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猿田毘古と天宇受売 音楽と機と暗号

古事記では、猿田毘古と天宇受売が猿女君に変化する話が挿入されている。

これがまた不思議な話で、
猿田毘古は比良夫貝に手を挟まれて海に沈み溺れる。
底に沈む時の名が底度久御魂
海水の粒立つ時の名が都夫多都御魂
泡さく時の名が阿和佐久御魂
という。

猿田毘古を送った天宇受売は、ハタの広物狭物を追い集めて、天津神の御子に仕えるかどうか尋ねる。
海鼠だけが返事しなかったため、天宇受売に口を切られ、そのため海鼠の口が裂けたという。
こうして御世御世島の速贄奉る時に猿女君に給うとある。
全く意味不明な話であるが、これを音律の誕生の話とすれば、納得いく話になる。

三分損益法
三分損一、および三分益一と呼ばれる方法を組み合わせて音階を得る方法である。

三分損益法は古代の中国で考案された。
『史記』25巻「律書第三」に「律數 九九八十一以為宮 三分去一 五十四以為徵 三分益一 七十二以為商 三分去一 四十八以為羽 三分益一 六十四以為角」
とある。

音楽とは数学である。
故に、計算で導き出される。
9×9=81(宮)から3分の1を捨てて54(徴)、その3分の1を足して72(商)、その3分の1を捨てて48(羽)、その3分の1を足して64(角)となす。
宮、徴、商、羽、角
この五音を司るのが、天宇受売。
こと座ベガ(織姫)の弦の象徴である。

その音から猿田毘古が音律を作る。

比良夫貝は、比率良い音階(音と夫を掛けている)
12律の誕生である。

猿田毘古は、牛飼い座アルクトゥルス。
北斗七星の柄を伸ばした先にある。
北斗七星は天津日子。
よって北斗七星を導く神である。
また、アルクトゥルスは、春の目印となる重要な星でもある。毘古なので、農事暦である。

何度か書いているが、古代中国神話の黄帝はアルクトゥルスを示すと考えている。
この12律が作られたのは、黄帝の頃と言われる。
12律は、黄鐘、大呂、太簇、夾鐘、姑洗、仲呂、蕤賓、林鐘、夷則、南呂、無射、応鐘に分けられる。
基音を長さ9寸(約27センチ)の律管の音とする。

四三星と言われる北斗七星の4対3の比率を導き出したのが、この12律の原理にあるのではないかと思う。
12律は、ピタゴラス音律と同等のものである。
3対4対5の直角三角形の比率が、御魂となる。

天宇受売が集めたハタ(機)は、縦糸(弦)の数により様々な音色を奏でる。
海鼠(コ)は白さず、口を切られた。

海鼠は、コと読まれる訳がある。
コは鼓。リズム、拍をとる。
縦糸の数を調整する。また、張りを調整し、響きを作る。
海鼠は沢山の糸を吐き出す生物である。
機に縦糸を張り巡らせる間口を広げた。
杼口を広くして様々な織り方ができるようにした。
織物のパターンの幅が広くなった。
さらに、9智割くも引っ掛けられており、
秘匿の数秘技術を北斗七星に与えた。

御世、御世、34、34は3対4を見よ(もしくは34(5)隠れた5をみよ)5を御せ。5を上手く活用せよ。

島の速贄献る時に猿女君等らに給う
4間の羽屋二重(5音の4番羽=48は二重 羽は西の方角)
24(西)の情報は羽二重にして厳重に猿女君等に知らせた。
織物から考案された音楽のパターンは暗号化された情報となった。
猿楽の拍を、裏拍をみろ。











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