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石垣美術館 - 人と自然の意図せぬ競演 -

年に数回だけ走る道があります。見晴らしのよい展望ポイントが点在する中で、私が気に入っているのは一見地味な「石垣」の続く場所です。その一角が、見事な苔に覆われているからです。

北向きとか陰になっている石垣は、日光をあまり受けません。ジメッと湿度も高くなりがちで、苔が好む環境となります。とはいえ、ほとんどの場所では苔の生え方に濃淡があります。ところがこの一角は、苔がじゅうたんのように石垣の上ほぼ一面にふわっと生えているのです。思わず触れたくなってしまうほどに。

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そして、石の切れ目などから小さな草花が顔を出しています。人と自然の「意図せぬ競演」が作り出した光景を目にすると、つい走るのを一瞬やめて見入ってしまうのです。

ここを勝手に「石垣美術館」と名づけました。その景色の一端を、ご覧ください。

この場所に生える草は、苔や、風に吹かれて来たりしたわずかな土に根を張っているのでしょう。

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小さな花が咲いています。

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排水管の中もこのとおり。まるで専用の展示ケースのよう。

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濃い緑の草も。名前がわかればもっと楽しめるのに。

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少し離れた場所には、苔がない石垣も。こちらも、よく見るといいものです。

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こんな風に気を取られると、なかなかしっかり走れません。でもそれは、この一角だけ。ここに来るときは大体30キロぐらい走ります。その間のちょっとした息抜きの場になっています。

次に訪れるのは、暑さが収まる秋以降になるでしょう。そのときは、紅葉も楽しめるかもしれません。

ランニングを続けていると、お気に入りの場所が少しずつ増えてきます。ときどきでも、そうした場を走りにいくのは大きな楽しみです。

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