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始まりの時

すでにご存知の方もいると思うが、中学時代、私はいじめられっ子だった。
教科書は落書きだらけのボロボロ、校庭の真ん中でパンツを下されたこともあり、左腕には刺された鉛筆の芯がいまだに残っている。

そんな地元から抜け出したくて、高校は家から一時間以上かかる所を選んだ。
髪を伸ばし、メガネをコンタクトにした。
いわゆる高校デビューというやつだ。

ここで私は、初めて男女の関係を知ることになった。

この話は、私のダメ男遍歴が始まる前の序章である。
さして面白い話でもないが、この頃から、カスを発掘する才能には長けていたなと思う。

自分への戒めの意味も込めて、記しておこう。


高校デビューは概ね成功していた。
仲の良い友人も出来、容姿を褒められる事もあった。

だが、もともとが根暗のいじめられっ子なので、男子とはほぼ喋った経験が無く、そこはどうしてもハードルが高かった。

そんな私にもフランクに話しかけてくれた、いつも明るいA君。
憧れが、いつしか恋心に変わっていたが、もちろん何が出来るわけでもなく、影から眺めていた。

しばらくして、彼に彼女ができてしまった。
花柄のワンピースを好みそうな、とても可愛らしい女の子。
悲しかったが、特にやることは変わらず、影から眺めていた。(←ストーカーw)

すると、熱い視線が伝わったのか、ある日突然、向こうから口説かれた。
愛の囁きなど無かったが、修学旅行中に押し倒されたのだ。(←この時点でカス)

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