俳句 part.81「秋茄子(あきなす)」
母がヘチマが腐ると盥に漬けてしまいました。
腐りそうだからといって、水につけるのは納得いかなかったのですが、皮を剥がすのにはそうしたほうが良いと言われました。
そういえば、焼いた茄子の皮も水につけて剥くような気がします。しかし、それは焼いたから。乾燥していないヘチマをそうされることにモヤモヤしてしまいました。やはり根底に私が育てたヘチマだという思いがあるからでしょう。
自分が作ったものは大切に使ってもらいたいという思いは、日々、生産者の方も持たれているのかもしれません。おいしい命をいただいて、育てた方に対する感謝を忘れないようにしたいです。
遅きほど実りの美味し秋の茄子
秋茄子に大陸見ゆる陳麻婆
詰襟の手腕 秋鍋の茄子
秋茄子や古びた里は水々し
朝霧の中の秋茄子禍々し
秋茄子の長し醤油漬け
丼に何を飾るか秋茄子か
秋は赤 茄子には油 故に丼
日中は茄子と油の仲の如
行く行かない秋茄子食べて考える
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