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◯◯事件

ある夜のこと。

パジャマに着替えベッドに潜り込み「さぁ寝よう」としていた所で、彼から電話がかかってきた。

『今から来いよ』

基本的に私は、こういう男のワガママが嫌いではない。
嫌いではないが、この日は疲れていたし、もうコチラは寝る準備万端の体制である。

正直めんどくさかったので、一応抵抗はした。

「いや、今日はもう疲れてるし…眠いし…明日も仕事だし…」
『いいから来いよ。寝れないんだよ。つき合えよ。早く起きろよ。ほら早く。』

一度言い出したら、とにかくしつこい男でもあった。

根負けして起き上がり、着替え直し、徒歩15分ほどの暗い夜道を女一人でトボトボと歩いた。

一応断っておくが、私は決して意気揚々と向かっていたわけではない。
「彼に会えることが幸せ❤️」とか思うような時代はとうに終わっていたし、彼の存在そのものに疲れていた。

この日も普通にめんどくさかった。

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