自尊心というものを考え続けてきたからこそ、その自尊心の振り幅が大きく上下してしまう大家代表が被写体だったからこそ、今回表明出来たのだと思います。今回、それを示したことは自分にとって大きな一歩になりました。

素晴らしいプロレス興行に参加出来て、本当に良かった。
またこうした場に参加出来るよう、自分の持ち場に戻りこれからもコツコツと取り組んでまいります。

それでは本件に関して、この辺りでおいとまさせていただきます。
引き続きどうぞよろしくお願い致します。

俺は!ガンプロのリングで!プロレスを!やります!

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