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【はじめに全文公開】学校がしんどい先生たちへ

教員になる前は
あんなにワクワクしてたのに。

教員になった今 なんで
こんなに笑えていないんだろう。


そんなふうに思いながら
本書を手に取った方が
いらっしゃるのではないでしょうか。

私も まさにそうでした。


はじめまして。

小学校で教員をしながら
インスタグラムで
学校現場のことや
2児の母として子育てのことなどを
登校しているゆきこと申します。


私の弟は自閉スペクトラム症です。

弟のこともあり 私はきっと
特別支援学級の子どもたちと
通常学級の子どもたちの
橋渡しができるんじゃないか。

そう思って、小学校教員を目指しました。
(今思うと、そうやって限定する必要も
 なかったな、いろんな子の橋渡しが
 したいな、と思いますが)


子どもたちに伝えたいことが

子どもたちと一緒にやりたいことが

私が子どもたちのためにできることが

きっと
たくさんある。


そう思い、教員になることが決まり、
赴任する4月までの半年間

ワクワクした気持ちでいっぱいでしたし


きっと
そのワクワクを語っていた私の顔は
生き生きしていたと思います。


だけど、赴任して早々、
そんなワクワクした気持ちが
どんどんなくなっていきました。


私の話は子どもたちに届かない。

楽しい授業ができない。

いつも時間に追われている。

またトラブルが起きてしまった。

また子どもたちを叱ってしまった。


私がやりたかったことを
やる余裕なんて、ないよ。


私が伝えたかったことは、
なんだっけ。


私がやりたかったことをやる余裕なんて、ないよ。


私が子どもたちのためにできること?

そんなことよりまず
目の前の仕事を
どうにかしなくちゃなんじゃないの?

そうやって、
とにかく目の前のことを片付けていくのに
精一杯になっていくことで

いつの間にか
ニコニコする余裕さえ、なくなっていきました。

ああもう22時。
だけど明日の授業の準備
終わっていないんだった。

あの子への指導の仕方
きっと間違ったな。
あの子の心が離れていっちゃったな。

帰宅してから
保護者から連絡が来ていたらしい。
今日のあのことだったら明日聞き取りして
放課後に保護者に連絡をして
相手の保護者にも連絡して…。

ああ、研究授業の指導案
明日には完成させなきゃいけなかった。

でも、
この前 他の先生に指摘されたところ
結局まとまらなかったんだよな…。



おうちでご飯を食べながら
お風呂の中で
寝る前のベッドの中で

ずっと頭の中は
クラスのこと 明日の授業のこと
終わっていない仕事のことを考え続けて
なかなか寝付けないこともありました。

こうやって悩んでいるのって
私だけなのかな

教員という仕事が向いていない

私は教員を一生続けられない

こんなに私ってなにもできなかったっけ

過ごせば過ごすほど
心と自信はすり減っていって

だけど誰にも相談はできなくて


何度も自分を責めながら

だけど自分を責めていると
本当に働けなくなりそうで

環境や制度のせいにしたり
自分の業務量のせいにしたり

何かのせいにして
必死に自分の心を守りながら
毎日毎日学校へ向かいました。


いや、自分の心を隠しながら、なのかもしれません。

だから私は、
ある日学校に行けなくなりました。

あのときは私にとっては突然で

鏡の前で準備しようとしても
手が少しも動かなくて

電話で欠勤連絡しようとしても
声もなかなか出なくって。


でも 今振り返ってみると
突然ではなくて

自分が悩んでいることを誰にも言えなくて

小さな小さな苦しい気持ちが
数年の間にコップいっぱいになって
溢れてしまったのだと思います。

だからきっと
突然ではなかったのでしょう。


私はあの頃
職員室で相談することができませんでした。


相談したら

「こんなこともできないの?」
と思われるんじゃないか

「みんな乗り越えてきたことだよ」
と言われるんじゃないか

というか、
みんな大変なのにこんなことを
相談しても良いんだろうか…


自分の悩みはきっと
他の人にとっては取るに足らない悩みか
悩みながらも乗り越えてきたものだと思って
我慢していたんです。

自分にとっては、間違いなく、悩みだったのに。

だから 私は
同じような悩みを抱えている先生に向けて
Instagramで発信を始めました。


本当は勤務先の職員室で
言えたら良いんだけど

私と同じように
なかなか言い出せない人がいるかもしれない。

そんな先生でも
同じ教員という職業だけど
関係性としては少し離れているSNSという場だったら
思いっきり悩みを言えるんじゃないか。

悩んでいる先生に向けて
「私も分かります、同じです」
「それ、すごくしんどいですよね」
と共感したい。

「私はこうやってみたらうまくいったから
 ひとつの参考にしてみてください」
と伝えたい。

そして
「頑張りすぎず、ぼちぼち一緒に、
 やっていきましょうね」
と励まし合いたい。


そうやって悩みを聞いているうちに
いつの間にかこんなにも大勢の方が

私のところに来て悩みを言ったり
ちょっと休憩したり
教育の楽しい話をしに来てくれたり
するようになりました。


保護者の方や教員志望の学生の方からの
メッセージも増えました。


こうやって発信を続けてわかったことは

ひとりじゃないこと
同じ悩みを抱えている人がたくさんいること

びっくりするような新しいノウハウや
とんでもなく最先端の実践
これさえやれば大丈夫!という答えは

もしかしたらこの本には
載っていないかもしれません。


だけどその分
多くの先生がきっと1回は悩んだ経験のあることが
たくさん載っている1冊になっているはずです。


しんどかった
あのときに思いを馳せながら

こうやって言ってもらいたかったな
こうすればよかったんだよな
…なんて振り返りながら書きました。


私の考え方 とらえ方
うまくいった方法が
少しでも誰かのお役に立てたら幸せです。

しんどいなと思ったときに
「しんどくてもこれなら読める」

そんな風に思ってもらえたら
最高です。



ここまで読んでくださり
ありがとうございます。


ぜひ ご自分のペースで
ご自分が読みたいと思う場所から
ゆっくりと読み進めていってください。

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