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#021 仕事用のかっこいいメールアドレスを作る - (4) サーバーを契約する

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今回は、「仕事用のかっこいいメールアドレスを作る」の4回目。

メールサーバー・Webサーバーを契約し、取得したドメインを設定することで、ついに自分専用のメールアドレスやWebサーバーが手に入ります!

(1) 専用アドレスを取得するメリット
(2) ドメイン名を決める
(3) ドメインを取得する
(4) サーバーを契約する ← 今回
(5) メールソフトの設定
(6) Gmailとの連携で更に便利に

メールサーバーとは

自分のドメインを使ったメールアドレスを運用するためには、「メールサーバー」を用意する必要があります。

メールサーバーの役割としては、大きく以下の2つがあります。
(1) メールを送信するためのサーバー(SMTPサーバー)
(2) メールを受信するためのサーバー(POPサーバーやIMAPサーバー)

通常、メールサーバー1台で、上記の SMTP・POP・IMAP サーバーの3つの機能を同時に動かすことが多いと思います。今回も、上記すべての機能(サービス)を、1台のサーバーで動かす方法をご紹介します。

加えて、ですが、
最近は、セキュリティ面を考慮して、
メール送信時にユーザー認証を行う
・SMTP AUTH
であったり、サーバーとのやりとりを暗号化して行う
・SMTP over SSL
・POP over SSL
・IMAP over SSL

といったプロトコルが実装されていることが多いです。
メールサーバーを契約する際には、これらの最新のプロトコルが用意されているかを確認しておくようにしましょう。
(私がこの記事の下の方でお勧めするレンタルサーバー業者は、これらのプロトコルをサポートしています。)

Webサーバーとは

Webサーバーとは、自分のドメインを URL にした Web ページを提供するサーバーのことです。

例えば、私の個人ページは、<https://yukio-tada.com/>になりますが、このページもレンタルサーバー業者が提供する Web サーバー上で動作しています。

Web サーバーも、最近はセキュリティ面を考慮し、クライアントとの接続を SSL というプロトコルで暗号化する「https 通信」が主流になってきました。
Google さんも Web サイトの https 化を推奨しており、Google さんが提供する Web ブラウザ「Google Chrome」では、https ではない通信(http通信)の場合には、アドレスバーに警告を出すようになっています。

今度のGoogle Chromeはhttpサイトを警告する仕様に、一方で国内主要サイトの4割が常時SSL未対応~あとらす二十一調査 - INTERNET Watch
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1131183.html

レンタルサーバーを契約する場合、その業者さんがこの https 通信に簡単に対応できるかどうかを予め調べておくと良いと思います。

inetd という業者のサーバーを契約してみる

私が現在使っているレンタルサーバー業者は、以下の、inetd という業者の「激安プラン」です。
初期費用1,029円、年3,240円(1月あたり270円)の、まさに「激安」なサーバーです。

レンタルサーバーのアイネットディー
https://www.inetd.co.jp/

お値段は安いですが、これまで10年ほど特に大きなトラブルは起きていませんし、上記で説明したメールサーバーとの SSL 通信や https の証明書運用にも対応しています。
ちなみに、通常、https の Web サーバーを立てるためには、有料の「SSL証明書」というものを取得しないといけないのですが、Let's Encrypt という無料の証明書を使用することで、追加負担する必要もありません。

以下、簡単に inetd のレンタルサーバーを契約して運用する方法をまとめておきます。
主に、やらなければいけないことは以下の3つです。

(1) レンタルサーバーの契約

以下のページ<https://www.inetd.co.jp/order/>の左上、「激安プラン」のボタンから契約の申込みを行います。

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(2) メールボックス・メールアカウントの設定

以下、

メール簡単設定解説
http://etc.inetd.co.jp/man/FirstStep/mail.html

のページを参照して、メールアカウントやメールアドレスの設定を行います。

メールアカウントは、激安プランの場合最大5つまで作ることができますので、5人分のメールボックスを1台のサーバーに用意することができます。
また、1つのメールアカウントに対して複数のメールアドレスを追加することもできますので、(1) 専用アドレスのメリット で書いた、用途毎に異なるメールアドレスをたくさん作ることも自由にできるようになっています。

(3) Webサーバーの設定(httpsの設定など)

上にも書いたとおり、inetd の激安プランでは、Let's Encrypt という無料の証明書を使用して Web サーバーを https 化することができます。
(ただし、マルチドメイン使用時は1ドメインまで)

設定方法は、

webサイトのSSL化 « inetdサポートサイト http://support.inetd.co.jp/make_ssl_site/

のページに詳しく書かれていますので、こちらを参考にして設定してみてください。

(4) ネームサーバーの設定

レンタルサーバー業者から間借りするサーバーに、取得したドメインを紐付けるためには、前回の記事でご説明した「レジストラ」の設定ページにレンタルサーバーの「ネームサーバー」を設定する必要があります。
この作業だけは、inetd さんのページではなく、レジストラ(VALUE DOMAIN)のページで行う必要があります。

まず、レジストラ(VALUE DOMAIN)さんの以下のページにて、サーバー契約時に inetd からもらったネームサーバーの情報を以下の画面で入力、設定します。
(ネームサーバーの名前は以下とは異なる可能性があります。必ず申込時に inetd さんから連絡のあった名前を設定してください。)

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次に、以下の手順に従って、inetd のサーバーにドメイン情報を設定します。

マルチドメインの追加方法(独自ドメイン)
http://support.inetd.co.jp/webcgi/#485

ちなみに、これらネームサーバーの設定ですが、世界中にネームサーバーの変更情報が行き渡るまでには1〜2日程度かかるようです。もし上手く動作しない(独自ドメインでサーバーにアクセスできない)場合には、数日待ってから試してみると良いと思います。

以上でサーバーが使えるようになるはずですが、この記事だけだと不明な点も多いと思いますので、レジストラやレンタルサーバー業者のWebサイトに書かれているヘルプも参照しながら設定して頂ければと思います。

サーバー運用の際に注意すること

こうしたレンタルサーバー、立ち上げるだけなら誰でも割と簡単にできてしまうかもしれませんが、きちんと運用するためにはそれなりの知識が必要です。
例えば、以下のような問題・リスクに注意する必要があります。

・ID の管理に関する問題。設定に必要なIDとパスワードが盗まれてしまうと、サーバーがのっとられて SPAM メールの踏み台になったり、Webサーバーのコンテンツにウィルスを仕込まれてあなたのWebサーバーにアクセスした人にウィルスをばらまいてしまったりするリスクがあります。

・レンタルサーバーの設定ミスに関する問題。サーバーの設定を間違えてしまうと、借りているWebサーバーに異常な負荷をかけてしまい、同じサーバーを使用している他のユーザーさんやレンタルサーバー業者さんに迷惑をかけてしまうリスクがあります。

また、定期的にアクセスログを確認してサーバーに対して変なアクセスや攻撃がされていないことも確認しておく必要もあります。
もし、十分な知識が無いと感じた場合には、周りの詳しい人に聞くなどして、決して無理・無茶をしないようにしましょう。

まとめ。

(1) 自分専用のメールアドレスを運用するためには「メールサーバー」が、Webサイトを運用するためには「Webサーバー」が必要です。
(2) これらのサーバーは、「レンタルサーバー」を提供している業者に対して月々一定額のお金を払うことで間借りするのが一般的です。個人が使用する範囲であれば、月々500円程度で借りられることがほとんどです。
(3) サーバーの運用にはセキュリティや負荷の監視などに関する正しい知識が必要です。難しいと思ったら無理をせず、周りの詳しい人に聞くなどして安全な運用を心掛けましょう。

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(ここに書かれている内容はいずれも筆者の経験に基づくものではありますが、特定の会社・組織・個人を指しているものではありません。)

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