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176. 上に行きたいなら、まずは、その場で誰がみても納得する結果を残せ

今日は「挑戦におけるステップアップ」をテーマにお話ししたいと思います。

今日一番みなさんにお伝えしたいことは「上に行きたいなら、まずは、その場で誰がみても納得する結果を残す必要がある」ということです。

自分自身の大きな失敗(恥ずかしき思い上がり)も踏まえてお伝えします。

僕は、過去3年間、ECHLという北米プロ3部リーグでプレイし続けています。このリーグは一番上のNHL、2番目のAHLのさらに下部組織という位置付けになります。

このリーグにいる多くの選手は、2部のAHLでプレイすることを望んでいます。(同様に、AHLでプレイする選手はNHLでプレイすることを望んでいるでしょう) マイナーリーグと言っても、レベルはとても高いです。

僕も例外ではありません。このECHLでデビューした時からずっと、AHLに行きたいという思いは待ち続けています。でもそれはまだ達成できていません。それはなぜか。シンプルに、自分の実力不足であり、結果不足だからです。

要するに、圧倒的な活躍をしていないのだから、上に呼ばれていないのは当たり前、という話です。

ただ、意外とこの単純な事実を理解できない選手が割と多くいると思います。僕も昔はそうでした。

特に一年目、僕はプロデビューしてから最初の1-2ヶ月ほどで、割と良いスタッツを残すことができました。アイスホッケーでは一般的には、1試合で1ポイントを残せていたらそのリーグで活躍している(point per gameと言います)という大まかな評価基準があります。

もちろん、毎年それ以上の活躍をする選手もいるし、出場試合数の1.5倍-2倍近くのポイントを取る選手もいます。

僕はデビュー当時、ほぼ1試合1ポイントペースでした。大学4年間のキャリアでもそんな経験がしたことなかった僕は、ついに結果を残せるようになった、と喜びを感じていました。

しかしチームに合流して2ヶ月も立たないくらいの時、僕は試合中に肝臓が切れて出血するという大怪我をしてしまい、そこから3ヶ月ほど休むことになりました。その後、無事シーズン終了前には復帰できましたが、終わってみれば、その年は40試合出場で20ポイント止まりでした。

この数字は、決してひどいものではありませんが、全く良いものでもありません。しかし当時の僕は大きな勘違いをしており、「怪我をする前は活躍できていたし、来シーズンは上のリーグに上がれるチャンスもあるんじゃないか」と思っていました。

しかし実際はそう甘くはありません。2部AHLチームのシーズン前のトレーニングキャンプにすら呼ばれませんでした。

これは至極当然の話で、上のチームからしてみれば、下のリーグでそこそこの活躍止まりの選手は、欲しいとは思わない、ということです。

自分の立場で考えてみればわかることです。

例えば自分が強いサッカーチームを作るとして、一つ下のリーグから選手を取るとなったら、まずはその下のリーグで抜きん出るスタッツを出している選手が欲しい、と考えますよね。

よりレベルの高い環境になるわけなので、下で多少通用しているレベルではいけない、ということです。

実際、例えばこれまでのチームメイトにもほぼpoint per gameを達成している選手がいましたが、それでもなかなか上に上がることができずその場どまり、ということも多くあります。

もちろん、要因はスタッツのみではありません。上のチームの選手状況、戦い方、必要とされる選手のタイプによって、呼ばれる選手も変わります。

しかし大前提として、そもそもそのレーダーにかかるためには、今自分がいるリーグで、スカウトの目に止まるスタッツを残していることが必須条件になります。

そしてこれは、プロに限らず、大学、ジュニア、ハイスクール、地域選抜、代表チームなど、どこのホッケー環境でも同じです。

どんな場所であれ、コールアップされるということは、決して簡単なことではありません。誰もが上に行くことを望みます。

でも、それは全員に平等に与えられるものではありません。よく言われることですが、自分で掴み取らなければいけないことです。

中にはきっと、「俺は活躍できてるのになんでまだ上に呼ばれないんだ」と感じている選手もいるかもしれません。

しかしそれは大抵の場合、主観的視点のみでしか物事を見ることができておらず、自分の活躍度合いを客観的に見れていないケースが多いのではないかと思います。

上に上がれない現状や周りの環境を嘆くのではなく、「そもそも自分は上に呼ばれるだけの結果を本当に残しているのか?誰が見ても納得するスタッツを残せているのか?」と冷静に外側から自分を分析することは特に大事だと思います。

チームメイト、コーチ、エージェント、リーグのレベルなどのせいにすることは絶対あってはいけないと思います。特に、このCompetitive な育成システムが出来上がっている北米アイスホッケーにおいては、選手の取りこぼし、抜け漏れはほとんど起きない仕組みになっていると僕は思います。

どんなリーグでプレイしていても、活躍すれば必ずステップアップの機会が訪れるし、必ず誰かの目に留まります。そこでさらに圧倒的な結果を残していくことで、また新たに道がひらけていく。とにかくその繰り返しだと思っています。

大事なことは、自分の能力や現状の結果に満足せず、ただひたすらに、目の前の試合で良いパフォーマンスを残し、誰が見てもわかりやすい結果をコンスタントに出し続けることだと思います。(これが簡単にできれば苦労はないのですが)

世の中は本当に上手な選手で溢れています。自分よりも若くてスキルのある選手、これまでの実績のある選手が毎年溢れるように出てきます。上のリーグから選手が降りてくることもザラにあります。
みんな、戦っています。自分のスポットをかけて、全員が激しい椅子取りゲームを行っています。それが、階段を登っていくということだと思います。

スポーツ挑戦においては、手すり付き階段やエスカレーターのような便利なものは存在しないと思っています。誰もが、目の前の一段を登ることに必死になっているし、その階段は選手でごった返しています。

そこを突き抜けるには、もちろん努力も大切ですが、スタッツ(数字)はどうしても必要になります。

今の僕は、上のリーグに呼んでもらえるようなスタッツを残せているかというと、答えはNoで、程遠い活躍度合いだと思います。
そんな僕に文句を言う資格はありません。とにかく新たなシーズンで少しでも良い成績を残せるよう、チャレンジを続けるしかありません。

大変な道のりですが、その道中に自分は今いる、ということが何よりも楽しい瞬間だと思っています。

そもそも昔からポイントをたくさん取れるような選手ではないですが(笑)、フォワードとして、やっぱり毎試合ゴールに絡むような活躍を続けたいものです。

今年の夏も、しっかり準備しようと思います。そして、チームの勝利に常に貢献できるプレイヤーになれたらと考えています。

今日のお話は以上です。今回の内容が面白いと感じた方は、ぜひSNS等でもシェアしていただけると幸いです。(全力リツイートさせていただきます!)今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

三浦優希


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