うっと

10代で母を亡くし、20代でうつになり、30代で双子を産みました。今のわたしの価値観を…

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10代で母を亡くし、20代でうつになり、30代で双子を産みました。今のわたしの価値観を作ったこれら3つの『事件』についての作文です。仕事(マクラメ教室講師、看護師、保健師)やその他のことも時々書きます。

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  • 母のことと子ども時代のこと

    夭逝した母にまつわる思い出とか、自分の子どもの頃のこととか。

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家事は、人の役に立つことを喜びとして知る第一歩

小学4年の夏休み。朝5時半に足音を立てないよう気を付けながら起きて台所に向かった。 鍋にお湯を沸かす。 豆腐を切って入れる。 乾燥わかめを入れる。 急に思い出して煮干しを2~3入れる。 味噌を入れる。 母が起きてきた。私が作った味噌汁を見てびっくりする。とても嬉しそうに笑う。 母の笑顔に満足した私は、もう味噌汁の出来不出来は気にならない。後ろで母がこっそり味を調えていたようだけど、いつものとおり妹とふざけながら朝を過ごす。 朝食の時、「ゆきこもこんなことできる

    • 10代は母親が亡くした喪失感と、20代はうつ病と、30代は双子の子育てと、向き合ってきた。40代は自分にとっての仕事と向き合い、背伸びもした。40代もそろそろ終盤、50代はどう過ごそうか。自分に選択の余地があるなら、何を見て聞いて食べて、何をするかどこに行くか。考えろ、考えろ!

      • 母の遺言の手紙

        今年の夏、久しぶりに帰省して、実家に置きっぱなしの持ち物を整理してきた。 実家の父はまだまだ元気で今年も富士山登頂を果たしたほどだが、高齢になってきたので、物を減らしたいと言われたのだ。 結婚する時、大概の不用品は処分したつもりだったが、アルバムや手紙などが残っていた。手紙の中には、母が送ってくれたものがたくさんあった。 私が小学生の頃、白血病で何度も入退院を繰り返していた母は、入院が決まるたびに、はがきをたくさん購入して病院に持ち込んでいた。そして、毎日のように四人の娘そ

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          とある路地の風景

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        家事は、人の役に立つことを喜びとして知る第一歩

        • 10代は母親が亡くした喪失感と、20代はうつ病と、30代は双子の子育てと、向き合ってきた。40代は自分にとっての仕事と向き合い、背伸びもした。40代もそろそろ終盤、50代はどう過ごそうか。自分に選択の余地があるなら、何を見て聞いて食べて、何をするかどこに行くか。考えろ、考えろ!

        • 母の遺言の手紙

        • とある路地の風景

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          上に浮いて前を見て下に沈んで前を見る。

          3日前はやったー!嬉しい!! 2日前はやるぞー!わくわく! 1日前はしまった!動揺、狼狽。 これはここ数日の私の気持ちである。 3日前、とても嬉しいことがあった。今年の地元の美術展入賞の報せが届いたのだ。今まで何回も挑戦しては落選して、ようやく入選できたと思ったら賞までもらえた。 「材料費びっくりするほどかかってるのに、何にもならなかったらトイレットペーパー以下や!(お尻を拭くことすらできないから)」と大声で独り言を言いながら自分を追い込み、家事は最小限しかしないで家族を

          上に浮いて前を見て下に沈んで前を見る。

          あゝ青春の正しい夏

          先日読んだ本の後書きに「正しい夏」という言葉が出てきた。 それを見てふと思い出した、高校一年の夏休み。あれこそわたしにとっての正しい夏だったと思う。 高校生の時、私は吹奏楽部に所属していた。 吹奏楽経験者ならお分かりと思うが、吹奏楽部にとって夏はコンクールの季節である。 また、私の入学した高校の吹奏楽部は、夏に市内の歴史あるホールを借り切って、コンサートもしていた。 一学期はテスト勉強そっちのけでコンサート曲の練習に明け暮れる。夏休みに入ってすぐコンサートがあり、それからよ

          あゝ青春の正しい夏

          読み聞かせの温もりを胸の奥に

          生まれる前から続けてきた寝る前の読み聞かせが、中2の夏、唐突に終わってしまった。 中学生になっても寝床に入ってからの15分間は読み聞かせタイムだった。以前、もう読まなくていいんちゃう?と聞いた時は、「自分で読むのと聞くとでは違うんだよ。聞く方が物語の世界をイメージするのに集中できるんだよ」と言われた。 それなら「もういいや」と言われるまでとことん付き合おうと決めていた。 ところが、中2になって勉強が難しくなり、テスト範囲も広くなって、1年生の時よりテスト勉強に時間がかかる

          読み聞かせの温もりを胸の奥に

          「逃げるのは恥じゃないし、悪いことじゃない。悪いのは逃げ続けること。ダメだと思ったら一旦逃げて、態勢を立て直してまた頑張ってみればいいと思う。」息子に言われた言葉が、今のわたしに沁みる。

          「逃げるのは恥じゃないし、悪いことじゃない。悪いのは逃げ続けること。ダメだと思ったら一旦逃げて、態勢を立て直してまた頑張ってみればいいと思う。」息子に言われた言葉が、今のわたしに沁みる。

          結論:面倒なのはマスクではなくコンプレックスを乗り越えること

          最近、マスク着用についての政府見解が発表された。 マスクが苦手な方にとっては朗報だろうし、これから暑くなるから熱中症も心配だ。政府見解として『マスクを着用する必要のない場面』を明確にするのは、望ましいメッセージだと感じた。 けれど私にとっては望ましくない、というのが本音。ずっと堂々とマスクをしていたい。理由はふたつある。 ひとつは歯。 歯並びの悪さにずっとコンプレックスがあり、どんなに楽しくても人前で笑うのが嫌だった。だが、マスクをしていれば人前で思いっきり笑顔になれる

          結論:面倒なのはマスクではなくコンプレックスを乗り越えること

          ふたご育児は大変なのか?

          私は双子の母親だ。今は成長してほとんど手がかからないが、幼児期の双子の子育ては本当に大変だった。大変というか地獄だった。私の経験の中では、12歳で母親と死に別れるより、うつで10年闘病するよりも、双子育児は辛かった。 けれど、なかなか世の中には多胎(双子・三つ子など)育児の大変さ、というのは分かってもらえていない。 乳児期なら哺乳・おむつ交換などの作業の、多いこと多いこと。家事に手が回らないどころか、自分の食事すらままならない。 2人だから2倍大変というような単純な話ではな

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          平和な世界の訪れが今すぐでないのなら

          ウクライナの惨状が伝えられる度に居ても立ってもいられなくなり、マクラメアクセサリーを販売して売上を寄付するチャリティーを始めた。 始めるとすぐに反響があった。実際に購入してもらえたり、友人がSNS等で紹介してくれたり、応援してるよとメッセージをもらえた。 ウクライナの状況に胸を痛め、支援したいと思っているのは私だけじゃなかった。この企画をきっかけに声をかけてくれた人たちは、「何かできないかな」「何かしたいな」と前から思っていたのだろう。 私と同じように感じている人はきっと

          平和な世界の訪れが今すぐでないのなら

          平和のためわたしにできること

          看護師を目指したきっかけは、小学校の社会の資料集にあった青年海外協力隊の記事と、同時期に見たエチオピア大飢饉のニュースだった。 たまたま私は生まれた国が日本だったから、清潔な服を着て、安全な食事ができ、安心して眠れる家があり、勉強もできる。 でも、たまたまエチオピアに生まれた子どもたちは、カエルのように膨れた腹と小枝のように細い手足で、顔にたかるハエを追い払う力もなく、地面に横たわっている。 この、私とエチオピアの子どもたちの天と地ほどの差が生まれた唯一の理由は、『たまたま

          平和のためわたしにできること

          マクラメのネガティブな側面を考えてたら人生論になった

          私はマクラメ教室の先生なので、「マクラメは楽しいよ」「マクラメは没頭できてストレス解消になるよ」と言っている。 *私の教室のホームページより *noteの記事より なので今日は敢えてマクラメにおけるネガティブな側面を書いてみたい。 ひもの長さが分からないマクラメは、最初にひもを切る作業から始まる。どんな結び方でどんな模様を結び、完成時の長さになるかを想定して、ひもの長さを計算し、切る。 つまり結び始め前に完成図が思い描けなければ材料の準備もできないというわけだ。 そ

          マクラメのネガティブな側面を考えてたら人生論になった

          イヤホンの思い出や喜びや

          大事な話をよく聞き逃すのは耳のせいなのだろうか。 私はどうやら耳の穴が小さいらしいのだ。 カナル型のイヤホンはSサイズでもすぐ落ちてしまう。イヤーピースを低反発素材のものに変えてみたり、羽のような部品を付けて耳介にひっかかるようにしたり、いろいろな工夫をしても落ちる。 落ちそうになる度押し込むのだが、頻繁なので本当に煩わしい。 夫はカナル型のLサイズのイヤーピースがばっちり入る大きな耳を持っている。どうりで子どもたちのつぶやきや質問を聞き逃さないわけである。 夫は昔からイヤ

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          誕生日に欲しいもの

          今日、誕生日を迎えた。 今年は日曜日だからゆっくり過ごせるということで、イベント事にまめではない夫もさすがに何もしないわけにはいかないのか、数日前から「何が欲しい?」「どっか行きたいとこないの?」と気遣ってくれた。 言われて、返事を考えるが止まってしまう。 欲しいものがない。 アクセサリー、服、靴、バッグ、その他装身具の一切に興味がないし、化粧品など言わずもがなだ。食への興味ももともと薄く、外食やおいしいケーキ屋さんに行きたい気もしない。美味しいお酒を飲みたい気もするが、弱

          誕生日に欲しいもの