我が家の庭の風景 part.115 「収穫時期」
4月上旬。
裏庭の畑の菜の花を払ったら、ミョウガが生えていることに気づいた。可食部の花はまだ。茗荷は庭に植えてはいけない植物と言われている。わさわさ繁殖してどうにもならなくなるからだ。とてもひと家族では消費できないほど毎年の芽が出てしまう。
我が家の場合は、母が嫁で来たときには、既にこの時期には茗荷が生えてきていたそうであるから、ご先祖様の誰が植えたかもわからない。
昔は我が家も大きめの農家でお手伝いさんがいたそうであるから、もしかしたら、ご先祖様ではなく、全く知らない人が植えた可能性もある。雇い主が意地悪なので嫌がらせだったかもしれない。
先祖様達は勤勉ではあったが、勤労精神には富んでいなかったと聞いている。
戦争が終わって、農地解放になって、土地が縮小した。もしかして使用人さんもどんどん小作に変わってから、どんどん庭も畑も荒れていった可能性もある。それからまた土地を手放して、50年近く前に祖父が亡くなった後には、未成年の息子たちには、手に負えない庭が残ったのかもしれない。
だとしたら、庭の荒れ模様も仕方がないことだと諦めるべきだろうか。
何の気まぐれか、私が何年かけても掘り起こせなかった石を父が掘り起こして退けてくれた。
せっかくだから、そこに買ってきた生姜の種を植えた。去年我が家でとれた生姜も取っておいてあった。しかし、それでは足りないかと思ったのだ。我が家が生姜畑になればいい。茗荷はとてもではないが消費できない。生姜はあればあるだけ使う。余るということはあまりない。父がチューブの生姜を買って来なければ。
これから生姜が生えてくると思うと、ワクワクして、我が家に買い置きしておいてあった生姜をたくさん使って筍の炊き込みご飯をした。
山椒は小粒でもぴりりと辛いを入れ忘れた。
我が家の庭に山椒も植えられている。
どうしても山椒を使いたかったので翌日の朝ごはんに山椒の葉を取ってきた。しかし、炊き込みご飯にではなく、サラダに合わせてしまった。
炊き込みご飯には塩漬けしておいたレモンバームを使った。大葉とほぼ変わらない味と香がした。レモンバームの方が香が少なく、葉がザラザラするだろうか。
サラダにはニンニクが欲しかった。タコとりんごとズッキーニ。岩塩を使ってオリーブオイルをかけた。この岩塩は使い切ったらしばらくお別れだ。我が家はそれほど食費のかかる家庭ではないだろう。しかし、もっと節約したい事情ができた。
ニンニクは生の国産を買えばお高いが庭に生えている。そろそろ収穫時期だ。
野生化して毎年生えてくる。さらに去年はスペイン産の赤ニンニクを植えた。
日本産は肉厚で大きい。その子孫なので毎年大きく育つはすがうまくいかない。そもそも勝手に生えてくるので育てているとも言えない。今年は葉の広がりが良い。雑草畑で大きく育っていそうだ。
ニンニクを収穫しているうちに、すぐミョウガだ。ミョウガが終われば、ショウガだ。そして、1年が終わる。我が家の庭の畑は5月から収穫が始まる。春に種をまき、秋に種をまく。春は花を愛でて、花を楽しみ、夏と秋は花も実りも楽しむ事ができる。冬にはまた冬獲れの野菜がある。晩秋のショウガにはじまり、冬大根やカリフラワーなど。実りのない春は薬草やハーブが埋めてくれた。
家庭菜園も節約したい。父が植える分には勝手だが、世話の手間は私がかける。そうして庭の畑の世話も実りも満足する手間もかけられないままに、生活の全てが中途半端に、よくいえば長閑に人生を終えるのだ。
ミョウガ
ニンニク
ショウガ
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