ミュージカル「CROSS ROAD 〜悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ」観劇感想②

 こんにちは、雪乃です。今日はミュージカル「CROSS ROAD」を観に行きました。

 もともと1回のみの観劇の予定だったのですが、あまりにも良すぎて急遽チケットを追加しました。

 初見の感想はこちらから。

 2回目もアムドゥスキアス様の歌声に魂が溺れていく感覚が好きすぎる~。台詞の一文字からマントが生み出す音に至るまで、すべてが音楽的とも言えるアムドゥスキアスでした。それはそれとしてパガニーニがテレーザと話してるシーンの後ろで後方プロデューサー面してるところも好きなんだよな。
 そして1回目の観劇で気づかなかったのですが、「血の契約」でアムドゥスキアスがパガニーニの髪を結んでいたリボンを外すんですよね。あの瞬間に、少年から青年へ、才能の限界を感じていたヴァイオリニストが悪魔のヴァイオリニストに確かに「変身」したのを感じました。

 あとアドリブ合戦がめちゃくちゃ楽しかったです。アムドゥスキアスもパガニーニもアルマンドも自由だったな~。

 「CROSS ROAD」でミュージカルとして好きなのが、テレーザのソロ曲である「Casa Nostalgia」が繰り返し登場するところ。幼いパガニーニのための子守歌として歌われたこの曲が1幕ラストの異端審問のシーンではテレーザの心の叫びのように響き、2幕ではテレーザの死を知ったパガニーニが悲しみの中で歌い、最後はアムドゥスキアスと結んだ血の契約に打ち勝つ魂の音楽にまで昇華される。最後のアレンジされた「Casa Nostalgia」も好きなんですよね~。CD出してくれ。

 パガニーニが最後の演奏を終えた瞬間に湧き上がった、割れんばかりの拍手。それはもちろんミュージカルとしての拍手ポイントでもあるからこそ起きた拍手でもあるのですが、あの瞬間、自分までもが、パガニーニと同時代を生きた観客の1人になったような感覚を味わいました。

 そして私が一番好きな曲が、パガニーニが自分の死が近づいていることを実感しながら歌う「アンコーラ」。最近はこの曲を聴いてから寝るようにしているくらいには好きです。
 100万曲目を弾き終えたパガニーニがヴァイオリンを抱きしめながら消え入りそうな声で歌った最後の「アンコーラ」。眠るように息を引き取ったパガニーニの「アンコーラ」を、その死を知った執事アルマンドが引き取るように歌い、そして生前のパガニーニを知るアーシャやエリザによって歌い継がれていき、観客の「終わらない拍手」によってひとつの楽曲が、ミュージカルが完成する。観客までをも物語に。楽曲に取り込んだ、これぞまさしく「音楽劇」ともいうべきラストでした。

 あと地味に好きなところ、ドレスです。時代的にちょうど私が好きなエンパイアスタイルのドレスが出てくるのが嬉しい。エリザの着ているドレスはよく見ると丈が前方と後方で少しだけ違っていて、シンプルながらも印象に残るデザイン。ドレスにジャケットの着こなしも上品で好きです。

 「CROSS ROAD」、朗読劇時代も初演も知らず、予備知識なしで観に行ったのですが予想以上にヤバかったですね……ハマる……。ということでDVDとCDが欲しいです。お願いします。

 2回目も楽しかったです!出会えて良かった「CROSS ROAD」!

 本日もお付き合いいただきありがとうございました。

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