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安倍チルドレンは再び逆風を乗り切れるか? 


安倍チルドレンとは?

安倍チルドレン、いわゆる民主党政権から政権奪還の際に生まれた
自民党の国会議員であり、現在の当選2回〜4回の自民党議員のことを指します。

なお特徴としては野党が勢いなく、
与党議員として本当の意味で逆風を喰らったことは
少ない特徴があると言えます。

例えば現在の当選5回〜8回の議員は、民主党政権誕生時に、
落選による浪人や比例復活を経験し、
3年3ヶ月の間、厳しい状況下で過ごしました。

なお安倍晋三元総理や岸田文雄総理をはじめとした当選10回以降の議員さんは
中選挙区時代を経験しています。

中選挙区時代の弊害は解消されなかった!?

中選挙区制度の特徴:(政治に金がかかる)
①一選挙区につき選挙区の面積も広く、複数人の当選が出る。
②そのためビラやポスター、ウグイス嬢、ガソリンをはじめとした費用が高く国政に参入しにくい
←少数政党が議席を得やすい(ギリギリ狙い)
小選挙区制度の特徴:(政治に金がかからないはず?)
①一選挙区につき選挙区の面積も狭いため、地元民の声が届きやすく代議士も聞きやすい
②ただ1つの選挙区につき1名しか当選できないことから、与野党の激しい選挙戦となる傾向
比例復活が存在
←少数政党が小選挙区で議席を得にくい

小選挙区以降は与野党の議席を巡る争いは激化していきました。

10増10減により変化も

例えば公明党と自民党の関係です。

今回の総選挙では区割りが大きく変更され、
10増10減導入後、初の衆議院選挙です。

10増10減とは憲法上の定められている1票の格差を是正するために
採用された大規模な区割り変更で、衆議院の代議士にとっては
悩ましいものです。

【変更対象の地域】
①減少エリア(定数)
宮城県:6→5に変更 
福島県:5→4に変更
新潟県:6→5に変更
滋賀県:4→3に変更
和歌山県:3→2に変更
岡山県:5→4に変更
広島県:7→6に変更
山口県:4→3に変更
長崎県:4→3に変更
愛媛県:4→3に変更
②増加エリア(定数)
東京:25→30に変更
神奈川:18→20に変更
千葉:13→14に変更
埼玉:15→16に変更
愛知:15→16に変更

このように地方の議員が減り、東京は+5となるなど極めて
議員にとっても迷惑な事態とも言えます。

なお面積が広がることで、車での移動がより負担が重くなるため、
事務所スタッフの人員ガソリン費用もまたより重くなります。

公明党、小選挙区での候補者を増やすことに

今回の10増10減に伴い、公明党は新たに候補者の擁立を求めました。

新設されるエリアの愛知16区には県議会議員の新人、
埼玉14区には石井幹事長を擁立し、第51回の総選挙では
東京の小選挙区で新たに候補者を擁立する方針です。

【小選挙区で擁立される公明党の議員】
北海道10区:稲津 久氏(現職)
埼玉14区:石井啓一氏(現職・党幹事長)
東京29区:岡本三成氏(現職)
大阪3区:佐藤茂樹氏(現職)
大阪5区:国重徹氏(現職)
大阪6区:伊佐進一氏(現職)
大阪16区:山本香苗氏(新人・参議院)
兵庫2区:赤羽一嘉(現職)
兵庫8区:中野洋昌(現職)
愛知16区:犬飼明佳氏(新人・県議)
広島3区:斉藤鉄夫氏(現職・国土交通大臣)

なお新たに増設する区割りに立候補される注目の候補者(現職)は
次の通りです。

【新区割り候補者】
東京26区:松原仁氏(元拉致担当相)
東京27区:長妻昭氏(立憲政調会長)
東京28区:自民元職vs立憲区議etc
東京29区:岡本三成
東京30区:長島昭久
千葉14区:野田佳彦氏(元内閣総理大臣)
神奈川19区:自民:横浜市議vs立憲:財務官僚vs国民:米国議員秘書etc
神奈川20区:甘利明氏(前自民党幹事長)
埼玉16区:土屋品子復興相
愛知16区:立憲元職vs公明県議etc

豪華なメンバーで驚いています。

一方で去る現職議員も

増える選挙区もあれば、減る選挙区もあります。

むしろ減る方が厄介だと言えます。

【政界引退or比例区に行かれた方】
滋賀:小寺 裕雄氏(自民・旧滋賀4区)
和歌山:石田真敬氏(自民・旧和歌山2区)
岡山:平沼 正二郎氏(自民・旧岡山3区)
広島:新谷 正義氏(自民・旧広島4区)
山口:安倍晋三元首相(自民・旧山口4区)※殉職
山口:吉田真次氏(自民・旧山口4区)
愛媛:村上 誠一郎氏(自民・旧愛媛2区)
長崎:北村 誠吾氏(自民・旧長崎4区)※病気により死去
長崎:谷川弥一氏(自民・旧長崎3区)引退

なんというかこちらも大物議員の名が連なっていて、
大変な区割りの調整であったと伺えます。

特に山口なんて本来は、今の官房長官と元総理でしたからね。

どちらかに比例区にまわっていただきますなんて、
大変言いづらいし納得も厳しい状況だったかと思います。

前回、比例復活に回った議員は裏金の逆風乗り切れるか?

ここで肝心なのは前回比例復活し当選された議員が
まずピンチだということです。

加え自民党で裏金議員としてマスメディアで報じられ、
リストの対象に入っていた当選4回以下の代議士(比例復活)
は本当に厳しい事態となるでしょう。

なお500万円以上受け取っているかつ、
当選2-4回の国会議員は以下です。

【対象議員】
埼玉13区(以前は旧14区にて当選4回果たす):三ツ林裕巳氏 
北海道9区(3期連続当選・前回は比例復活):堀井学
栃木3区(2012年比例復活・2014-2021まで3期連続当選):簗 和生
大阪13区(前回比例復活):宗清皇一
東京21区(2012,2017年は比例復活・2014,2021は当選):小田原潔
北海道5区(3期連続当選):和田義明
新潟2区(小選挙区3回・比例復活1回):細田健一

以上ですかね。なおいずれもテレビ朝日等のメディアで報じられ、
今回のいわゆる不記載・裏金問題の逆風が大きいと言えます。

ただどの程度大きいかは詳細に分からないこともあり、
保守地盤であれば小選挙区で当選するでしょう。

閣僚入りした安倍チルドレン

当選3-4回で入閣を果たした議員もいます。

【当選3-4回での入閣リスト】
安倍政権
山下 貴司氏(法相):岡山2区
岸田政権
牧島かれん(デジ相):神奈川17区
堀内 詔子(ワク相):山梨2区
小林 鷹之(経済安保相):千葉2区
小倉將信(少子化担当相):東京23区
加藤鮎子(少子化担当相):山形3区

ここに関して言えば、ほとんどの方が地盤固めできていることから、
次期衆議院選挙の逆風は少ないかと個人的には思っています。

他にも現在の官房副長官を務める村井副長官(埼玉1区・当選4回)
も選挙に強いため、今回の解散後も
再び小選挙区での可能性が高いと感じています。

まとめ

さてここまで色々とまとめてきましたが、
結論は前回比例復活の議員にとっては逆風が強いものの、
野党が分裂していることから、
一定程度の逆風に収まるということを予測します。

まだ4月です。これから自民党の総裁選や任期中で改憲があれば
改憲も焦点ですし、政治とカネの問題や経済もあります。

果たして今回の衆議院選挙はどうなるか?引き続き注目です。

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