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【日記】夢を見た

(1587文字)

夢を見た。

ボクは朝食時に、ある家族の家にいた。
家族構成は、ショートカットで気が強そうな30代くらいの母親と、反して気の弱そうな父親。そして5歳くらいの女の子。
日本人に見えるが、どこか日本ではなさそう。部屋はきれいだけど質素で、壁はクロスではなく白いペンキで塗られているようで、硬質な印象。韓国か中国か。それともパラレルワールドなのか。
父親が朝食の用意をしている。しかしどうも覚束ない。
冷凍庫からソーセージを取り出し、お湯を沸かした鍋に入れる。
あと、何を用意したら良いか悩んでいる様子で、冷蔵庫を開けたり、棚をのぞいたりと落ち着かない。
母親がその様子を見て、パンがあるからあとは玉子を焼いてくれれば良いと優しく言う。そしてボクの方を向き、
「ごめんなさい、何もなくて」
と申し訳なさそうに、そして寂しそうに笑う。娘は母親の隣で大人しくしている。
ボクがなぜこの家にいるのかはわからない。だけど、お客さんとして扱われていて、なんとなく、父親ではなく、母親が知り合いのような感じがする。

ボクは家族に連れられてお祭りに出かけた。
何の祭りかは分からないけれど、日本のお祭りと変わりがないような露店が並んでいる。
その露店を眺めて歩くが、女の子は何かをねだることはない。ただ、なにかの装飾がついた赤いおもちゃのメガネに見入っている。
欲しいのかなと思ったが、母親に「行くよ」と促されると、大人しく両親の元に戻って歩き出す。
家族ははしゃぐでもなく静かに歩いていく。何も買う様子はない。なんとなく、裕福ではない様子が伺える。

夜になって、夫婦の知り合いらしき店で食事をした。店はお祭り会場のそばにあるようで、始まった花火がよく見えた。
ずっと大人しくしてい女の子に、ボクは「何か欲しいものがあったら、ひとつだけおじさんが買ってあげるよ」と言うと、女の子は本当に良いのかという不安そうな顔をしたので、「大丈夫だよ」と言うと、嬉しそうに笑った。
それから母親と女の子はもう一度お祭り会場に出かけ、ボクと父親が残された。
少しして、父親が話しだす。
「実は、今、仕事がないんです。私と彼女は大学時代に知り合ったんですが、私は大学を中退しました。この国は学歴が全てで、大学を卒業しないと良い仕事には就けません。彼女は卒業したので良い仕事に就いていますが、私は小さな工場に就職して、そこが倒産したので今は仕事がありません」
ボクはただ黙って聞いているしかない。
「彼女は怒ることもなっく、仕方がないと言ってくれますが、申し訳ないです」
「それなら、日本に来たらどうですか?ボクの家に貸せる部屋もあります」
「日本なら仕事はあるでしょうけど、家族を置いていくわけにも行きませんし、彼女に仕事を辞めて、みんなで日本に行こうとも言えません」
ボクは無責任な思いつきでそう言った自分を恥じると同時に、閉塞感に苦しむ父親の姿にいたたまれない気持ちになった。そして、何もできないことが悔しかった。

「あの子がいないの」
ボクたちが話しているところに母親が戻ってきた。どうやら女の子とはぐれたらしい。
ボクたちはすぐに立ち上がって探しに行こうとすると、知らない女性が女の子を連れてきた。女の子は何か光るものを手に持っている。
連れてきた女性は、この子がこれを買いたいと言うので、お金を払って欲しいと言う。
女の子はボクのところに来て、手に持っていたものを見せた。
それは、金色に輝く流し雛のような人形で、現代的なおもちゃではないところに、ボクはなんだか嬉しくなった。
そして、連れてきた女性が言う額を払おうとしたが、財布を開けると見たことがない札が入っている。何がいくらなのか分からないので、母親にその財布から払ってもらった。

そこで目が覚めた。
妙にリアルな夢だった。
あれだけリアルな夢だと、本当にあったことのような気がしてしまう。

誰か夢判断してくれないかな。

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