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3133 海帆 事業成長性と今後の期待について

日本の株式市場において今注目度の高い海帆(3133)について考察したいと思います。
尚、このnoteでは企業を個人的に俯瞰し事業成長性や企業を取り巻く事象について主観的に述べているものであり、株式の売買を勧めるものでは御座いませんのでその点ご留意ください。


①銘柄(企業認知)とのご縁

私がこの銘柄に出会ったのは、2023年4月半ば頃。
4/12に付けた十字線から翌日以降出来高を伴った赤三兵

3133 海帆 日足チャート(株探)

強いと思い打診をかける前に企業のHPをみたんですね。
中部地方を中心とした居酒屋を運営する会社だったわけですが、能々見ると「再生可能エネルギー事業」もやってますとのこと。
(* ̄- ̄)ふ~ん、居酒屋が再エネねぇとは感じましたが、直近出来高をみて何か思惑があるんじゃないかと…
日経ビジネスの記事でも吉川社長が自社の未来像を自信気に語っていたのも印象的だったし🤔

ということでエントリーの決め手は、

  • チャート転換点

  • 浮動株に対する社長の持ち株率

  • 新たな事業展開

  • テーマが脱炭素

  • 社長の経営思想がバックキャストと感じた


②突如のビッグニュース


5/15決算を前に2連続S安となったが、結果は赤字縮小となり翌営業日は一転S高をつけた。
そんな矢先、5/22適時開示にてAWSとの長期売電契約締結のニュースが!!
思惑はこれだったのか。

AWSといえば、世界シェアNo1のクラウドサービス

5つのポイント

  1. 豊富なサービス

  2. 世界最上級の運用専門知識

  3. 最もセキュアなセキュリティ基準

  4. 安心できる情報網(コミュニティやパートナーの存在)

  5. まったく新しいテクノロジーを最速で提供し続けるサービスコンセプト

コスト削減や俊敏性を高めビジネスの効率化、ビジネススピードの加速化しイノベーションの加速を実現。

またAmazon社は下記誓約に調印し脱炭素社会に向け世界的に牽引しているのが分かる。

更には海帆とPPA契約したAWSジャパンについても、上記に追従する形で
日本企業とパートナーシップを結び2025年までに世界中の全ての事業で 100%再生可能エネルギーを利用すべく取組みを紹介している。


③再生エネルギー事業の今後

気になるのが、この新事業が海帆にとって主軸となり得るのか?

3856 Abalanceを例にみてみよう
企業向けソフトウェ アの開発販売を目的とする IT 会社だったが、グリーンエネルギー事業へ舵を切り、2023年現在では自社発電所は国内外で約110か所、 保有発電量は140MW超という成長にまで発展した。
また2020年にジェイフェニックスリサーチのアナリスト分析にて、太陽光発電所の生み出す価値が株価に反映されていない、数年で実現可能な数値でさえも株価に折り込まれていないことを踏まえたアップサイド予測を、11,000~21,000とした。
※実際に2023年6月上場来高値13,620を付けた
 当時の安値139円から何倍?

海帆については9/19の適時開示された内容によると、
AWSへの電力供給のための発電設備の開発、設置を継続的に行っている中、一部完工した設備からの売電を小売事業者を通し開始する旨を発表した。
恐らく予定よりも前倒しで進捗していると思われる。

しかも、新たに電力受給契約を結んだ「株式会社UPDATER」という企業がなかなか面白そう。
「みんな電力」という旧社名で脱炭素領域・再生可能エネルギー事業における知見に長けており実績も伴う。
更には、パリ協定と整合する脱炭素化社会の実現を後押しする企業グループ日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)の正会員でもあり、アマゾンジャパンをはじめ国内大手企業も多数加盟している。
また賛助会員ではあるが、「新エネルギー開発株式会社」の名も確認できました。 


しかしながら未だに腹落ちしていないのは、
なぜAWSは海帆を選んだのか?
というのも、先に説明した通りAmazonは脱炭素化社会の牽引役として国内外のエネルギー関連会社と順次PPA契約を結んでいる。
国内においては、
 2021年9月 三菱商事 設備容量:総計約70MW(約450ヵ所)
 2023年2月 伊藤忠商事 総計70MW-DC/38MW-AC(約700ヵ所)
 次いで、、、
2023年5月 海帆 総計 31.350MW-DC/16.335MW-AC ※国内3事例目

先駆の2社については、日本を代表する総合商社であり時価総額も桁違い
 1)8058 三菱商事 時価総額:10兆2,435億円
 2)8001 伊藤忠商事 時価総額:8兆5,235億円
 3)3133 海帆 時価総額:298億円 →いや、まあまあ凄いけど
しかも、日本の5大商社についてはウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー社が2020年から株式を買い付けており、2023年にも買い増しし保有率を引き上げている。
当然、株価にも反映され、今の日経平均の強さの中枢を担っている。

もしや海帆にも白羽の矢が立つのでは?
と思いつつも流石に想像の域を出ない。
真相はこれから適時開示や中期計画などで株主等へ広く発信されると思いますが如何せんインパクトが大きい。
AWSとの契約を皮切りに先に説明した電力小売り会社との事業提携が呼び水となり、パートナーシップ企業の増加や新規事業へ発展の布石になるのでは?と勝手に妄想しています。


④新たな展開

 2023/12/15更新
 企業に対する風説の流布、売り機関と結託した売り崩し等の逆風に負けず見事に機関の空売りを踏み上げる株価の上昇を遂げており、今後の期待値もより増してきた今時期、ここにきて新たな動きがでてきました。

令和5年12月11日付けで海帆の主要株主である山田 亨氏(トンピンさん)による株主提案書が会社側に提出された。
その内容は下記の通り

 1.   代表取締役 吉川元宏氏の解任および新体制への変更
 2. 中期経営計画の策定
 3. 支店の設置
 4. ストックオプションの付与

特に吉川社長の解任については驚きを隠せなかったが、その理由にも触れている。
既存の飲食事業の黒字化、再生エネルギー事業の立ち上げなど経営者としての手腕をリスペクトする一方、過去から付き纏ういわれのない疑念の流布によって、今後の事業活動に支障が出かねない。
なるほど…

後は、中期経営計画の策定
個人的にはこの部分も非常に的を射た提案だと感じました。
経営者が経営ビジョンを実現するには以下の3点が特に重要視される
 ①現在の考えや行動がどのような種類の未来を折り込むか
 ②どの程度先まで考えるか
 ③どのようにして合理的な意思決定をいま行うのか


つまり、通常の課題解決にも用いるPDCAサイクルを中長期で回すわけだが、この時に10年先を見据えて経営ビジョンを描きつつ、既に起こっている未来から潜在ニーズを把握、自社のポジショニングを明確にして、バックキャスティングによる戦略の策定と目先成すべき事の確実な実現に繋げていくのです。


更に驚いたのが、新たな社外取締役の提案
・塩満健一氏 :アジア主体で金融運用ビジネスに従事
・上田真由美氏 :国内外の物流、金融ビジネスに従事、クライアントにアジアのエネルギー事業関連が多い

おおっ!これは完全に追い風ではないか。
しかも新体制後は注目される再生エネルギーのセグメントに注力されると思うので、中期経営計画で事業拡大プランを可視化し広く発信することにより、国内外から業務提携や新たなビジネスチャンスの機会を存分に秘めていると思います。

その背景として、全ての電力を再生エネでまかなうことを目指す国際的な企業連合「RE100」やESG(環境・社会・企業統治)投資など社会的な環境価値への意識の高まりや政策によってグリーンエネルギーの提供事業者は増加している。2035年度のグリーン電力市場は1兆9459億円となる見込み。

グリーンエネルギーの国内市場予測(~2035年度)
世界エネルギー減設備容量の推移(~2050年)


AWSに追従する形で、Googleや世界で最も持続可能な100社の首位に選ばれたデンマークの洋上風力発電最大手のエルステッドなどとの協業も夢ではないのでは?
上記実現に近づくため、延いては企業の更なる発展に向けて、企業側からの敵対表明の無き双方の和平的な決着を見守りたいです。


⑤結び

私なりの解釈で考察してきましたが、忘れてはならないのが
「需給はあらゆる材料に優先する相場は需給の鏡」
相場を動かす根本の原因はいうまでもなく需給関係にあります。

取組・人気・仕手などによって目先的には動くこともありますが、背景にはやはり需給があり、最終的に相場を動かすのも需給に尽きるのです。
期近は現在の需給を、期先は将来の需給を映しており、今後の需給動向を予測して相場に臨む事は当然のことであります。
また、
相場の需給を崩す大要因となるのが「信用取引」です。
下記の説明図に目を通し、そして各自のトレードにフィードバックをかけては如何でしょうか?
一人一人の意識転換によっては新しい景色が見れるかもしれません。
最後までありがとうございました。

”待てば海帆の日和あり


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