ユン有子 |Yuko Yoon

日本語教師/「地域と日本語教師の会@川西」共同代表/語学学習の事、日本語教育に関わるこ…

ユン有子 |Yuko Yoon

日本語教師/「地域と日本語教師の会@川西」共同代表/語学学習の事、日本語教育に関わること、地元川西市での活動などを書いています。 https://linktr.ee/yukoyoon

最近の記事

東谷みんなで楽しくにほんごひろば「みんにち!」オープン

こんにちは、「地域と日本語教師の会@川西」のユン有子と申します。 2024年、この度、川西市市民協働事業に選定されまして、川西市北部で最初の日本語教室を立ち上げることになりました。 場所は、東谷公民館 教室の時間は、毎週水曜日 17時~18時50分 教室オープンは、2024年4月24日(水)を予定しています。 私たちは、今まで、川西市南部にある「総合センター」の「けんけん日本語ひろば」という教室で、外国に繋がる子どもたちに日本語支援、教科学習の補助をしてきました。 ま

    • ピアで行う聴解授業 B1.3

      前回、 B1.3(中上級)での聴解の授業実践|ユン有子 |Yuko Yoon (note.com) という記事を書きましたが、同じ「留学生のためのアカデミックジャパニーズ聴解(中上級)」を使った、私の最近の授業実践をこちらに記録します。 レベル差のあるクラス今学期の学生たちの構成は、漢字圏8名・非漢字圏5名 というメンバー構成です。 B1.3クラスは2つあるのですが、そのうちの上のクラスで、全体的によくできる学生たちが集まっていましたが、すでにこの教科書で勉強済の学生

      • 異文化間摩擦~「おせち」の巻

        先日、こちらのNOTE記事に、異文化間コミュニケーションを教育の理念とする勤務校の入学式では、「わかちあい」が理念として掲げられ、そのためには、「まず、やってみること」そして、「自分を知ること」が学習の方針として提示されるということを書きました。 わかちあい~日本語学校入学式|ユン有子 |Yuko Yoon (note.com) 入学式で語られていたことを私の言葉で表現すると、 私の勤務校では、それが理念として入学式で語られた後、最初の1日目である「コースオリエンテーシ

        • わかちあい~日本語学校入学式

          「異文化間コミュニケーション」を理念として掲げている日本語学校で働き始めて、10か月が経とうとしている。学校の理念は、「わかちあい」という言葉によって集約され、私たちはみな学習者も教師たちも等しく、その理念の元で学んでいくことになる。 今日は、1月入学生たちの入学式の日であった。 私たちの学校は、4ターム制なので、入学式は1年に4回あるのだが、入学式では、各言語ごとに先輩たちが通訳として選ばれ、新入生たちに、学校の理念や学習の方針などが、母語で説明される。 今日は、韓国

        東谷みんなで楽しくにほんごひろば「みんにち!」オープン

          夫婦円満のヒケツ?!夫婦にとって最も快適で、ストレスのない会話方法

          我が家では、夫が、妻(私)の他愛のない話を延々と聞いてくれるということが日課となっています。 多くの女性にとって、おしゃべりとは、生きがい。多くの男性にとって、女性のおしゃべりに付き合わされることは単なる精神労働。おしゃべりをする目的と動機が、全く違う生物同士である夫婦間で、なぜそのようなことが可能なのか。 それは、私たちが、お互いにとって最も快適で、ストレスのない対話方法を、この20年の結婚生活の中で見つけ出したからなのです。   一体、その方法とはなんなのか。 さて、

          夫婦円満のヒケツ?!夫婦にとって最も快適で、ストレスのない会話方法

          B1.3(中上級)での聴解の授業実践

          この間、私が勤務先の日本語学校で行った聴解授業での実践をご紹介します。使用教材は、『留学生のためのアカデミック・ジャパニーズ聴解(中上級)』です。 前期、同じレベルの聴解クラスを初めて担当し、多くの反省点がありました。例えば、以下のようなことです。 上記のような反省を念頭に置き、どのように授業を工夫できるのか、今学期はいろいろな方法を取り入れて、学習者の反応を伺ってみることにしました。その中から、ある日の授業を例にとって記録として以下に書いてみたいと思います。 全体の授

          B1.3(中上級)での聴解の授業実践

          「日本語コミュニケーション」授業実践

          私は、今年の4月から勤務先の日本語学校で、「日本語コミュニケーション」という科目を、それぞれ違うレベルの3つのクラスで担当しています。この科目を担当するのは、今期で3周目でして、その間、どうやって授業を進めたらよいのか葛藤し続けてきたのですが、これまでにしてきた授業の中から私が理解したことをここに記録として書き留めておくことにします。 言語観・学習観の違いで混乱した日々 私は2校の日本語学校での勤務経験があり、最初に勤務していた学校は、メイン教材が『みんなの日本語』で、文

          「日本語コミュニケーション」授業実践

          「へなちょこな私」

          私の「へなちょこ」ぶりを公開します。 私のエピソード エピソード1: 社会人経験が少ない私は、10年程前に日本に帰国してきて、近所の厨房補助のバイトに、特に書けることもないスカスカの履歴書を持っていって面接に行くというだけで、前日、不安で大泣きしていた。10年程前というと、30代前半、年齢だけは立派な大人である。 エピソード2: 1年半前、生まれて初めて日本語学校なる所に足を踏み入れ、模擬面接をしに行くという日の前日も、吐き気と頭痛に苛まれ、生きる自信をなくし、世界から

          「へなちょこな私」

          2023年度・川西市の多文化共生(外国につながる子どもたちへの支援)

          「地域と日本語教師の会@川西」の共同代表を務めるユンと申します。 私たちは、川西市の多文化共生推進を地域から支えていくことを目指して、2023年1月に正式に会としての活動を始め、主に、外国につながる子どもたちへの日本語支援をしている団体です。 川西市の多文化共生に関して思いを抱いておられる方の参考になればと思い、2023年度川西市における「外国につながる子どもたち」への支援体制について、私たちが認識していることをここに記述させて頂きます。 これは私たちが活動を通して把握して

          2023年度・川西市の多文化共生(外国につながる子どもたちへの支援)

          雑談の授業〜お薦め図書

          私は、CEFR基準の日本語学校のB1.1(初中級前半)のクラスで「日本語コミュニケーション」という授業を担当しています。 A1~2(初級)のクラスでしているのは、いわゆる「サバイバル日本語」なのですが、B1クラスで扱っているのは、人間関係を構築・維持するための会話、いわば、雑談です。 会話の授業というのは、会話運用力を育てる授業ですので、一方的に与えられた談話文を丸暗記するのでは意味がなく、その会話をしなくてはならないような状況設定をいかにうまく作るかということが肝になる

          雑談の授業〜お薦め図書

          ワタシハニホンゴキョウシニハムイテイナイ病

          私は今、「ワタシハニホンゴキョウシニハムイテイナイ」病を患っている。なぜならば、勉強が苦手な学生たちが集まっているクラスで、基礎練習をしっかりせねば、自由度の高い活動へは進んでいけないという現実に直面しているが、文型積み上げの世界でどのようにしたら、生き生きとした授業展開をすることができるのか私の力遠く及ばず、この基礎練習の時間が、どうしても好きになれないからだ。 文型の基礎練習、これは、私がピアノが嫌になった、あの感じによく似ている。 子どもの頃。 家にはグランドピア

          ワタシハニホンゴキョウシニハムイテイナイ病

          複言語環境で日本語を習得する~トランスランゲージング

           この間、「yyjゆるくてやさしい日本語のなかまたち」でお世話になった奥村三菜子先生の『日本語教育と複言語教育の接続―日本語教育にもたらす課題とインパクト』(『複言語教育の探求と実践』くろしお出版より)を読みました。その中で、奥村先生は「複言語」のことを「わたし語」と表現して説明してくださっていたのですが、それが、ものすごくしっくりくる表現だったので、最近よくそのことを考えます。 私には今、言葉と知識が足りないので、私が感じていることをどのように言語化したらいいのかとても難

          複言語環境で日本語を習得する~トランスランゲージング

          「(仮称)川西市子ども・若者未来計画(案)」へのパブコメ

          私たち『地域と日本語教師の会@川西』は、川西市の多文化共生推進を願い、2023年1月に正式に川西市総合センターの登録団体となり、活動を始めた地域団体です。この度、川西市教育委員会 こども支援課にて「(仮称)子ども・若者未来計画(案)」についてのパブリックコメントを募集しておりましたので、『地域と日本語教師の会@川西』として、以下の意見書を共同で市に提出いたしました。 少し長いですが、川西市の方にぜひ読んで頂けたらと思い、こちらにも公開します。 (※以下の文書を書いたのは共に活

          「(仮称)川西市子ども・若者未来計画(案)」へのパブコメ

          「地域と日本語教師の会@川西」発足~会則

          私たちは川西市の多文化共生社会推進を願って、このような会を作りました。 会発足の経緯については、こちらの記事などをご参照ください。 私たちは、川西市総合センターを拠点に活動しています。 会の定例会は、毎月第2火曜日(15時半~18時頃)に開催しております。 ※(途中参加/退場、お子さま連れでの参加OK) 定例会では、主に、学校支援や地域日本語教室での学習支援に関する情報共有、支援の方向性の確認、各メンバーの活動報告、行政資料読み合わせなどの勉強会、行政の方を交えての意見

          「地域と日本語教師の会@川西」発足~会則

          「地域と日本語教師の会@川西」発足までの経緯

          2022年、私が駆け出しの日本語教師として初めて活動を始めたのは、 地元・川西市の地域の現場からでした。 コミュニティスクール(地域学校協働活動)を実施している小学校で「国際理解教育」のゲストスピーカーとして登壇させて頂いたことをきっかけに学校から推薦を頂き、外国につながる児童生徒への「言語通訳支援員」として川西市の小学校に派遣されました。 そして、日本語支援体制がないことによる困難と戦っている現場の状況を知りました。 多くの市の人に知って頂きたくて、以下の記事を書きました

          「地域と日本語教師の会@川西」発足までの経緯

          新米日本語教師2022年の授業準備奮闘記

          2022年6月に日本語学校に採用が決まりまして、週1回4コマ、初級クラス(20人)を担当させて頂くことになりました。 数えてみますと、今までにした授業回数は、19回とあまり数はこなしておりません。 使用教科書は、『みんなの日本語 第2版 初級Ⅰ・Ⅱ』です。 うちの学校は、例えば、「5課 A1‐3」など、担当する文型に指定はあるのですが、必ず、教科書の通りに授業しなければならないわけではなく、それ相当の練習ができていれば良いという、かなり自由度の高い学校です。 教案は、主任

          新米日本語教師2022年の授業準備奮闘記