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私のイタリア生活

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日々のイタリア生活で感じたことや思うこと。
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オリーブオイルは何と味わう

オリーブオイルは何と味わう

5月になった。
オリーブはまだ花芽で、咲くのはもう少し先になりそう。

農協的スーパーに行った。
この時期は、そら豆やアスパラガスなど
春の野菜が並んでいる。
旬の野菜は、季節ごとにあるけれど
春の野菜を見てワクワクするのは、なぜだろう。

グリーンピースも売られていた。
房ごとドサっとカゴに入っていて、
好きな分だけ袋に入れて
量り売りで買う方式。
イタリアの野菜は、パック詰めのものもあるけれど

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作り手としての思い

作り手としての思い

4月も半ば。

オリーブ栽培に携わるようになって、
早くも、4年目の年を迎えようとしている。

今年のノンフィルターオリーブオイルが、現地のイタリア人にも人気で、
フィルターがけをする前に50リットルほど、別のタンクに保存していたものも
おかげさまで、完売に至った。
フィルター済みの方はまだ少し、余裕があるものの
こうして少しずつ、いろいろな方にその味を知ってもらえるのは
本当にありがたいことであ

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花の咲く時期

花の咲く時期

4月の初め。

新芽が出たなぁ…と思ってからわずか2週間ほど経って、
気がつくと、もう花芽をつけているオリーブの木々たち。

販売の方が一旦落ち着いて、剪定も終えた最近は
もっぱら、新年度の価格改定で
計算機とにらめっこをしている。

「値段を設定するのって難しいね。」友達と、そんな話になった。

これから本格的に事業を展開しようとしている友人は、
どんなふうに、そのサービスに値段をつけて良いのか

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いろんな手法

いろんな手法

あっという間に、4月。

今年は雨が多くて、暖かくなってきたこともあるからか、
雑草の成長具合が激しい。
登録している IGP の決め事で、trinciatura と呼ばれる除草や草刈りは
5月の中頃まで出来ないから、ほぼほぼ放置状態。
なので、オリーブ畑を歩き回るには、少々、歩きにくい。

先日、たまたま、知人に教えてもらって
オリーブではないけれど、日本にはいろいろな農法がある事を知った。

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OLIVE DELLA YUKI  変わりやすい春のお天気の下で…

OLIVE DELLA YUKI 変わりやすい春のお天気の下で…

すっかり、夏日和だと思ったのは、先週の空。

フィレンツェでは、雹が降り、
グッと気温が下がっている。
北側の山では、雪が降った。

3月の半ばに終えた剪定から
まだあまり日が経っていない時期の急激な冷え込みは、
オリーブの成長にも影響をもたらすんじゃなかろうか…と
実はちょっと心配している。

「風は凄かったけど、雹は降っていないよ。」

あまりにも天気が悪くて、
オリーブ畑には行かなかった今週

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OLIVE DELLA YUKI  初心

OLIVE DELLA YUKI 初心

春の陽気。
陽の当たるオリーブ畑は、
暖かいというより、むしろ、暑いくらいで、
日中の温度は、20度を超えている。

「そうそう、IGPの申請は6月までだからね。」

先日からお世話になっている、
役所のお助け機関のシニョーレが、
そう、言ってくれた。

IGP(イー ジー ピー)
Indicazion Geografica Protetta

日本語で言うと、
「保護指定地域表示」というのだそう

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OLIVE DELLA YUKI  田舎のお助け機関で…

OLIVE DELLA YUKI 田舎のお助け機関で…

ようやく、春めいてきた。
なんとなく、オリーブ畑に目をやると、
視界の片隅に、ピョンピョンと動くものがいて、
何かと思って、よく見ると
それは、野ウサギだった。
写真に収めようと、近寄ったら、
当たり前だけど、
ピョンピョンと遠くに行ってしまった。

その日は、オリーブ畑のある地方の、
公的機関へ出向く予定だった。

イタリアには、いろんな公的機関があって、
それらの手続きをお手伝いしてくれる団体

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OLIVE DELLA YUKI  手続き

OLIVE DELLA YUKI 手続き

そろそろ、剪定をお願いしたい…と
収穫をお手伝いしてくれたモロッコ人にお願いしたら、
一週間のうちに、全部の剪定をやってくれていた。

本当は、少しは自分でやってみたかったのだけど、
彼らの都合もあるし、こちらの都合もある。
慣れないうちは、オリーブの木を傷つけてしまったりするだろうから、
ここは、手慣れた彼らにお願いするのが筋だと、思うことにした。

今年のオリーブオイル作りは、こうして、スター

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OLIVE DELLA YUKI  2年目の春

OLIVE DELLA YUKI 2年目の春

週末は、オリーブ畑へ出向く。
先週も、今週も、
あまり様子は変わらないのだけれど、
そろそろ、剪定の時期を具体的に考えなくてはならない。

昨年、収穫を手伝ってくれた収穫隊のボスはモロッコ人で、
近くの大きなワイナリーが所有するワイン畑やオリーブ畑も、
彼が取り仕切っている。
春から秋まで、イタリアのそれぞれの畑仕事を終えると、
ゆっくり休むイタリア人とは対称的に、
今度は地元のモロッコに帰って、

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OLIVE DELLA YUKI  食べ方いろいろ

OLIVE DELLA YUKI 食べ方いろいろ

オリーブオイルが、ご注文いただいた方々のお手元に届いて、
それぞれが、それぞれの楽しみ方を写真でアップされているのを見ると
感慨深い気持ちになる。

一番最初に、モノは試しにと
送ったのは、母親のもとであった。
「あんた、イタリアなんかで何してんの。」
と言っていたのが、
最近では、
「何だか知らんけど、まあ、好きなようにしたらいいよ。」
と言うようになっていた母親への
挨拶がてらのオリーブオイル

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OLIVE DELLA YUKI  搾油所でのはなし

OLIVE DELLA YUKI 搾油所でのはなし

久々に、搾油所に顔を出した。

事務員のSimonettaは、いつも笑顔で迎えてくれる。
まるで、家族みたいに。
優しいけれど、きっちりしている。
世話役フランコも、そんな彼女のことを高く評価している。

「それはしていいけど、これはダメ。」

働く人たちの、手を煩わせたくなくて、
「ボトル詰めなら、私がやりましょうか?」と言ったら、
はっきりと断られた。
「ボトル詰めする環境が整っていないでしょ

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OLIVE DELLA YUKI  面倒なのがいい

OLIVE DELLA YUKI 面倒なのがいい

12月から少しずつ送っていたオリーブオイルが、
それぞれのお客さんの手元に渡り、
いろいろなメッセージをいただいている。

デジタル化していく世の中とは、反対方向の
アナログ方式に販売していくのは、
お客さんにとっても面倒なことだろうと思うし、
私の頭の中でも、時々、混乱を招いたけれど、
いろいろなメッセージをいただいているうちに、
今のうちは、やっぱりこの方式が良いと思い始めている。

メルカー

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OLIVE DELLA YUKI    進むイタリアのデジタル化の中で

OLIVE DELLA YUKI 進むイタリアのデジタル化の中で

オリーブオイルの販売から、少しずつ落ち着きを取り戻しつつある一方で、
事務処理に追われる毎日を過ごしている。

「あ、そうそう、会計処理は全てコンピューターでやっておいてね。」

思いついたように、そう指示してくる commercialista(ビジネスコンサルタント)に、

どうしてもっと早くに言ってくれないかな…

と思うのは、
先を読んで順序立てて事を運ぶように学んできた日本人と、
思いつい

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OLIVE DELLA YUKI   未来に繋ぐ美味しい…の背景

OLIVE DELLA YUKI 未来に繋ぐ美味しい…の背景

冬のオリーブ畑。
年末年始に降り続けた雨のおかげで、
オリーブの木々は、青々とした草たちに囲まれている。

昨年の今頃はまだ、年老いたプロフェッソーレがこの土地の持ち主で、
「もう、体力的に出来そうにない…」と、数年前から放置されていた土地である。
田舎生活志望の私としては、そんな土地があったら「是非とも、私がやりたい!」と
自分の無知さ加減は棚に上げて、思ったのだけども、
イタリアの若者には、そ

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