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よかったこと貯金

予定よりだいぶ遅く起きる。やばっ、と慌てて動き出す。

久しぶりにシーツと布団カバーを洗う。洗濯機がゴウンゴウンと動く間、朝食を簡単に済ませつつ来週のお弁当に必要な炊き込みごはんの準備。材料をセットして、あとは炊飯器くん、任せたよっと。

窓を開けるとひんやりした空気が入ってきた。昨日よりはやわらかい寒さ。公園のベンチに座ってるおじさんが見える。何考えてるんだろうなと思いながら、急いで掛け布団を干す。

シーツの洗濯が終わった。最近買ったくるくる干せるハンガーを使ってみる。なるほど、これはいい。省スペースだし、重ならずに干せるから早く乾きそう。

身支度をして少しだけ仕事する。このメールだけ返せばOK。ピーピー、とごはんが炊けた音がする。ふたを開けると醤油の香りがただよう。あちあち、ラップに包んで冷凍。あ、健康診断の予約もしなきゃ。電話口の担当者はとても親切だった。

やりたかった家事と用事を済ませ、予定時間ジャストに家を出た。心の中でガッツポーズ。これで美容院に間に合う。運動のため早歩きで駅に向かう。

電車に乗るとき、ベビーカーに乗った赤ちゃんと目が合う。まんまるでくりくりの目。心がほっこりした。

美容院のあるビルに着くとエレベーター前には先客がいた。一緒に乗り込むと「何階ですか?」と聞いてくれる。「あ、7階です、ありがとうございます」と急いでお礼を伝える。まだ若そうなのに、さらっと何階ですか?と聞けるの素敵だな。その女性は4階で下り、私は7階まで向かった。いつも通り、担当の美容師さんが迎えてくれる。


1日を振り返ったときに、よかったなと思うことがたくさんあるといい。

やりたかった用事がすませられた。電話をしたら丁寧に対応してもらえた。赤ちゃんと目が合ってちょっと嬉しかった。エレベーターに乗り合わせた人が親切だった。幸せと言えば大げさになってしまうような、ささいすぎるよかったこと。それを感じられる心をもちたい。

余裕がなくなると、生きることをただこなすようになる。よかったことが起きても気づけなくなる。そうするとたぶん、よくないことが起きたときにより大きく感じられる。


帰るとき、改札出たあたりで足を踏まれて一瞬ムッとしたけれど、よいこと貯金があったおかげでまあいっかと思えた。プラマイ0。いや、できれはいつも少しプラスでいられるような生き方ができたらいい。


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