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「好き」を語り、人とつながる

こんばんは、ゆきみです。お久しぶりのnoteです。

今日は「好き」のもつエネルギーの高さが人の心をひらき、つなげるなと思った体験があり、つらつらと書いてみます。

先日、都内の中学生と修復的対話(トーキングサークル)をする機会がありました。一緒に対話をしたテーマは「大切にしていること/もの」です。

普段は関わることのない相手ということもあり、対話の時間は今の中学生がどんなことを考えているかを知れる貴重な体験でした。

意外だったのは、対話が終わってから設けている「雑談タイム」で体験したことが思ったよりも印象に残っていて、今こうして書いていることです。

修復的対話では、対話の時間そのものが価値だと思われがちです。もちろんそれは大前提です。でも、実は終わった後にあえて設けている雑談タイムも肝心だと言われています。それは「余白」や「余韻」が人と人をつなげるという考えが根幹にあるからです。そして私はその余韻の場で、みごとに参加者との小さな「つながり」を体験することができました。

今回参加した中学校では、50分授業の中で40分は準備した問いに答える対話の時間で、残りの10分が雑談タイムでした。

その雑談タイムで、私は生徒にもっと気軽な内容を話してほしいと思い、「みんなの推し(好き)を教えて〜」と聞いてみました。

そしたら対話の時間では一言二言だけ話していた生徒たちから「〇〇という歌手」「〇〇というプライベートファッションブランド」「小説の〇〇」とどんどん声があがりました。

・目をキラキラさせながら話す人
・マスクで口元が見えないはずなのに目元からニヤニヤを隠しきれてない人
・早口でまくしたてるように好きな理由を伝えてくれる人
・満面の笑みで嬉しそうに話す人

いろんな表現で「好き」を伝えてくれる生徒たちの反応をみて、私もとてもワクワクしました。そして、その瞬間は対話の時間とは明らかに違うその場にいるだけで元気がでるようなエネルギーで満ちていたことも印象に残りました。(ある意味狙い通りの状態ともいえます)

なんなら熱量高く「好き」を語ってくれた生徒たちの顔は今でも思い出せるくらいです。たったの50分、一緒に座って対話をした生徒の顔を今でも思い出せる。これってある意味「つながり」ができたとも言えるのではないでしょうか。好きな気持ちをそのまま語るだけで、相手に印象を残せる。好きを語らせることは、実はすごいことなのでは、とも思いました。


そして、特に驚いたのは対話中と雑談タイム含めてずっと静かだった男子生徒が雑談タイムが終わってから近づいてきて「アニメなんですけど、いいっすか?」と2つ作品を教えにきてくれたことです。

こちらが「好き」を語ってもらえるきっかけを投げ、さらには彼が対話の時間が終わってから自らの「好き」を伝えにきてくれたことで、その場で彼と私の間に小さなつながりが生まれました。

実は、対話での様子をみて、私は彼が人と話をするのが苦手なタイプなのかと判断してしまいました。でも彼から声をかけにきてくれたことを受けて、ただ対話の時間では彼が話したいと思うポイントを突けていなかっただけなのかもしれないという気づきも得ることができました。


私たちは誰かとつながろうとするときに相手にいろんな質問をします。よく使われる「好きなこと(趣味)はなんですか?」って、実は人間関係をつくるときに大事な本質をつく問いなのかもしれません。

だって、「好き」を語っているときのその人はとても自然体ですし、その人の魅力が無理せずとも伝わってきます。そして純度の高いワクワクが伝われば、こちらももっと話したいなと思います。そうしてお互いの心がゆっくりひらいていき、つながりも徐々に深まっていく。「好きを語る」にはそんな力があることを学ばせてもらいました。


中学生と対話をしにいったら、「好きを語ること」が人間関係づくりに与えるパワフルさを考えさせられたという、とても豊かな体験でした。


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