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2013

結婚して20年が経った。
私はその後、松山から広島→栃木→広島と移り住み、のんびりパートをしながら過ごす日々を送っていた。

時代の流れに乗ってブログに続いて
Facebookも始め、
職場の人や放送局時代の同期や同級生に
時々行った所や趣味の登山の報告をしたり
人の記事を見たりしていたある日、
メッセンジャーにメッセージが入った。

お久しぶりです。
偶然名前(旧姓も入れていた)を見つけて
友達申請していいものがどうか迷い
メッセージをしました。
元気そうで何よりです。

Kだった。
あまりの驚きに、
文字通り私は飛び上がった。
すぐに返事をする。

お久しぶりです。メッセージありがとう。
びっくりしました。とても嬉しいです。
そちらも元気そうで何より。
どうぞ友達申請して下さい。
よろしくお願いします。

どうも中学の同級生絡みで繋がったようだった。
私の名前を見つけて
山(次郎笈)の写真があったので連絡してみたとのことで、自分も渓流釣りや海釣りにハマり
山にも行くようになったとのことだった。
中国地方のオススメの山を教えたり
現在Kの住んでいる近くの山を教えてもらったりと、
何度かやり取りをしたあと、Kは続けた。

いつか自然の中で話をしてみたいものだね。
きっと若い頃とは違う空気が流れるかも、なんてね。

しかしながら再び会うことは
到底無理な話だった。
もうひとつ正直に言うと、
今更会いたいとは思えなかった。
別れてから立ち直って歩き出すまで、
どれだけ苦しかったか。
あの気持ちを思い出すのも
それを口に出すのも
もうまっぴらだった。

幸いにお互いそれ以上は踏み込まず
その後はそれぞれの記事にいいねをする程度の付き合いに収まった。
FBで見るKは昔より随分善人になって
(いや大人になったのか)
もう私の知っているKではなかった。
沢山の自撮り写真、美しく飾られた文章。
確かに写真を見る限りKではあったのだが、
作られた何かを見るようで
そしてそこに本音はないようで
(SNSは皆そんなものだと思ってはいるが)
全く知らない人の投稿を見ているようで
少し尖っていたあの頃のKはどこにもいない。
そう感じるのは私だけかと思っていたのだが、
高校の同級生らしい人から
お前なんでそんなに変わったの?とコメントが入っていて
昔から自分はこんな感じだと返事をしていたので
やはり昔のKを知っている人には変わった印象があったのだろう。

そしてそのまま10年が過ぎた。























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