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朝5時半に受けた娘からの相談

朝5時半。小学校6年生になった娘から言われた。
「相談がある。とても大事な相談。」

私は朝5時くらいから起きて、白湯を飲んでストレッチしたり読書したりしている。娘はそれを知ってか知らずかこの時間に起きてきてそんなことを言ってきた。いつもはこんな時間に起きてこないのに。娘にはもう少しだけ睡眠時間を確保してほしかったから、娘の姿が見えた時は「早くない?もう少し寝ておいで。あと30分くらい。」と言おうとした。でも娘の第一声がそれだったので引っ込めた。言わないでよかった。

「大変。私が入った委員会活動、6年生、私以外女子がいない。10人くらいいるメンバーのうち、私以外全員男子。」

そりゃあ大変だ。 

娘は1年生の頃から「特定の仲の良い女子」が常にいてほしいタイプ。何かやるにしても「○○ちゃんがいるかどうか」を優先する。今回もそうしたらしい。違うクラスの仲良しの友達となりたい委員会を決めたらしい。でも違うクラスだったので、蓋を開けてみたらこういうことになったみたい・・・。

仲の良い女友達がいない。ましてや女子が誰1人いない。そりゃあ、娘にとっては、一大事だ。

でも私は、本当は言いたかった。ねえ、その決め方で本当に良いの?あなたのしたいことは、叶えられているの?って。

仲良い友達と合わせることじゃなくて、自分が納得したこと、自分がやりたいと思うことを選ばないから、今こういう思いになっているんじゃないの?って。でもそれを今言うことなのか、それとも今は寄り添うべきなのか・・・。


なんというか、こういう時になんて言うのが(もしくは言わないのが)良いんだろう・・・っていう、大事な判断を瞬時に迫られるの、なんともいつも、汗がぎゅっとにじむ。

考えすぎ?でも、私の何気なく言った一言が、娘にとってもしかしたらとても苦しい呪いになってしまうかもしれない。だからいつもいつも考えてしまう。どの言葉が今の娘にとって、しっくりくるんだろうか。って。

「絶対に叶えてくれる、とかは分からないけど相談してみるのは良いんじゃない?誰か1人は女子がいると思った。たくさんいてほしいとかじゃないけど、さすがに6年生のなかで女子1人は不安・・・って思っちゃった。って正直な気持ちを先生に伝えた上で、娘ちゃんがお願いしたいことを言ってみたら?女の子1人はこっちに来るようにしてほしい、とか、自分が違うところに移動したい、とか。できるかどうかはともかく。」

「ああ〜確かに。え〜でも・・・できなかったらどうしよう。」

「ダメで元々で言うんだよ。言うのはタダ。何か変わったらラッキーでさ。まあそもそも、こんなふうに決めなければこんな気持ちにもならなかったわけじゃん??」

余計なことを言ってしまったかなあ、私。

「まあそうだよね〜うん、確かに。ゆきちゃんは小学校の先生だから、アドバイスもらえると思った。」と娘。ありがとう、その言葉を受け止めてくれて。そしてそうやって捉えてくれることにも。

帰ってきた娘。表情が明るい。
「ただいまっあのね、」
って、すぐに話し始めた。

「あのね、先生に言ってみた。そしたらね“え!6年生1人もいないの?!ええ!!・・・でもさ、そこで娘さんもいなくなっちゃったら、5年生の女の子たちはきっと不安だよ。娘さんがいるときっと安心だよ。それにあなたの元気なところとか声の大きいところとか、きっとこの委員会で活かされると思うよ。”って言われた。

なんか昨日までは辞めたいなあ、女子1人は嫌だなあって思っていたんだけど、なんか、褒められて嬉しかった。なんか、頑張ろうって思ったし、この委員会私に合ってるかも、楽しみかも!って思った。」

ああ〜〜〜〜〜〜〜〜そうか。私は考えすぎだった。

娘は「自分で捉え方を変える」こともできるし、「人じゃなくて中身そのものを楽しむ心の準備」もできていたんだな。気づかないんだよね。娘の心の中が少しずつ小学1年生の頃から成長していること。いつの間に成長していたんだろう。少しずつ、だけどあっという間。

そもそも私は、第三者からのポジティブなフィードバックをそのまま受け止められること。不安だったことを軽やかに切り替えること。とても苦手だったからこそ、1個1個のことに対して「なんて言ったら適切だろうか・・・」って考えてしまう。きっと悪いことじゃない。だから安心してもらえたこともあるはず。

でも、「大丈夫大丈夫!あなたならできるよ!」とポジティブに軽やかに伝えたって良いんだなあ。

「委員長やってみようかな。」
「いいんじゃない?私、その委員会の担当もやったことあるけど、楽しかったよ。みんなすごくイキイキしてたなあ。」
「そしたら私の家での委員会担当をしてもらっていいかな・・・案とか出してもらっていいかな・・・?!」
「いやいや、自分で考えて!私は見守るだけ!」
「だよねえ〜〜。ま、自分で考えるのも楽しいもんね〜〜。」

晩御飯の時の会話。軽やかに、そっと離れていく。私が考えるより3歩くらい離れて娘のことを見守ろうと思う。

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