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誰一人として悪を欲する人はいない(1/6 気になったニュース)

気になるもへったくれもなく、今週は新年早々いろんなことが起こり過ぎた1週間となりました。今週はタイトルにある通り「誰一人として悪を欲するものはいない」をキーワードに、コミュニティノートを見ていきたいと思います。今週1週間X(旧Twitter)を見て感じたのは、誰かを悪役に仕立てたい人間の多さです。


「悪」の定義について

ここでいう「悪」というのはかなり狭い定義に基づいています。

プラトンは、対話篇の中でソクラテスに「誰一人として悪を欲する人はいない」と語らせています。「悪を欲する人もいる」と普通には考えられるところから、この言葉は「ソクラテスのパラドクス(逆説)」として知られています。しかし、ここで使われている「悪」、それの対義語である「善」には道徳的な意味はなく、それぞれ「ためにならない」「ためになる」という意味です。そうなると、この言葉の意味は、誰も自分のためにならないことはしないということですから、当たり前のことをいっているともいえます。

アドラー研究で知られる岸見一郎先生によれば、ソクラテスが語った「悪」というのは「ためにならない」程度の意味で、そこに哲学的な示唆はないとのことです。

今回は単純に「誰のためにもならないことをしようとはしない」という前提を共有できればと思います。

岸田首相は能登半島を見捨てた?

コミュニティノートを一覧にしてまとめているアカウントには一月一日以降、相当数のコミュニティノートが追加されています。

https://x.com/helpfulnotesjp?s=21

ここで多い主張の一つが、予備費40億円を当てるという閣議決定に対しての反応で「少な過ぎ」と言われているものや、自衛隊の投入人数などで「少な過ぎ」と言われているものです。

これらについては、すでに多数のユーザーによって説明がなされているものです。

まず、予備費の40億円はとりあえず出すためのプッシュ型支援のためのお金で、今後も金額は増えていくことが確定しています(激甚災害への指定も行われるようですし)。とりあえず補正予算まで待て、というのが当たり前の反応。

閣議決定までが遅い!というのも聞くけど、ごめん、「たかが」1週間弱です。1週間の支援金の遅れで破綻する自治体などあってたまるか、と思います。むしろ正式な決定の1週間も前に情報を出すことで、自治体は思い切ってお金を使えるわけです。

救助隊の受け入れに関しても、道路状況が困難であることがすでに説明されています。そこを乗り越えて救助に行ける実力を持っている部隊は限られてしまいます。少ないというのなら、どうすれば1万人が派遣できるかのロジスティックを提案できる能力は必要でしょう。

岸田首相は全力を尽くす以外メリットがない

そして冒頭に戻るわけですが、岸田首相がここで手を抜くメリットってなんですか?

何もないんですよね。

一般的に政治家のニーズというのは次回選挙での当選と大臣等の地位を得ること。岸田首相は流石に当選はできるから、次も自らが政権の座にとどまり続けることがいちばんのニーズでしょう。

であればここで全力を出す以外の選択肢はとれないわけです。具体的な派遣方法を彼が知っているとは限らないにしても、部下が「これが最適です」と結論づけたものを突っぱねる理由がない。


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