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【山あそび】春を探して里山歩き

(1460文字)
昨日は友達と4人で里山歩き。
この時期の花の山で知られている山形県の高館山・八森山に登ってきた。
どちらも標高300mに満たない山で、登山というよりお花見ハイキング。

まずは大山公園になっている城跡に登って下池を眺める。


なるほど、ここに城があったわけですね。
何も予習してなかったけど、高館山という名前から想像できたな。
城といっても戦国時代の豪族の城。
天守閣があるわけでもなく本丸に館があった。
そしてここもご多分に漏れず、本丸跡は神社になっている。

しばらく大山公園を歩いて登山道へ。
するとすぐにキクザキイチゲやカタクリの花が出迎えてくれる。

キクザキイチゲ


カタクリ

その間にナガハシスミレも賑やかさを加えている。

ナガハシスミレ

まだまだ高い山は真っ白だけど、ここはもう春だねと話しながら歩いていると、間も無く今日の目的であるオオミスミソウが咲いていた。

オオミスミソウ

ミスミソウは別名雪割草で、その名の通り雪解けの頃に咲く花。
日本海側のミスミソウは比較的大きいのでオオミスミソウと区別されているようだ。
雪の多い日本海側では、植物が大きく変化しやすい。これは気候や雪の量に植物が対応しているのでしょうね。
この時期の花では、イワウチワも日本海側ではオオイワウチワと言われる。
ブナ木の葉も日本海側の方が大きい。

登山道脇はカタクリやキクザキイチゲの花畑
オトメエンゴサク
ショウジョウバカマ
ニリンソウ


登山道をのんびり歩いていくと、旧国道112号線に出る。
使われなくなったアスファルトを少し歩き、古道を歩いてみる。
崩れた廃屋が何軒かあり、地蔵堂や水場が残されていた。
そこから戻って湯殿山碑から加茂古道に入る。

湯殿山碑


加茂古道は江戸末期に鉄門海上人が開削して、明治四年に鉄竜海上人が遺志を次いで整備した道(両上人ともに即身仏となっている)。
そして数年前に地元の有志の方々によって整備されたらしい。

九十九折の急登を凌いで峠付近に近づくと開削されたのが良くわかる道幅になっている。

開削された古道


説明板を読みながら、峠からは古道を外れて尾根筋の稜線歩きで八森山へ。

里山らしい稜線歩き

この辺りは特に花が咲いているわけではないけど、気持ちの良い稜線歩きが楽しめる。

キクバオウレンが咲いていた


汗をかきながら最後の上りを頑張って八森山頂上。ここで昼食。
昨日の夕方に突然決まった山行なのに、ケーキを焼いてきてくれた。
ありがたく2切れペロリ。

ごちそうさま

のんびり休憩して、次の高館山へ。
山頂から少し降るとすぐにオオミスミソウの群生地。

オオミスミソウ
オオミスミソウはいろいろな色がある

ここのオオミスミソウは下に比べてやや小ぶり。それならミスミソウで良いのではと思うけど、この辺りの植物の分類というのはどういう感覚なんだろうな。
オオミスミソウをじっくり楽しんで、再び歩き出す。
最後の上りは沢地形の脇で、ここもカタクリとキクザキイチゲの花畑。

花畑を歩く

足元を楽しみながら高館山頂上に到着。ここは電波塔になっているので、山形の各テレビ局のアンテナが乱立している。中でもNHKは二本立てていて、格の違いを見せつけているようだった。

NHKですから

高館山の頂上には螺旋階段の展望塔がある。
ザックを置いてぐるぐると登っていくと予想以上の大展望。

展望塔
湯の浜温泉からの海岸線と鳥海山
加茂水族館
月山

眼下には日本海の海岸。クラゲで有名な加茂水族館も見える。
朝は雲に隠れていた鳥海山、月山もすっかり顔を見せていた。
最後にこの大展望はクライマックスに相応しかった。
あとはのんびり下山。

この日はたくさんの花に出会えた。
コシノカンアオイやイワウチワもどこかに咲いていたと思うけど、ボクたちには見つけられなかった。
それでも歴史に触れ、花を眺め、充分に春の山を楽しめた。
メンバーもみんな満足できた山行だった。
いつもは1人で山と自分に向き合うようなスタイルが多いけど、友達とのんびり楽しむ山も、また別の楽しみがある。
山の楽しみ方はひとつじゃないなと改めて感じることができた。

八森山と高館山

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