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【キャリア】ワーキングペアレンツの強みはコンフリクトから生み出す工夫♯034

ワーキングペアレンツの強みは、時間制約があるからこその取捨選択する判断力、決断力だと思っている。しかし、それに加えて、子育てを通じて、コンフリクト(衝突)する状況に耐える力、そしてそこから考える力、新しいアイデアを生み出す力も鍛えられていると最近、感じる。

結婚前から、毎朝、1日のタスクを洗い出して、優先順位をつけて仕事に取り掛かる習慣はあったが、時間の制約が無かったから、とにかく終電までに帰ればいいという認識だった。長時間労働が染みついたのは、プロジェクトの仕事をしていたからということもあったが、仕事相手の反応を気にしすぎて些末なことも考え込んでしまったり、思い切って誰かに委ねることが苦手だったりと、今から思えば、もっと時間にこだわることで、効率的に仕事ができたのかもしれないと振り返る。
また家は寝るためだけに帰るの場所。自炊は四半期に一度で毎食コンビニか外食。
このような働き方だったから、子育てしながら働くのは無理だと思っていた。いずれ継がなければいけないと思っていた両親の会社への転職を、結婚が決まった30歳のときに決めたのも、「今だ!」と思ってのことだった。自営業で時間の融通が利く点はこの上ない魅力だった。

今は、基本的には17時には子供のお迎えに行くこと、そして21時半には子供と一緒に布団に入るといった生活の時間軸を据えて、仕事を進めている。ちなみに朝は遅くても私は5時起き。完全朝型。そして睡眠時間が短くなると、パフォーマンスが落ちるし、些細なことにもイライラしてしまうので、6,7時間は寝たい。また、もう少し長く子供を預けることで、仕事ができる時間は増えるけれども、いずれ子供は自立していくものだから、子供と一緒に過ごせる時間は、許されるのであれば、大切にしたい。
ただ、自分のキャリアの可能性も広げていきたい。
そういう思いで日々を過ごしている。

優先順位付けや取捨選択は常にしているが、仕事、家庭どちらも大切な事柄が衝突しあうこともある。
子供との時間を考えて、どちらを優先すべきかまずは考えるけれど、仕事に関して例えばその稀少性が高く、どうしてもやりたいことだったら、オンラインやテキストでのコミュニケーションを駆使して、時間や場所の制約を受けずにできる方法を考えたり、それでも無理なら夫に早く帰ってきてもらうなどして、なんとか工夫して両立する方法を考えられるようになってきた。
出産前なら、そんなことすら考えなかったから、自分にとっては大きな進歩だ。

子育てもそうだ。4歳と8歳の子育ては二人とも自分の欲求に忠実だからこそ、コンフリクトの連続。例えば、夜、お兄ちゃんの習い事のお迎えに行かないといけないけれど、妹が「行きたくない!!!」と泣きわめいて、「あ~どうすればいいんだ~~!!!!」と頭を抱えたくなることなんてしょっちゅう。ただ、頭を抱えているだけでは前に進まないので、どうにかこうにか、やっている。

自分の子育てで、大きなコンフリクトを乗り越えた出来事は、コロナがどういうものかも解明されていなかった真っただ中の時期に、渡英を決めて、イギリスに住んだことなのかもしれない。
夫のイギリス駐在が決まり、渡英に向けて、準備をしている最中に、コロナが発生。それでも夫は辞令をもって赴任をしたが、家族の帯同はどうするかは、私たちにボールが委ねられていた。イギリス由来のウィルスが現地で猛威を振るい、イギリスはナショナルロックダウンの最中。日々、刻一刻とコロナウィルスによる死亡者が増えていると伝えられているなか、先に渡英した夫と離れ離れの生活を送りながら、生まれて間もない0歳児と4歳児の子育てを一人日本でやっていた。妹ができ、母親に甘えたいけれど、十分に甘えられず、傍にいてほしい父親はイギリスにいていない。コロナで幼稚園もろくに通えない当時4歳の息子のことを思うと心苦しかった。ただ、イギリスは言葉の壁もあるし、医療体制も異なる。衛生観念も違う。ましては、生まれたばかりの0歳児と4歳児。大人と比べ免疫が低い子供をこのコロナの真っただ中、異国で育てるという不安と責任。日本だと、このような異常時でも言葉は通じるし、いざとなったら頼れる人たちもいるなかで、日本に居続ける方が安全だとは思っていた。けれど、息子は父親を必要としているといったこの対立軸の中で、リスクを一つ一つ取り除いて、家族が安全にイギリスで生活できる術を明確にしていった。
結果、無事に渡英。蓋を開けてみれば、日本よりはるかに早くイギリス政府がワクチン接種をはじめ、アフターコロナの段階に入ったおかげで、2年弱の在英期間だったが、存分に日々を楽しみ、帰国を果たせた。

私の場合、会社や働き方を変えたので、自分のBefore・Afterを同条件で比較することはできないけれど、ただ、出産前は、曖昧さを排除して、明確にしなければ組織は動かないと考え、様々な場面で1か0かで考えていたところがあった。ただ、毎日、雑務に追われていたからこそ、答えがすぐに出せない課題に対しては、きちんと向き合えていなかったことも多かったように思う。
ただ、家庭を持ってからは、子供を前に逃げられないからこそ、簡単に答えが出ない事柄に対しても、「どちらかを選ぶ」という視点に加え、「どうすればお互いを両立できるか」の視点で考える機会が増えてきた。

だからこそ、子育てはキャリアを続けるうえでの足かせなんて微塵も思わない。日々、自分を鍛えてもらっている。


補足:
同テーマを、「ネガティブケイパビリティ」というキーワードで、こちらにも記事を書いています。


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