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超小型スリムな広角フィルムカメラVivitarをポケットに入れて走る

走るときの相棒として、50年ほど前に作られたフィルムカメラ・ローライ35シリーズを何年も使っています。デザインもいいし、小型だし、使って楽しいカメラです。

でも、たまにほかのカメラも使ってみたくなるもの。うちには二眼レフのローライフレックス2.8Cもあり、本当に気に入っていますが、大きさと重さからランニングへ持ち出すのはなかなか覚悟がいります。

そんなときふと目に入ったのが、驚くほど小型で薄くて軽いフィルムカメラ、Vivitarでした。


驚きの超軽量フィルムカメラ

このカメラ、正式にはVivitar ULTRA WIDE&SLIMと言います。フィルムを入れずに測った本体重量は、なんと

約70g!!

私が普段ランニングに使うローライ35Sは、「小型軽量フィルムカメラ」を代表する一品ですがおよそ350g。簡素版のローライB35でも約250gします。Vivitar、恐るべき軽さです。

もちろん軽いのは理由があります。素材は基本プラスチック。レンズは小さく、露出を調整したりピントを合わせたりすることはできません。レンズキャップもなし。いわゆるトイカメラの一種です。フィルムカメラとは言え、ローライ35とはかなり別もの。

ローライ35Sと大きさ比較

だとしても、このサイズと軽さは走るときに魅力です。ローライ35Sと大きさを比べてみました。

まず前面。縦横の大きさは、ほとんど変わりません。

35mmフィルムを縦長に収納し、横方向に1コマずつ送りながら写真を撮る構造を考えると、これぐらいの大きさは必要なのかもしれません。

続いて上から見たところ。こちらはかなり違います。

ボディに加え、ローライ35Sはレンズ分の厚みがあります。レンズにはスカイライトフィルターとレンズキャップをつけているので、その分厚さが増しているというのもありますが。それにしても、レンズが全く繰り出さないVivitarの薄さに驚きます。

カメラをポケットに入れて走りに出るとき、「なるべく厚みがないこと」はかなり大切です。ポケットに入るかどうかの決め手にもなりますし、出し入れのしやすさにも大きく関わります。その点で、Vivitarはとてもランニングに持ち出しやすいカメラです。

22mmの超広角レンズ

私がVivitarに興味を持ったもうひとつの理由が、22mmという超広角のレンズを備えていることです。ローライ35Sのレンズは40mm。一般的には50mmがカメラの「標準レンズ」と言われることが多い中、22mmは相当の広角です。

広角レンズは風景をどーんと写すことができます。私は自然が広がる景色の中を走るのが好きで、その「広大さ」を写真に収めたいと感じることが多々あります。それで、22mmというレンズに興味を持ちました。

ラン x Vivitarで撮った写真

では、Vivitarはどんな写りをするのでしょう。私がランニングに持ち出して撮った写真です。

田植えの時期。ほかの写真も含め、四隅が暗くなる光量落ちが見られます。超広角ゆえでしょう。

雲と青空の様子がいいですね。

手ブレしてしまうとこんな感じ。

広々とした場所の雰囲気をしっかり捉えることができます。

現像した写真を見ると、レンズは明るくないですね。f値は知りませんが、あれだけ小さなレンズだからやむを得ないところ。絞りの調整ができないので、晴れた日、アウトドアでの使用に向いたカメラでしょう。

そこに留意すれば、色合いは思いのほかしっかりと出ているなと感じます。たまにランニングや山歩きで使うのに楽しそうなカメラだと思いました。

使用フィルムはKODAK Gold 200です。

入手するには

このVivitar Ultra Wide and Slim、残念ながら今は製造されていないようです。でも、ほとんど同じに見えるカメラがRETO Ultra Wide and Slimとして販売されています。ただ呼び名が変わっただけかもしれません。

Amazonだと商品名に35mmと書いてあるのが紛らわしいですが、これは「35mmフィルム(一般的なフィルム)を使用する」という意味のようですね。製品写真を見るとレンズは22mmの超広角です。

とにかく軽くて薄いフィルムカメラを使いたい、フィルムで気軽に超広角の撮影がしたい、写ルンですのようにフィルムを撮り終えるごとに本体を手放すのでは愛着が湧かない、といった方には、持ち運びやすいアウトドア用トイカメラとして面白いかもしれません。

〈2023/11/25追記〉
Amazonのブラックフライデーセールで、RETO Ultra Wide & Slimが3833円に割引になってます。


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