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仁平幸春の考え

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制作に関する考え、その他雑感を綴っております
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記事一覧

軽井沢の室生犀星記念館に行きました

先日、ずっと行きたかった詩人・小説家の室生犀星の軽井沢の別荘だった「室生犀星記念館」に妻…

美しい道具は、用途を知っていても知らなくても美しい

シビアな職人仕事の何かの用途に使われる道具は、非常に魅力的な形をしています。色気すら感じ…

機械でやった方が良いものは機械でやった方が良い

手でやっていたものが、機械でもっと精度高く出来るようになった、そして完成度の高いものが大…

本阿弥光悦の大宇宙展へ行った

もう終わってしまった展示ですが東京国立博物館の「特別展 本阿弥光悦の大宇宙」へ行って来ま…

国立新美術館のマティス展に行きました。とても良かったです。

2023年の東京都美術館でのマティス展は本当に素晴らしい展示会でしたが、今回行きました2024年…

伝統は資源

日本では、水と安全と環境が豊か過ぎて、生まれる前からそれが当たり前にあり、今後もそれが自…

伝統工芸において明治以降の偉いとされている人ばかりを参考にしても伝統から学んだ事にならないですよね

私は、染の着物や帯の文様染色の製造卸販売をメインの生業にしております。ですので東京在住の私は東京国立博物館の常設展に良く行きます。工房構成員には年パスを配布します。工房を東博の隣にしたいぐらいに、それは身近であり、その収蔵物はある意味師匠であり、それを制作した人々に同志という感覚を持ちます。 しかし、私よりも年長の模様師たち(和装の文様を加工する職人)・・・いや同世代や年下の人たちもそうですが、模様師だけでなく和装制作系の全般、いや呉服業界全般か・・・大手美術団体系の展示会

伝統文化界隈こそ、未来への投資が必要

伝統文化界隈は、過去にばかり目が行きがちですが、むしろ常に未来を考え投資しなければ衰退し…

同じ業界でも他業種だと事情がまるで違う事もあり、社会からの影響も時差があるものな…

同じ業界でも、業界内の分野によってまるで違う事がありますから、その仕事のスペシャリスト程…

映画「PERFECT DAYS」を観たです

先日、妻と最近評判の映画「PERFECT DAYS」を観に行きました。 結論から言うと、私は好きな映…

今、現代美術とされている分野はゲームに似ていると思う

普通一般の人々が思い浮かべる「現代美術」というものは、その時代の「前衛」のような、まだ形…

一部の欲深い人によって全体が損をする

以前、当工房でも染色教室を単発的にやった事がありまして、それは結局、プロの制作現場に生徒…

工芸系作家も職人もちゃんとしないと

作家だからどうとか、職人だからどうとか、そういう事は関係なく、ちゃんとした仕事をするべき…

私は伝統〇〇と言われているものは取りあえず怪みます

当たり前の話が当たり前に把握されていないのが、いわゆる伝統界隈の世界だと私は把握しております。それを理解する事は大切だと思うのですが、むしろあえて事実を観ずに皆で作り話を楽しんでいるように感じられる事が多いです。そう書いている私自身も自覚無く事実を曖昧にする事で楽しんでいる事が沢山あると思います。 日本の伝統モノは、変な「伝説」「おとぎ話」が多く、意外にそれを事実と信じてしまっている人が多いように感じます。それぐらい矛盾に満ちているんですね。 例えば数百年続いていると自称