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1981〜1985-3

ある日の午後、
うちに来たKに私は切り出した。
「ごめん。別れたい。」
「なんで?」
「やっぱりMのことが忘れられん。」

全くの嘘だった。
Mと別れた理由は、高校に入って私に好きな人が
できたからだし(私の片想いで終わった)、Mもそれほど私に気持ちはなかったのか(実は違う理由があることを数十年後に知ることになる)非常に円満に別れて、今はすっかり親友みたいになっていた。
ただKのことを彼氏としては好きにはなれない。
それを正直に言えない私の、
私なりにKを傷つけずに別れるための言い訳だった。

Kは言った。
「Mの代わりになれたら、Mの代わりに俺がそばにいてやれたらと思っとったんよ。」

ちょっと待って

アンタなんで今頃それ言うん?
そんなに真剣に私のこと考えてくれとったんやったら。
もっと早くにそれ聞いとったら。
私の気持ちだってもっと違っとったのに。
アンタ私に好きって言わんかったやん!

アンタもノリで付き合ったんやと思っとったわ。

これがあとの祭りというヤツか。
少し悔やむところもあったが
口にした別れの言葉は取り消せず、
とりあえずその日で私たちは終わった。












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