見出し画像

感受性は磨いていける

もう5~6年前になるか、友達とある映画の話をしていたとき。この映画にはこういうメッセージが込められてると思うんだよね、と話したら「そんなに考えながら観たら疲れそうだね」と言われたことを、よく覚えてる。別に皮肉ではなくシンプルにそう思ったのだと思うが、ちょっぴりショックだった。

映画、ドラマ、音楽などの芸術…といってよいのかわからないけど、それらをエンターテイメントとして捉え、単に楽しいもの、息抜きやリフレッシュできるものとし、日常の中に溶け込ませることも全然いいと思う。何かを感じなきゃ、考えなきゃと思ってふれるものではない。そう思って観る映画やドラマは、とても堅苦しく感じるのだろう。

でも自然に感じてしまうこと、考えてしまうことがあれば、それは忘れずに留めておきたい。感じ考えた内容そのものというよりは、思わず感じる心、考えてしまう思考が大切なように思う。感受性と呼ばれるのだろうか。好きなシーン、好きなセリフ、好きな表情。ぐっとくる瞬間があったのなら、なぜぐっときたのだろう?と少し考えてみる。

最近「春になったら」という、奈緒さんと木梨憲武さんが主演のドラマが始まり、たまたま観ていた。3か月で結婚する娘と、3か月で死ぬ父。奈緒さん演じる娘は助産師でもあり、まさに「生」と「死」が同時に描かれる。展開自体はわりとコミカルだが、奈緒さんや木梨さんの表情からリアルさを感じられて、妙に画面に吸い込まれてしまった。

タイムリープとか、幽霊ものとかもおもしろいけれど、どちらかというと日常の中でありえそうな場面を描いているドラマの方が好きだ。一つ前のクールだと「いちばんすきな花」とか。

現実に近いシチュエーションの中で、登場人物たちの心情が繊細に描かれているものが好きなのかもしれない。自分だったらどう感じるかな、私はこう思うかもなと、自分に置きかえながら観ることができる、それがリアルを描いた作品の魅力。


冒頭の友達に言われたときの私は、ショックと同時に「堅苦しく映画を観ていたのかも、なんか恥ずかしい」と思ってしまったが、何かを感じ考える心があることは、誇りに思おう。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?