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【グラジオラスの花束 〜心の影絵〜「山下瞳月編」】1話


「ごめん.....瞳月重いよ」

フラれた。
重いって何?大切にしちゃダメなの?
もう分かんないよ.....。

「あの〜.....大丈夫?」
「え.....?」
「いや涙....」
「.....うそ、ごめんなさい」
「ハンカチどうぞ」
「ありがとうございます.....」
「一応聞くけど....何があったの?」
「あ、いや.....全然話すような事じゃ.....」
「ふふ笑 そうだよね笑 初対面だもんね笑」
「.......」
「いっつも自分、ここに来たらそこの席に座ってて、見たら泣いてる子居たから流石に気になって」
「そうだったんですね.....」
「そのペン、櫻学の2年だよね?自分は3年の幸村って言います」
「山下です」
「山下さん?......あぁ!ダンス部の!」
「そう....ですけど....?」
「今度、キミに表彰状渡す生徒会長です🙂」
「あぁそういう事か!」
「ん?なにが?」
「いや見たことあるなって....笑」
「あ、やっと笑ってくれた」
「え?」
「どうせ関わったならみんなに笑顔になってほしくて」
「.....素敵ですね」
「あ、違う違う!なんかカッコつけみたいになっちゃったね笑」
「そんなことないですよ笑笑」

そこから不思議と色んな気持ちを忘れて話すことができた。
これがこの人の魅力なんだってすぐに気付いてしまった時にはきっと既に.....。

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「すみません!お待たせしました」
「全然!読んでる本が良い感じの所だったからむしろもうちょい遅くても良かったくらい笑」
「そうですか笑」
「そういえばこの前ペン忘れてたよって店員さんが」
「ありがとうございます」
「....なんか高そうなペンだね。プレゼント?」
「あぁ.....はい....元彼の.....」
「3ヶ月経つけどやっぱりまだ引きずるよねぇ....」
「いや!引きずってはないんですが....なんか捨てられなくて」
「次の好きな人がプレゼントしてくれることを祈るか....笑」
「好きな人かぁ」
「この人良いなぁとかなんとな〜く思ってる人居ないの?」
「私、人見知りで女の子の友達も....それに中身を好きになるタイプなのでそういうのあんまりなくて.....笑」
「たまたま元彼が話しかけてくれるタイプだったんだね」
「はい....今はもう先輩くらいしか話す人居ないんです....」
「ゴホッ.....え!?そうなの?」
「ちょっと大丈夫ですか?笑笑」
「だから毎週金曜日カフェに来れてるのか....」
「あれ...もしかして先輩も友達少なかったりします....?笑」
「ご明察....笑  生徒会長してるとたぶん近寄り難いみたいで」
「でも前、屋上で誰かと話してなかったですか?」
「あ〜....その子が前話した好きな子だね」
「藤吉さんでしたっけ?」
「うん、唯一普通に話してくれる子で....たぶん自分が生徒会長なの知らないんじゃないかな?笑」
「そんなことあります?笑 毎月1回朝礼で話してますよね?」
「藤吉の事見つけられたことないんだよね....笑」
「........サボり?」
「笑笑  もしかしたら屋上に居るのかも笑」
「あ〜いいな〜しーも先輩の事好きになろうかな〜」
「藤吉?笑」
「ううん、幸村先輩」
「なに〜?からかってるの?笑」
「本気って言ったらどうしますか?」

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