見出し画像

岸田政権のGW外交まとめ! 初の南米訪問と鍵を握るパラグアイ


外交の岸田、再び

岸田政権で唯一、安倍元総理と匹敵、もしくは
上回ると認めざるを得ないのが、政権トップクラスの外交力であることです。

安倍元総理の中で4年8ヶ月の間、外務大臣を務められ、
中国の王毅外相やロシアのラブロフ外相をはじめとした
日本にとって、交渉が難しい相手だけでなく、
オバマ政権のケリー国務長官といった方々を相手にした
功績は非常に大きいと言えます。

すでに総理就任から早2年以上が経ち、
訪問国・地域は30以上、のべ50近くの数字を叩き出しています。

菅政権がコロナで1年ほどの政権とはいえ、 
4-5だったのに対し岸田総理は総裁任期満了までに、
最長政権(7年8ヶ月)の安倍元総理の半分ほどの
地域を3年で回ることになるなど、極めてハイスピードの外交です。

岸田文雄首相は1週間にわたる今回の訪米について外交的な成果をアピールした。一方、総選挙で与党が敗北した韓国に関しては、緊密な関係を維持することを約束した。

  日本の首相として9年ぶりとなる米公式訪問では、日米の防衛協力の強化や、威圧的行動を強める中国に対抗してフィリピンとのより強固な同盟関係を構築する構想が打ち出された。13日に帰国の途に就く岸田首相はまた、米企業に日本への投資を呼び掛け、日本が最大の対米投資国として同国経済にプラスの影響を与えていることを強く訴えた。

出典:ブルームバーグ 2024/4/13 岸田首相、訪米の外交的成果をアピール-韓国とは引き続き連携

GWではフランス・ブラジル・パラグアイを訪問

昨年のGWではエジプト、ガーナ、ケニア、モザンビーク及びシンガポール訪問といったいわゆるアフリカの訪問をメインとし、
一昨年はインドネシア、ベトナム、タイ、イタリア、バチカン、イギリスなど
東南アジアをメインとした訪問でした。

岸田総理のGWの外国訪問
2022年GW:東南アジアメイン
2023年GW:アフリカメイン
2024年GW:南米メイン

今年は地球の反対側であり、BRICS加盟国のブラジルと
台湾との国交を継続しているパラグアイに
訪問することは岸田政権の外交の狙いがわかることでしょう。

なお岸田総理のフランスへの訪問は、
中国の習近平国家主席が今月5日の訪問に対し、
今月2日訪問と中国より3日間早い会談となりました。

ただ岸田総理はフランスのマクロン大統領
アタル首相の会談がメインだったのに対し、
中国は今回の訪仏でフランスとEUとの3者の首脳会談
実現する見通しのことから、
今後の国際情勢にどのような反応があるかは
日中両国ともにみていく必要があります。

【北京=田島如生】中国外務省は30日、中国とフランス、欧州連合(EU)の首脳が近く会談すると発表した。中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席の5日からの訪仏に合わせ、マクロン仏大統領とフォンデアライエン欧州委員長を交えた3者会談を開く。

出典:日本経済新聞 2024/4/30 中国・フランス・EUの3首脳が会談へ 習氏訪仏にあわせ

上川外相、初GW外交へ

この他にも上川外相がアフリカを中心に訪問しています。

今回はアフリカメインで、マダガスカルコートジボワール
ナイジェリアスリランカネパールの5カ国に訪問します。

岸田政権で初期の外相を務めた林芳正現官房長官は
当時、2022年のGWではロシアウクライナにおいて、
ロシア側と非常に仲が良いカザフスタンウズベキスタン
そして中国を睨みモンゴル、さらにオセアニアの
フィジーパラオに訪問しました。


なおパラオは親日国として極めて有名な島国です。

2023年でも林外相は
パラグアイペルーチリバルバドス
の4カ国訪問し、中南米メインに訪問しました。

岸田政権外相のGWの外国訪問
2022年GW:中央アジアメイン
2023年GW:南米メイン
2024年GW:アフリカメイン

2022年はロシアウクライナ問題で、
2023年と2024年はグローバルサウスとの
関係をより深化させることが目的でしょう。

ただ一部野党の議員は、外交を多額の血税を使うなど批判的ですが、
国際間の対立を和らげ、より友好への道を辿るには、
国会がないこの数日間において、海外に訪問することは大変重要です。

しかし地盤の弱い政治家は基本的に地元に帰る
議員も多いため、それぞれ事情はあるかと思います。

地盤の強い議員は海外へ訪問し、
地盤の弱い議員は地元に帰って足場固めする。

少なくとも地元にも帰らず、外国にも行かない
国会議員には疑問を呈さざるを得ません。

個人的に注目の箇所

ここからは個人的に注目の閣僚訪問について、
ご紹介いたします。

本年はイタリアでG7プーリアサミットが実施されるのに伴い、
西側諸国とグローバルサウスの玄関の役割が
日本として求められると信じたいです。

G7は年々、世界経済における影響は縮小し、
これからは各地域の議長国とも
協力することで引き続きG7主導のリーダーシップで
平和を守ります。

一方でBRICSもまた新興国のスカウトを行っており、
本年でBRICSは10カ国の加盟国を有し、
注目されています。

【G7参加国】
イタリア(EU・世界九位の経済大国)
フランス(EU・世界七位の経済大国)
アメリカ(世界一位の経済大国)
カナダ(北米・アメリカの隣国・世界十位の経済大国)
イギリス(EU域外の欧州経済国・世界六位の経済大国)
ドイツ(EU・世界三位の経済大国)
日本(唯一のアジア・世界四位の経済大国)
他EUトップ

【BRICS】
ブラジル(唯一の南米・世界八位の経済大国)
ロシア(世界の第1位の石油・ガス生産国)
インド(世界五位の経済大国)
中国(世界二位の経済大国)
南アフリカ(アフリカ二位の経済大国)
エチオピア(アフリカ二位の人口)
エジプト(アフリカ一位の経済大国)
イラン(原油埋蔵量二位)
サウジアラビア(中東トップクラスの資源経済国)
アラブ首長国連邦(中東トップクラスの資源経済国)

人口、経済、資源で欧米の枠組みから外れた独自の枠組みで
動くのがBRICSです。

もちろん今も欧米とは外交関係もあり、
今日まで続いていますが、
少なくともBRICSもまた世界経済に影響を与える部分は
大きいかと思います。

個人的に注目の閣僚訪問

  • イタリア:先進7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合 経産相・環境相

  • フランス:万博担当相、博覧会国際事務局長との会談

個人的に注目の閣僚会談はこの二つです。

特にイタリアはサミットの閣僚会合であり、
もしトラが起きれば気候変動対策の枠組みも
再び、影響があると考えられ、
できれば温室効果ガスの削減等を盛り込んだ内容が
発表をしたいところです。

【トリノ時事】先進7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合が28日、イタリア北部トリノで3日間の日程で開幕した。日本からは伊藤信太郎環境相や斎藤健経済産業相らが出席。気候変動対策やエネルギー安全保障などの課題を議論し、共同声明の採択を目指す。

出典:2024/4/30 G7環境相会合が開幕 気候変動やエネ安保など議論―伊トリノ

もう一つは万博担当相のパリ訪問です。

今年、パリオリンピックが開かれる年ですが、
特にオリンピックのパリと万博の大阪の
担当者が会談することは、
万博の成功にとっても不可欠でしょう。

最後に

政治家の外交にはさまざまな狙いがあり、
決して旅行ではありません

旅行と国民が捉えてもならず、
政治家本人は旅行ではなく、
公務を行うことが求められています。

そのため一つ一つの外交日程に関心を持ちたいところです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?