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日常の脱リュック

東海道新幹線の予約が取れない。いや、厳密にいえば富士山がばっちりみられるE席がとれない。

出発ギリギリになると御覧の有様である。

年末年始、のぞみは全席指定席になるようだが、とれるのだろうか。乗る予定はないがとても心配になるくらいの混雑状況だ。

インバウンド向けのJR乗り放題のJAPAN RAIL PASSのせいだろうか。このPASS7日間乗り放題で普通車大人5万円とかで格安すぎるので廃止してもらいたい。日本人向けにPASSを売ってもらいたいくらいである。

と思っていたのだが、新幹線ホームにいくとどうやら違うようである。背後から響くガラガラガラとスーツケースを転がす音がいつ終わるともなしに鳴り響く。

振り向くとかわいらしい制服をきた修学旅行生らしき学生たちがごろごろと転がしながら歩いていく。

30人くらいの集団3組がホームをごろごろさせながら歩いていく様子を眺めていた。全員スーツケースだった。ボストンバッグやバックパックの人は誰もいない。しかも、何泊の修学旅行なのかわからないが1週間の海外旅行にでもいくのかというほどの大きいスーツケースを転がしている生徒もいる。

修学旅行なんてもうかれこれ・・・は!30年前!たまにこういう数をカウントしているとびびる。時がたつのが早すぎる。
そのくらい前はスーツケースといえば海外旅行のためのものだったような気がする。修学旅行は毎日制服だし、化粧なんてしてなかったし、保湿をする習慣もなかったし、下着以外、一体なにを持って行ったんだろうと覚えてないくらい荷物はなかった。さすがにバックパックできた人はいなかったが、ほとんどがボストンバック一つできていた。

20代になり初めての海外留学でスーツケースデビューをしたものの、その後バックパッカーに転身し、30代半ばまではスーツケースを持ったことがなかった。持ちたいとも思わなかった。

バックパックは何より歩きやすい。両手があくから地図を見やすい、メリットだらけじゃないか!と一人旅のときはほぼリュックひとつで出かけていた。

が、あるときリュックにお土産を入れすぎて、リュックを背負った瞬間、後ろに転がってしまった。こんなんで腰をやっては元も子もないとスーツケースで旅に出ることを決意する。

すると、最近のスーツケースというのはタイヤが360度回転するから運びやすいし、何より軽い。そしてスマートなのだ。

なぜ今まで持たなかったのだろう。年齢とともに、腰の痛みとともにスーツケース派になった。バックパッカー見かけなくなってきた。たま~に大きなバックパックをしょった外国人を見かけるが、ほとんどがスーツケース。新幹線にも巨大スーツケース置き場なるものも登場した。

今は小旅行でも修学旅行でもスーツケースが主流なのか、とふむすむ思いながら、新幹線を降りて在来線にのったとき、部活帰りの高校生たちが背負っていたのはリュック。日常生活ではリュック、ちょっとした旅行はスーツケースということか。

ちなみに、年齢は違えど、40代のわたくしめも小旅行から大旅行まで最近ではかならずスーツケース持参でいく。そして仕事にしろ、遊びにいくにもリュックばかり背負っていたら、リュックにベストマッチするカジュアル系の服ばかり着るようになってしまった。これじゃ、ますますおばあ化まっしぐらだ!と最近では、取材やちょっとおしゃれ系の店にいくときは脱リュックで攻めている。

が、やはりパソコンを片手持ちすると肩こりがひどい。そしてリュックに戻るのだ。

脱バックパッカーはすんなりと受け入れられたが、日常の脱リュックはなかなか難しい。

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