OTA YUKI

2001年8月、イタリアでの人生が始まる。13年という月日をフィレンツェ中央市場の食材…

OTA YUKI

2001年8月、イタリアでの人生が始まる。13年という月日をフィレンツェ中央市場の食材店に費やし、2021年より「OLIVE DELLA YUKI」として、トスカーナ産オリーブオイルをプロデュースし始める。そんな私の、オリーブオイルにまつわる大きなひとりごと。

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    OLIVE DELLA YUKI が綴る、オリーブオイルづくりに纏わるストーリー

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    「イタリア オリーブ日和」では、ありふれ日常の中で、どんな天候に晒されても、どんと構えているオリーブの木々に囲まれたオリーブ畑で、その時見たもの、感じた事をつらつらと書き綴っていこうかなと思っています。

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記事一覧

繋がり

日本一時帰国。 わずか3週間ほどの日本滞在では、やりたいことが沢山ある。 行きたい場所 会いたい人 食べたいもの 買っておきたいもの 家族や友達 悲しいかな、時間は…

OTA YUKI
3日前
21

出会いが呼ぶ、出会い

「もし良かったら、展示会をするので、ぜひいらしてください。」 ブログで知り合い、 そのご縁でオリーブオイルを購入していただいている方からお誘いがあったのは、 日本…

OTA YUKI
10日前
30

良い調味料を購入する…ということ

5月の半ば。 もうすぐ、日本へ一時帰国をする。 日本での限られた時間の中で、 どこに行って、 誰に会って、 何をして、 そして 何を買ってこよう…を いっぱい詰め込んで…

OTA YUKI
2週間前
33

物々交換

早いもので、もう5月。 時折、降り続く雨と太陽が顔を出す日と入れ替わり立ち替わりで 花芽も増えているけれど、雑草も半端ない。 いつもは、5月の中頃か6月あたりに 草…

OTA YUKI
3週間前
28

オリーブオイルは何と味わう

5月になった。 オリーブはまだ花芽で、咲くのはもう少し先になりそう。 農協的スーパーに行った。 この時期は、そら豆やアスパラガスなど 春の野菜が並んでいる。 旬の野…

OTA YUKI
1か月前
36

気になる樹形

4月も、あっという間。 いつもより暖かい…というより、暑い日が続いた初旬は、 もう夏が来たのか…と思ってしまうくらい暑かったけれど 中旬過ぎから標準を下回るくらい…

OTA YUKI
1か月前
22

作り手としての思い

4月も半ば。 オリーブ栽培に携わるようになって、 早くも、4年目の年を迎えようとしている。 今年のノンフィルターオリーブオイルが、現地のイタリア人にも人気で、 フィ…

OTA YUKI
1か月前
32

花の咲く時期

4月の初め。 新芽が出たなぁ…と思ってからわずか2週間ほど経って、 気がつくと、もう花芽をつけているオリーブの木々たち。 販売の方が一旦落ち着いて、剪定も終えた最…

OTA YUKI
1か月前
27

いろんな手法

あっという間に、4月。 今年は雨が多くて、暖かくなってきたこともあるからか、 雑草の成長具合が激しい。 登録している IGP の決め事で、trinciatura と呼ばれる除草や草…

OTA YUKI
1か月前
33

春の装い

3月も終わりに近づいている。 オリーブ畑は、春の装いで、 新芽が顔を出し始めた。 「今年は雨が多いねぇ。」 世話役フランコがポツリと言った。 この時期、雨が降った方…

OTA YUKI
2か月前
30

オリーブの木々と向き合ってみる

雨の多い日々。 週末のみ滞在するオリーブ畑で、雨の降らない合間に、今、最も時間をかけているのは、広がった根から生えている小さな枝を切り落としていくこと。 この枝…

OTA YUKI
2か月前
28

オリーブオイルの値段について、もう少し考えてみた。

先日の、この記事の後、 興味深いコメントをいただいたので、もう少し考えてみた。 「500mlで、850円」 イタリアでよく、論議を生むオリーブオイルの金額は、「1リットル…

OTA YUKI
2か月前
33

美味しいものは、美味しいうちに

今日も、搾りたてオリーブオイルをいただく。 勿体無いような気がして、遠慮がちに使いそうになるところを あえて、沢山使う。 オリーブオイルの賞味期限は、ボトルに詰め…

OTA YUKI
2か月前
30

剪定という哲学

今年のイタリアの冬は、本当に暖かい。 まだ2月だというのに、すっかり春の陽気で、日中は、18度くらいの日が続いている。 剪定にはもってこいの日々。 少しでも、経費を…

OTA YUKI
3か月前
27

オリーブオイルの値段の本当

先日、知り合いに聞かれた。 「レストランで扱っているオリーブオイルが500mlで850円って、値段的にどうですか?」 500mlで850円… 暫し、思考が止まる。 ユーロにしたら…

OTA YUKI
3か月前
39

イタリアの農家デモで思うこと

今、イタリアでは、農家によるデモが繰り広げられている。 イタリアの各地から、多くのトラクターが出動し、トスカーナ辺りだとローマまで向かって集結し、デモを行ってい…

OTA YUKI
3か月前
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繋がり

繋がり

日本一時帰国。

わずか3週間ほどの日本滞在では、やりたいことが沢山ある。

行きたい場所
会いたい人
食べたいもの
買っておきたいもの
家族や友達

悲しいかな、時間は有限で
だから、全てを叶えるのは難しい。
とりわけ、毎年、快くオリーブオイルを購入してくれている友人たちには
なるべく、会っておきたい…とは思うのだけれど。

日本に到着した2日後、
地元でイタリアンレストランをしている友人の元へ

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出会いが呼ぶ、出会い

出会いが呼ぶ、出会い

「もし良かったら、展示会をするので、ぜひいらしてください。」

ブログで知り合い、
そのご縁でオリーブオイルを購入していただいている方からお誘いがあったのは、
日本行きのチケットを購入してまもなくの時だった。

展示会が始まる日は、日本へ到着する日。
長時間のフライトの後、
きちんとご挨拶できるかしら…と心配になったものの、
翌日からは既に予定も入っていたしで、
気前よくご招待いただいた事をありが

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良い調味料を購入する…ということ

良い調味料を購入する…ということ

5月の半ば。
もうすぐ、日本へ一時帰国をする。

日本での限られた時間の中で、
どこに行って、
誰に会って、
何をして、
そして
何を買ってこよう…を
いっぱい詰め込んでいこうと考えている。
時間もお金も有限。

先日、昨年購入した、良質の味噌の封を開けた。
いろいろなところで、いっぱい買ってきてしまっていたから、
最後に開けたそれは、賞味期限ギリギリで、
多分、そのうち、切れてしまうだろうと思わ

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物々交換

物々交換

早いもので、もう5月。

時折、降り続く雨と太陽が顔を出す日と入れ替わり立ち替わりで
花芽も増えているけれど、雑草も半端ない。

いつもは、5月の中頃か6月あたりに
草刈りをするのだけれど
今年は、もう少し早くやりたい…と思うくらい
雑草の背が伸びていて
オリーブ畑の奥の方まで行くのも
掻き分けていかないと前に進めないほどになっている。

「俺がやってあげるよ。」

意気揚々と、そう言ってくれたの

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オリーブオイルは何と味わう

オリーブオイルは何と味わう

5月になった。
オリーブはまだ花芽で、咲くのはもう少し先になりそう。

農協的スーパーに行った。
この時期は、そら豆やアスパラガスなど
春の野菜が並んでいる。
旬の野菜は、季節ごとにあるけれど
春の野菜を見てワクワクするのは、なぜだろう。

グリーンピースも売られていた。
房ごとドサっとカゴに入っていて、
好きな分だけ袋に入れて
量り売りで買う方式。
イタリアの野菜は、パック詰めのものもあるけれど

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気になる樹形

気になる樹形

4月も、あっという間。

いつもより暖かい…というより、暑い日が続いた初旬は、
もう夏が来たのか…と思ってしまうくらい暑かったけれど
中旬過ぎから標準を下回るくらいに肌寒い日が続いている。
お天気はいつも、読めない。

オリーブは、いつもより少し早めに花芽をつけていて
今年は早く咲くのかな…と思うのだけど、どうだろう。

日頃お世話になっている農業組合へ
オリーブ畑の状況確認という名の年会費の支払

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作り手としての思い

作り手としての思い

4月も半ば。

オリーブ栽培に携わるようになって、
早くも、4年目の年を迎えようとしている。

今年のノンフィルターオリーブオイルが、現地のイタリア人にも人気で、
フィルターがけをする前に50リットルほど、別のタンクに保存していたものも
おかげさまで、完売に至った。
フィルター済みの方はまだ少し、余裕があるものの
こうして少しずつ、いろいろな方にその味を知ってもらえるのは
本当にありがたいことであ

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花の咲く時期

花の咲く時期

4月の初め。

新芽が出たなぁ…と思ってからわずか2週間ほど経って、
気がつくと、もう花芽をつけているオリーブの木々たち。

販売の方が一旦落ち着いて、剪定も終えた最近は
もっぱら、新年度の価格改定で
計算機とにらめっこをしている。

「値段を設定するのって難しいね。」友達と、そんな話になった。

これから本格的に事業を展開しようとしている友人は、
どんなふうに、そのサービスに値段をつけて良いのか

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いろんな手法

いろんな手法

あっという間に、4月。

今年は雨が多くて、暖かくなってきたこともあるからか、
雑草の成長具合が激しい。
登録している IGP の決め事で、trinciatura と呼ばれる除草や草刈りは
5月の中頃まで出来ないから、ほぼほぼ放置状態。
なので、オリーブ畑を歩き回るには、少々、歩きにくい。

先日、たまたま、知人に教えてもらって
オリーブではないけれど、日本にはいろいろな農法がある事を知った。

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春の装い

春の装い

3月も終わりに近づいている。

オリーブ畑は、春の装いで、
新芽が顔を出し始めた。
「今年は雨が多いねぇ。」
世話役フランコがポツリと言った。

この時期、雨が降った方が
オリーブの木々にとって良いのか否かは、
よく分からない。
ただ、ものすごい勢いで
雑草が生え始めている。

定期的に草刈りしているご近所さんのオリーブ畑には
黄色い花が咲き乱れていて
ああ良いなぁ…と思っていたら、
実は、うちの

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オリーブの木々と向き合ってみる

オリーブの木々と向き合ってみる

雨の多い日々。

週末のみ滞在するオリーブ畑で、雨の降らない合間に、今、最も時間をかけているのは、広がった根から生えている小さな枝を切り落としていくこと。
この枝をイタリア語では「pollone」と言う。
ここを借りつけるまで、もう何年も放置され、2年前に収穫隊にお願いして一斉に剪定したものの、足下から生えているこの「pollone」は、残されたままの木が点在していた。

320本
この一本一本を

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オリーブオイルの値段について、もう少し考えてみた。

オリーブオイルの値段について、もう少し考えてみた。

先日の、この記事の後、
興味深いコメントをいただいたので、もう少し考えてみた。

「500mlで、850円」

イタリアでよく、論議を生むオリーブオイルの金額は、「1リットル5ユーロ」。
まあ、似たようなものかもしれない。
この金額で提供できるものならしてみたい気もするけれど、
小さな農家でかかる経費は莫大で
とてもじゃないけれど、出来そうにない。

で、どのような内訳になったら、
この金額を絞り

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美味しいものは、美味しいうちに

美味しいものは、美味しいうちに

今日も、搾りたてオリーブオイルをいただく。
勿体無いような気がして、遠慮がちに使いそうになるところを
あえて、沢山使う。

オリーブオイルの賞味期限は、ボトルに詰められてから18ヶ月間の日があるけれど、
搾り取ってからまもなくのほうが、断然美味しい。
オリーブオイルは、光に弱いから、遮光性のあるボトルであっても、徐々に酸化していく。
酸化すると、香りも変わってしまうし、油っぽくなる。

美味しいオ

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剪定という哲学

剪定という哲学

今年のイタリアの冬は、本当に暖かい。
まだ2月だというのに、すっかり春の陽気で、日中は、18度くらいの日が続いている。

剪定にはもってこいの日々。
少しでも、経費をうかせる…ということもあるけれど、
きちんと、オリーブの木々と対面したいこともあり、
出来るところは自分たちでやっていきたいと早速、剪定バサミを買ってきた。

さて、どこを切れば良いのだ???

オリーブの木の、途方もなく広がっている

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オリーブオイルの値段の本当

オリーブオイルの値段の本当

先日、知り合いに聞かれた。
「レストランで扱っているオリーブオイルが500mlで850円って、値段的にどうですか?」

500mlで850円…

暫し、思考が止まる。
ユーロにしたら、5ユーロちょっと。安すぎないか?
オリーブオイルの中でも高いと評判のトスカーナに居るから、そう思うのだろうか。
いくら大量に輸入したとして、その金額は、トスカーナの標準的なオリーブ農家が作るオリーブオイルの金額からい

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イタリアの農家デモで思うこと

イタリアの農家デモで思うこと

今、イタリアでは、農家によるデモが繰り広げられている。

イタリアの各地から、多くのトラクターが出動し、トスカーナ辺りだとローマまで向かって集結し、デモを行っている。もう、何日も。

それは、ヨーロッパ共同体が推し進める「グリーンディール政策」というのに立ち向かうためである。
「グリーンディール政策」では、増え続けるとされている二酸化炭素を減らす為の対策として、家畜や肥料の制限、軽油の廃止、二酸化

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