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【詩】 ブルースター

情動に突き動かされるままに
言霊の炎を灯して
名前のない宇宙は始まる

淡桃の鶯色の薄鈍色の硝子の中で
ティーライトは
風に炎を拐われることはない
炎心が少し揺らぐだけ

線対称でいて
掛け合わせると
曲線の弧長
その美しき距離感
原点Oで自らと交わるのだ
ほら今
陽光が
君に降りてきたねと
微笑むような
近くて遠い時空間

すべての始まりが無であるなら
そこから有は生まれない
無限ループは
しっとりと甘い
香水木の最後の一雫

色づく前に鮮血を知るのは
石榴の悪巧み
花を愛でるには触れなくとも良い
背伸びをしても届かない場所にて
光っているそれは
もはや惑星

もう何もかも諦めて
天の川を挟んで
空中ブランコを一緒にしよう
いくら言葉を並べても
この命題は
すでにここに有るとしか言えないのだから

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