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我が家の庭の風景 part.116「庭の仕立て直し」

 今年の我が家の庭は青かった。ルリジサの青い花がミツバチを呼び込み、昨年根付いたものと冬のうちに買ったものとの二つのイチゴの苗の実付きを助けた。
 ミツバチは菜の花が終わった後にはルリジサの花壇や鉢のひとところに集い、羽音は小さくなった。ルリジサが種をつけ始めた頃には青を中心にカラフルなクロタネソウや矢車草が花を咲かせはじめた。

 小鳥の声も遠かった。飼い主のいない猫たちが庭に住み着いているために、鳥が安易に地面に近い低い場所に留まって鳴かないようだ。ホーホケキョの声が心地よく、高木から聞こえる遠くほど近い小鳥のなき声も耳に心地よいものだと知った。春雷を呼ぶ春雨は豪雨にはならず、庭の生き物を生かした。
 軒下のミントの花壇をのぞき込むとヒキガエルがたびたび飛び出してきた。時には、ミントの根元に茎に絡ませて卵を産み付けていることもあった。白いアワアワがまるで草木を洗うシャンプーのようにハーブ花壇には清涼な香りが漂う。

 今年の春はハーブがよくほこった。あきらめていたペパーミントも復活した。レモンバームの切り戻しのタイミングもネットで教えてもらったからばっちりで、低い位置で優しい春風に葉が揺れるのが快かった。
 しかし、いくらハーブの生育も香りもよくても、我が家の今年の花壇は見た目が悪かった。

 種まきをして庭に花畑を作るのは難しい。思ったようなタイミングで花が咲いてくれない。思ったよりも草丈が高くなる。思ったよりも横に広がって生えない。手前に低い花を置くならパンジービオラだった。
しかし、春に咲いてくれないカモマイルをせっせと植えてしまった。咲くはずだったのだ。なんなら、キンセンカは昨年の冬に咲いてもらう予定だった。しかし、いまだに咲かない。葉っぱは少し茶色になっている部分はあるもののどれもほとんど虫食いもなく、元気だ。かたくなにつぼみをつけないだけだ。

 そろそろ花が終わったルリジサを抜いて、ほかの花で埋めたいと思っている。前庭の花壇をもう少しどうにか仕立て直したい。ソラマメを収穫して苗を抜いた。裏庭には昨年宮崎で24苗千円で買ってきた花の苗が柿の木の周りに植えてある。

 勇気を出して、前庭の花壇の様子を見出し画像にした。チューリップは同じ花壇でなぜか一つだけ咲くのが遅くなって、花が大きく首をかしげている。このチューリップの葉っぱが枯れたら、球根を抜いて、また別の花を植える。ハーブ類は抜いたって良いのだ。軒下の花壇をハーブ用にしている。その真向いにもハーブを植える必要はなかった。どちらの場所が育ちがよいのか試したかった。
チェリーセージだけは、ツツジの木の下が居心地が良いらしいので、軒下には動かせない。冬まで花が咲いていたのに、なぜか春になって花が終わった。針金のようになってびよんびよんと風に揺れて、後ろのツツジの木に倒れ、葉っぱの青々しさも葉っぱがあまりに小さいので目立たない。しかし、花たちを踏まないようにまたいで花壇の奥のそれに近づけば、チェリーセージはよく香る。

 花粉症にならないハーブの豊かな芳香。
ワイルドストロベリーも鉢から花壇に植え替えてからずいぶん機嫌がよいので、花と入れ替えるか迷っている。葉っぱが青々として、あの小さな赤い実がこれからつけば、花が目立たなくても葉っぱがかさばっても、それはそれでかわいらしいのではないかと思っている。

要は、バランスだ。
組み合わせる花の数はそれなりにあるのに花が咲いたタイミングで植え替えられないから悪いのだ。
来年はハーブも花もこぼれ種を期待している。今年以上に組み合わせに困るだろう。

 世間がGWの間の4月末から5月上旬にかけて、花壇の手入れに精を出してみた。しかし、うまくいかなかった。いや、最初からうまくいかないと思っていた。ただでさえセンスがないのに、絵の具の数が足りないで絵を描くようなありさまで、多すぎる緑色を持て余しているのだから、梅雨が少しでも穏やかで窓辺で庭を眺める猫に少しでも、庭がかすんで見えれば本望だ。

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