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OLIVE DELLA YUKI

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OLIVE DELLA YUKI が綴る、オリーブオイルづくりに纏わるストーリー
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オリーブオイルの縁

オリーブオイルの縁

地元、浜松での滞在、最後の日。
滞在中、たったの3回しかなかった貴重な週末。

地元には、私のオリーブオイルを愛用してくれている方達が、沢山いる。
もともと、同級生であったり、
以前の職場、メルカートでお世話になった方だったり、
そういう方達を通して、新しく出会う方だったり。

不思議なもので、それぞれが別々に知り合ったのに
「あれ?このオリーブオイル知っています。」と
オリーブオイルがきっかけで

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繋がり

繋がり

日本一時帰国。

わずか3週間ほどの日本滞在では、やりたいことが沢山ある。

行きたい場所
会いたい人
食べたいもの
買っておきたいもの
家族や友達

悲しいかな、時間は有限で
だから、全てを叶えるのは難しい。
とりわけ、毎年、快くオリーブオイルを購入してくれている友人たちには
なるべく、会っておきたい…とは思うのだけれど。

日本に到着した2日後、
地元でイタリアンレストランをしている友人の元へ

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出会いが呼ぶ、出会い

出会いが呼ぶ、出会い

「もし良かったら、展示会をするので、ぜひいらしてください。」

ブログで知り合い、
そのご縁でオリーブオイルを購入していただいている方からお誘いがあったのは、
日本行きのチケットを購入してまもなくの時だった。

展示会が始まる日は、日本へ到着する日。
長時間のフライトの後、
きちんとご挨拶できるかしら…と心配になったものの、
翌日からは既に予定も入っていたしで、
気前よくご招待いただいた事をありが

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良い調味料を購入する…ということ

良い調味料を購入する…ということ

5月の半ば。
もうすぐ、日本へ一時帰国をする。

日本での限られた時間の中で、
どこに行って、
誰に会って、
何をして、
そして
何を買ってこよう…を
いっぱい詰め込んでいこうと考えている。
時間もお金も有限。

先日、昨年購入した、良質の味噌の封を開けた。
いろいろなところで、いっぱい買ってきてしまっていたから、
最後に開けたそれは、賞味期限ギリギリで、
多分、そのうち、切れてしまうだろうと思わ

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物々交換

物々交換

早いもので、もう5月。

時折、降り続く雨と太陽が顔を出す日と入れ替わり立ち替わりで
花芽も増えているけれど、雑草も半端ない。

いつもは、5月の中頃か6月あたりに
草刈りをするのだけれど
今年は、もう少し早くやりたい…と思うくらい
雑草の背が伸びていて
オリーブ畑の奥の方まで行くのも
掻き分けていかないと前に進めないほどになっている。

「俺がやってあげるよ。」

意気揚々と、そう言ってくれたの

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オリーブオイルは何と味わう

オリーブオイルは何と味わう

5月になった。
オリーブはまだ花芽で、咲くのはもう少し先になりそう。

農協的スーパーに行った。
この時期は、そら豆やアスパラガスなど
春の野菜が並んでいる。
旬の野菜は、季節ごとにあるけれど
春の野菜を見てワクワクするのは、なぜだろう。

グリーンピースも売られていた。
房ごとドサっとカゴに入っていて、
好きな分だけ袋に入れて
量り売りで買う方式。
イタリアの野菜は、パック詰めのものもあるけれど

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気になる樹形

気になる樹形

4月も、あっという間。

いつもより暖かい…というより、暑い日が続いた初旬は、
もう夏が来たのか…と思ってしまうくらい暑かったけれど
中旬過ぎから標準を下回るくらいに肌寒い日が続いている。
お天気はいつも、読めない。

オリーブは、いつもより少し早めに花芽をつけていて
今年は早く咲くのかな…と思うのだけど、どうだろう。

日頃お世話になっている農業組合へ
オリーブ畑の状況確認という名の年会費の支払

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作り手としての思い

作り手としての思い

4月も半ば。

オリーブ栽培に携わるようになって、
早くも、4年目の年を迎えようとしている。

今年のノンフィルターオリーブオイルが、現地のイタリア人にも人気で、
フィルターがけをする前に50リットルほど、別のタンクに保存していたものも
おかげさまで、完売に至った。
フィルター済みの方はまだ少し、余裕があるものの
こうして少しずつ、いろいろな方にその味を知ってもらえるのは
本当にありがたいことであ

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花の咲く時期

花の咲く時期

4月の初め。

新芽が出たなぁ…と思ってからわずか2週間ほど経って、
気がつくと、もう花芽をつけているオリーブの木々たち。

販売の方が一旦落ち着いて、剪定も終えた最近は
もっぱら、新年度の価格改定で
計算機とにらめっこをしている。

「値段を設定するのって難しいね。」友達と、そんな話になった。

これから本格的に事業を展開しようとしている友人は、
どんなふうに、そのサービスに値段をつけて良いのか

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いろんな手法

いろんな手法

あっという間に、4月。

今年は雨が多くて、暖かくなってきたこともあるからか、
雑草の成長具合が激しい。
登録している IGP の決め事で、trinciatura と呼ばれる除草や草刈りは
5月の中頃まで出来ないから、ほぼほぼ放置状態。
なので、オリーブ畑を歩き回るには、少々、歩きにくい。

先日、たまたま、知人に教えてもらって
オリーブではないけれど、日本にはいろいろな農法がある事を知った。

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春の装い

春の装い

3月も終わりに近づいている。

オリーブ畑は、春の装いで、
新芽が顔を出し始めた。
「今年は雨が多いねぇ。」
世話役フランコがポツリと言った。

この時期、雨が降った方が
オリーブの木々にとって良いのか否かは、
よく分からない。
ただ、ものすごい勢いで
雑草が生え始めている。

定期的に草刈りしているご近所さんのオリーブ畑には
黄色い花が咲き乱れていて
ああ良いなぁ…と思っていたら、
実は、うちの

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オリーブの木々と向き合ってみる

オリーブの木々と向き合ってみる

雨の多い日々。

週末のみ滞在するオリーブ畑で、雨の降らない合間に、今、最も時間をかけているのは、広がった根から生えている小さな枝を切り落としていくこと。
この枝をイタリア語では「pollone」と言う。
ここを借りつけるまで、もう何年も放置され、2年前に収穫隊にお願いして一斉に剪定したものの、足下から生えているこの「pollone」は、残されたままの木が点在していた。

320本
この一本一本を

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オリーブオイルの値段について、もう少し考えてみた。

オリーブオイルの値段について、もう少し考えてみた。

先日の、この記事の後、
興味深いコメントをいただいたので、もう少し考えてみた。

「500mlで、850円」

イタリアでよく、論議を生むオリーブオイルの金額は、「1リットル5ユーロ」。
まあ、似たようなものかもしれない。
この金額で提供できるものならしてみたい気もするけれど、
小さな農家でかかる経費は莫大で
とてもじゃないけれど、出来そうにない。

で、どのような内訳になったら、
この金額を絞り

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美味しいものは、美味しいうちに

美味しいものは、美味しいうちに

今日も、搾りたてオリーブオイルをいただく。
勿体無いような気がして、遠慮がちに使いそうになるところを
あえて、沢山使う。

オリーブオイルの賞味期限は、ボトルに詰められてから18ヶ月間の日があるけれど、
搾り取ってからまもなくのほうが、断然美味しい。
オリーブオイルは、光に弱いから、遮光性のあるボトルであっても、徐々に酸化していく。
酸化すると、香りも変わってしまうし、油っぽくなる。

美味しいオ

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