メモ14.緊張はいいもの
初めて著名人にインタビューをする機会を得たときのこと。
こんなペーペーライターのインタビューをうけてくれるなんてなんて心が広くいい人!と思うとともに、テレビでみる有名人にインタビューする自分の姿を想像してたら前日は緊張して一睡もできなかった。
できる女子アナがタイトスカートからまっすぐに伸びた足を組んで、髪をかき上げながら相槌をうち、絶妙なタイミングで質問をする・・・というのを想像していると自分にできるのか?と自分で追い込んでいた。誰もそんなインタビューのぞんじゃいないが。
そんなこんなでまったく眠れず、目の下にばっちりクマをつけ、かっちんこっちん状態でインタビュー場所へ。
だいぶ早く出てきたのに相手はもう到着しているという。
心臓バクバク、もう心臓の音が外にもれちゃっているんじゃないかというほどだったのだが、部屋に入った瞬間、やさしいまなざしに癒される。
「は、はじめまして。こ、このたびはインタビューの、の、時間を、を、いただきありがとうございます」
とガッチガッチであいさつすると
「まあ、座ってお茶でも飲む?」
と気遣ってくれた。あああ、天使だ。テレビではそこまで温和な雰囲気ではないのに実際はこんなに気遣いのできる素敵な大人だなんて。
とはいえ、緊張は継続。同じことを聞いてはいけない。しっかり時間内で終わらせねばならない。と緊張していたものの、これ以上ない集中力でインタビューしていたせいか、予定時間の半分で終わった。
緊張すると練習通りにできないとか言われるが、わたしの場合は緊張すればするほど本領発揮できるようだ。
緊張すると五感が研ぎ澄ませてくれる作用がある。とどこかの文献でも読んだことがある。
逆に、慣れている取材のほうが聞き漏れがあったりしてダレる。たまには緊張しないといけないなとすべてにおいて慣れきってしまい、まったくもって緊張しなくなった今。たとえ著名人でも最近は「楽しみ」がまさってしまっている。だめだ。たまには緊張せねば。初心忘るべからずである。
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