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わたしの心を言葉にする④言葉にするルール4つ


前回まで、思考の筋トレ方法を説明してきました。今回は、言葉にしやすくするためのヒント的なところを紹介します。筋トレで例えるなら「腹筋を鍛えるときは、腹筋を意識した方が鍛えられるよ」とか「呼吸を止めたらいけないよ」みたいな感じだと思ってください。

余談?ですが、こういうのって「ジャーナリング」とか「書く瞑想」とか言うんですよね。こちらの本、私も読みました。こちらの本から、自分がしっくりきたなあ!と思うものもいくつかピックアップしているのでよかったら↓

余談②?ですが、自己理解ワーク的なものをたくさんやっていた時期があって、その中で一心不乱になって取り組んでいた本がありました。この本に書かれている質問に全部丁寧に答えていく中で、自分の心を言葉にしていく筋肉が出来上がってきたなあという実感があります。こちらもよかったら↓

この方の新作、まだ手をつけていなくて手をつけたくてソワソワしているので、そちらも置いておきます↓

余談が過ぎました・・・!でもおすすめです!

心を言葉にするためのルール4つ

さて、ここから私が大切にしているルールを紹介させてください。これは「やりなさい!」というものでは無いのですが、自分で筋トレしていくうちに身についてきたルールです。そしてこのルールに則ってやっていくことで、心を言葉にすること、自分の心を俯瞰して見ること、が格段に上手になってきました。前回書いたところと少し重複しているところもあるかもしれませんが…!

①主語は徹底して「私」

これが一番大事だと思っています。日々の嫌なことの8割は「誰か」に向けた矢印だと思っています。

・夫が皿を洗ってくれなかった
・クラスの子どもが授業をちゃんと聞かなかった
・上司が理不尽なことで怒ってきた
・帰ろうとしてたのに、同僚が仕事を振ってきた

こんな感じ。あるあるではないでしょうか?別にこういう言葉が出てきて良いのです。それを誰かへの矢印から、自分の矢印に向けていく作業をします。例えばこんな感じ↓

・夫が皿を洗ってくれなかった
私は、夫にお願いしていた皿洗いが終わってなくて悲しかった。

・クラスの子どもが授業をちゃんと聞かなかった
私は、クラスの子どもたちに授業を聞いてもらえなくて悲しかった。

・上司が理不尽なことで怒ってきた
私は、上司に理不尽なことで怒られてイラッときた。

・帰ろうとしてたのに、同僚が仕事を振ってきた
私は、帰ろうとした矢先に仕事を振られてムカついた。

最初は
「私は、〜〜〜(されたこと)で、〜〜〜(感じた気持ち)だった。」
という構文で書いてみると良いかと思います。

②グレーをグレーとして認める

これ、心を拗らせているとき私もよくやってしまったし、心拗らせそうになっているときは今でもやってしまいがちな思考なのですが「白黒思考」「ゼロヒャク思考」ってやつです。これをやってしまうと、本当に自分が抱えている気持ちを全部切り捨ててしまうことになります。

ノートに書く、ではありませんがよくこういうことってありませんか?

・全部私が悪いんだ。
・しんどいならもう仕事行かない方が良いんだ。
・この仕事向いてないなら辞めなきゃいけないんだ。

みたいな考え。でもこういうのって往々にして

自分「だけ」が悪いなんてことはないし
しんどい→仕事行かない方が良い 以外の選択肢はあるし
向いてなければ辞める は極論

なんですよね。冷静なときってそういう見方ってできるのですが、自分が冷静ではないときって、見えにくくなるんですよね…。

ゼロヒャクにしちゃうのって、すっごくラクなんです。だって思考する必要がないですから。登りたい山がある。でもいざ行ってみたら、すごく高くて大変そう…。どういうルートが良いかな、どんな道具があれば行けるかな、ガイドさん頼んだらいけるかな?と考えるより「もう登らなくていっか」って言っちゃった方がそのときはラクですよね。でも「登りたかった」という気持ちまで切り捨てているんですよね。でも、方法を考えるときってかなりエネルギーが必要で、それがしんどいこともあるんですよね。

だから

「分からない」もオッケー。
現状こうやって考えてる、くらいもオッケー。
すぐに答えがでないことも「すぐには分からない」という答えにしちゃう。
宙ぶらりんで、白黒つかない状況を「今はグレーなんだ」と記しておく。

これができるようになって、心の現在地を俯瞰する幅がグンと広がりました。

③「モヤモヤした」禁止

これを課すだけで、私は一気にハードルが上がりました。でも、「モヤモヤ」って都合の良い言葉です。だって「言語化することのできないモヤがかかったような状態」をその一言で片付けられるのですから。だからその「モヤがかかった状態の霧を晴らしていく」ために「モヤモヤ」という言葉を禁止しました。

ただ、最初に出てきた状態に対して「モヤモヤ」という言葉しか出てこない場合はそれで良いのです。その後にふかぼっていけば良いので。

ちなみにですが、「悲しい」「嬉しい」「楽しい」「ムカつく」「イライラする」に関しても、終着点をここにすることを私は禁止しています。だから先ほどの例だと

・夫が皿を洗ってくれなかった
私は、夫にお願いしていた皿洗いが終わってなくて悲しかった。

・クラスの子どもが授業をちゃんと聞かなかった
私は、クラスの子どもたちに授業を聞いてもらえなくて悲しかった。

・上司が理不尽なことで怒ってきた
私は、上司に理不尽なことで怒られてイラッときた。

・帰ろうとしてたのに、同僚が仕事を振ってきた
私は、帰ろうとした矢先に仕事を振られてムカついた。

これで終わらせない、ということです。どういうことかというと↓

・私は、夫にお願いしていた皿洗いが終わってなくて悲しかった。
→私は、夫にお願いしていた皿洗いが終わってなくて悲しかった。本当は、私が家に帰ってくるまでに皿洗いをやっていて欲しかった。そうしたらすぐに晩御飯作りができたのに。期待を裏切られたなって思った

・私は、クラスの子どもたちに授業を聞いてもらえなくて悲しかった。
→私は、クラスの子どもたちに授業を聞いてもらえなくて悲しかった。すごく準備をしてきたもので夜も眠くなりながら一生懸命考えたのに聞いてもらえず、1人だけ頑張っている感覚になり虚しくなった。

・私は、上司に理不尽なことで怒られてイラッときた。
→私は、上司に理不尽なことで怒られてイラッときた。どうして怒られているのか、理由もよく分からない。説明もなかった。そんな納得できない状況の中で急に怒られて私の言い分も聞いてもらえなかったことが、大切にしてもらえていないと感じた。

・私は、帰ろうとした矢先に仕事を振られてムカついた。
→私は、帰ろうとした矢先に仕事を振られてムカついた。定時だし鞄も持っていて状況が分かるはずなのに、「すぐにやって」と言われた。相手の状況だけ優先して自分の状況は無視をされたことが、その人を助けたいと思えなくなってしまった。

こんな感じにしていくと、「どうしてムカついたのか」「どんなところにモヤモヤしたのか」がよく見えてくるかと思います。モヤモヤという言葉を使うよりも、グッと状況が分かりやすくなりました。

モヤモヤ禁止にして、じゃあどうやってこんなふうに言葉にし直していくのよ?というのが次の項目です。↓

④そのときの絵が描けるくらい言葉にする

こちら、以前ボイシーでお話したことそのまんま、なのですが

こちらの放送を要約すると

・特別支援学級担任をしていたときに「特別支援の授業は絵が描けるくらい細部まで想像しておかないとダメよ」と指導された
・それからというものの、授業にしても働き方にしても考え方にしても「絵に描けるかどうか」を大事にしている
言葉にする→絵を想像してみる→絵にしたときにぼんやりしたところをもう一度言葉にし直してみる という流れでやっている

という感じです。これを心に関してもやっています。ただ、心って絵に描くのってすごく難しいですよね?だから、行動に目を向けるようにしてみます。どういうことかというと、自分がして欲しかったな、という行動や姿を絵に描けるくらい想像してみる、ということです。

そうしていく中で「この表情している時の私、頭の中で何考えていたんだっけな。」と振り返りながら、自分を少しだけ遠くに置きながら、気持ちを整理することができます。

とにかくとにかく詳しく、観察日記を書く感覚で

これは、自分の感情の観察日記です。誰が見ても「ああ、こういう感情だったのね」と分かるくらいに自分の気持ちを整理できるようになると、どんどん言葉にできるようになってきます。どんどん自分の気持ちを表す言葉が増えてきます。気持ちを言葉にしたい方の、ヒントになりますように。


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