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あなたは思い出写真を捨てることができますか?

どうして写真を捨てるのかは後にして、先ずは思い出の写真を捨てることを想像してみてほしい。
例えばこどもの運動会の写真などだ。
我が家にも大量の写真が存在する。
誰が何のためにこれだけの写真を撮ったのかと当時の自分を疑いたいくらいだ。

整理ができない写真は撮らないのが賢明

数年前外付けのハードディスクが故障した。
YouTubeをやっていたこともあり、その中には大量の動画と旅で撮った思い出用のバックアップ写真が入っていた。

そのハードディスクにアクセスできないと分かった時は頭が真っ白になった。
思い出がなくなると思ったのだ。
ネットで調べると数万円でデータを回収してくれるという業者が見つかった。
一週間悩んだ末出した結論は回収せずに諦めることだった。

整理する手間が省けたと考えることにした。

運動会の写真は誰のため?

カメラは子育ての必需品だと思っていた。
昭和の時代は運動会の競技で頑張っているこどもをカメラで捉えるのが父親の任務だった。
どこの父親も争うように前列を陣取りカメラを構えていた。

そのような状況は現在も変わりないように思う。
孫の運動会に行くと父親に加え、負けじと爺さんが写真を撮っている。
長男の息子の運動会に行った時は、孫ひとりに対し爺さん二人が写真撮影を競い合った。

その一人はもちろん私だ。

私のこどもたちも大人になりそれぞれ家庭を持つようになった。
盆や正月には実家の我が家に集まるが、昭和に撮った運動会の写真を見ることはない。

もっぱら記憶にある話題で盛り上がる。

終活という言葉は好きではないが、高齢者と言われる年齢になって身の回りを整理しようと最近写真にも手を掛けた。
整理の目的は心を軽くしてこれからの人生を生きるためだ。

ところが他の物と比較して写真整理が一番手ごわいと感じた。
こどもたちが将来自分の成長を見たいと思った時のために撮影したつもりだったが、実はこれらはすべて親である私たちの思い出だったと今更ながらに気付いたのだ。

そう思った時、孫の写真を撮ることをやめようと決心した。

整理できない大量の写真

当然我が家にある写真の多くは自分が撮ったものだ。
大量と言える写真を整理するのは厄介だ。

昭和に撮った写真は今と違い印画紙に焼いた写真だ。
まだアルバム帳に貼ってあるものは扱いやすいが、印画紙のままの写真の方が多くある。
その都度整理してこなかった写真は、引き出しの中に袋に入れたまま大量に見つかった。

そのまま捨てることができればスッキリはするだろうが、確認もしないで捨てることには抵抗がある。

一枚一枚確認をするだけならそんなに時間も掛からないが、撮影時の記憶が蘇るなど思い出に浸ってしまうことはよくあることだ。
そうなれば整理どころではない。

どうしようかと考えた結果、捨てられない写真は今持っているカメラで撮影してデジタル化することにした。
そして印画紙の写真の方は、自分の部屋の一角にコルクボードを貼り付け、諦めが付くまで貼り付けることにした。

コルクボードに貼っているのは主に旅行の写真だ。
会社で行った旅行や友人たちと行った旅行の写真だ。

60歳過ぎてから同年代の訃報が多く飛び込んでくるようになったが、その人たちと一緒に撮った写真もこのボードに貼って気が済むまで偲ぶことにした。
そして諦めが付いた写真から順次シュレッダーに掛けている。

そこまでする必要もない写真は当然シュレッダー行きだ。

デジタル写真の整理

写真がフィルムからデジタルに変わり気軽にシャッターを押せるようになった。
デジタルになって一枚一枚にお金が掛からない分、シャッターを押す回数も格段に多くなった。

デジタル写真は印画紙と違い嵩張らない。

しかしサーバーの容量は減っていく。
グーグルフォトのような無料のクラウドサーバーでも残量がひっ迫してくるのは時間の問題だ。

サーバー容量のひっ迫よりも問題なのが、写真の撮り過ぎが原因で見たい写真が見つけられないことだ。

同じアングルの写真ばかりが整理されずに残されているので、肝心な写真が埋もれてしまうのだ。
分かっていてもできないのが写真整理だ。

スマホで気軽に動画を撮ることもできるようになってから更にその整理が難しくなった。
勿論動画は、サーバーをひっ迫する要領も写真とは比較にならないものだ。

孫が映った動画を捨てることができる爺さんも少ないだろう。

そう考えると最初から撮影しないことが、そのような問題を解決する最も有効な手段であることは言うまでもない。

先日も夫婦で新緑の美しいメタセコイアを見に行ったが、写真を数多く撮らないように意識した。
もう少し撮りたいと思ったが、スマホで2枚だけ撮って我慢した。

動画も撮影したが編集が終わり次第元動画は削除するつもりだ。
写真や動画で思い出を残すよりも記憶に残すことを優先させたい。

これまでも記憶の方が美しく思い出に残ることは実証済みだ。
SNS投稿用の写真を撮ることばかりに集中していると、本来の美しさやその場の空気感を楽しむことが疎かになりがちだ。

それよりも写真や動画には残せない匂いや空気感を記憶にとどめ、何なら思い出用にこのNoteに書き残す方が賢明なのではないだろうか。

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