仁平 幸春|アーティスト

フォリア代表。東京で染色品(主に和装)と絵画の制作・販売を行っております。このnote…

仁平 幸春|アーティスト

フォリア代表。東京で染色品(主に和装)と絵画の制作・販売を行っております。このnoteはサイトの文章置き場に使っております。【同じテーマや内容を違う言い方をして何度も書く】ことが多いです。アート/工芸/料理の話題が多め【サイト→ https://foglia.jp

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記事一覧

軽井沢の室生犀星記念館に行きました

先日、ずっと行きたかった詩人・小説家の室生犀星の軽井沢の別荘だった「室生犀星記念館」に妻と行って来ました。(下リンク) 旅行というものを計画する能力が完全に欠落…

美しい道具は、用途を知っていても知らなくても美しい

シビアな職人仕事の何かの用途に使われる道具は、非常に魅力的な形をしています。色気すら感じます。使い込まれたものなら、それはまるで生き物のようです 例えば、手術の…

機械でやった方が良いものは機械でやった方が良い

手でやっていたものが、機械でもっと精度高く出来るようになった、そして完成度の高いものが大量生産出来るようになり、価格が下がって社会の人々が幸福になった、めでたし…

本阿弥光悦の大宇宙展へ行った

もう終わってしまった展示ですが東京国立博物館の「特別展 本阿弥光悦の大宇宙」へ行って来ました。 いやあ、本当に素晴らしく、感心・感動いしました。 光悦にまつわる…

国立新美術館のマティス展に行きました。とても良かったです。

2023年の東京都美術館でのマティス展は本当に素晴らしい展示会でしたが、今回行きました2024年国立新美術館で開催の「マティス・自由なフォルム」展も同じぐらい良かったで…

伝統は資源

日本では、水と安全と環境が豊か過ぎて、生まれる前からそれが当たり前にあり、今後もそれが自然にたっぷりと湧いて出て来るのだと思っている人が多いと言われておりますね…

2024年4月・たけのこ炊いた

先日、タケノコを炊きました 以前、このnoteに紹介した方法です 今年は、下記リンクで新しく知った「植物油を使ってアク抜きをする方法」を試しましたが、それはとても上…

2024年の桜写真【昼の部】

先日投稿しました上リンクの「夜の桜写真」の次は、昼の桜写真です。 桜だけでなく、椿やシャガの花の写真やその他の写真も入っています。 (画像クリックで拡大します) …

2024年の桜写真【夜の部】

私は桜花の花粉アレルギーなので、ここ数年は桜が満開の頃には近寄らないようにしていたのですが、今年は久々に撮影してみました。こちらは、夜に撮ったものだけまとめて投…

伝統工芸において明治以降の偉いとされている人ばかりを参考にしても伝統から学んだ事にならないですよね

私は、染の着物や帯の文様染色の製造卸販売をメインの生業にしております。ですので東京在住の私は東京国立博物館の常設展に良く行きます。工房構成員には年パスを配布しま…

伝統文化界隈こそ、未来への投資が必要

伝統文化界隈は、過去にばかり目が行きがちですが、むしろ常に未来を考え投資しなければ衰退します 特に未来の人材育成に投資していなければなりません。文化は人がつくる…

干しデーツを研究

半年ぐらい前から、急にナッツ類やドライフルーツ類を色々購入し試す趣味に目覚めまして、それで「そうだデーツを買ってみよう」となった次第です。 ナッツ類やドライフル…

同じ業界でも他業種だと事情がまるで違う事もあり、社会からの影響も時差があるものなので、詳しい人程、他業種の事に知った口を…

同じ業界でも、業界内の分野によってまるで違う事がありますから、その仕事のスペシャリスト程、同じ業界であっても他業種の事を偉そうに意見する事はしませんよね。 例え…

化学染料と天然染料のどちらも、ただの染料ですよ

このnoteで繰り返し書いている事ですが・・・ 当工房は生業としては和装染色品の製造卸販売をメインにしておりますので色々な種類の染料や顔料を使って仕事をします。 染…

旨いにA級もB級も無い

私は若い頃、有名イタリア料理店におりまして、それなりに仕事を任されストーブ前で良い汗をかいていた時期がありました。 そのお店での賄いは基本的にイタリア料理でした…

映画「PERFECT DAYS」を観たです

先日、妻と最近評判の映画「PERFECT DAYS」を観に行きました。 結論から言うと、私は好きな映画でした。 以下、雑感の寄せ集めです。 * * * * * * * * …

軽井沢の室生犀星記念館に行きました

先日、ずっと行きたかった詩人・小説家の室生犀星の軽井沢の別荘だった「室生犀星記念館」に妻と行って来ました。(下リンク) 旅行というものを計画する能力が完全に欠落して私ですので、妻に計画を立ててもらいました。笑 私は文学青年でも何でもない人間ですが、嵐山光三郎さんの本の「文人暴食」という本に取り上げられていた事で室生犀星を知り、興味を持って著作を読むようになりました。三十代半ばでやっと知ったのです。 ちなみにこの「文人暴食」は「文人悪食」という本の続編で、日本の有名文士た

美しい道具は、用途を知っていても知らなくても美しい

シビアな職人仕事の何かの用途に使われる道具は、非常に魅力的な形をしています。色気すら感じます。使い込まれたものなら、それはまるで生き物のようです 例えば、手術のための道具や、特殊な加工のための道具、危険と背中合わせの作業をするための道具、その他その他・・・ その具体的な用途が分からなくても、その造形の美しさに心はざわめき惹かれます その道具を美しいと感じるも、用途が分からなければ、それは道具ではなく造形物として美しいと感じている事になります それは道具とか芸術作品だと

機械でやった方が良いものは機械でやった方が良い

手でやっていたものが、機械でもっと精度高く出来るようになった、そして完成度の高いものが大量生産出来るようになり、価格が下がって社会の人々が幸福になった、めでたし。 しかし、それまで手作りでそれを生産していた人たちと、その技術は淘汰されてしまった。 ・・・私自身は手作り品を生産/販売する事を生業としているのですが、それで何も問題無いと考えております。伝統工芸品の分野においても手作りだから本物なんて考えは全くありません。 以前「良い」とされていたものが、もっと良いものが出て

本阿弥光悦の大宇宙展へ行った

もう終わってしまった展示ですが東京国立博物館の「特別展 本阿弥光悦の大宇宙」へ行って来ました。 いやあ、本当に素晴らしく、感心・感動いしました。 光悦にまつわる色々な事を網羅した展示会でした。正に「光悦の大宇宙」でした。 細かい解説は上記展示会のリンクでご確認いただくとして・・・ 書、漆器、刀剣、茶陶はもちろん、光悦本人の事だけでなく、本阿弥家の歴史や教育方針などにも触れられていて、最高度の文化的素養を伝承する事の大変さが感じられました。ただ子孫である理由で世襲しただ

国立新美術館のマティス展に行きました。とても良かったです。

2023年の東京都美術館でのマティス展は本当に素晴らしい展示会でしたが、今回行きました2024年国立新美術館で開催の「マティス・自由なフォルム」展も同じぐらい良かったです。(以下、その情報リンクです) 2024年2月14日(水) ~ 2024年5月27日(月)まで開催しておりますので、この記事が公開された時点では(4/29)まだ間に合います。マティスがお好きな方はもちろん、それ程興味の無い方であっても、個人的に強くオススメしたい展示会であります。 以下のリンクは去年の東京

伝統は資源

日本では、水と安全と環境が豊か過ぎて、生まれる前からそれが当たり前にあり、今後もそれが自然にたっぷりと湧いて出て来るのだと思っている人が多いと言われておりますね。 日本の豊かな伝統もそうです。 それらは、先人たちが作り上げてくれた「資源」です。 それらは今も実生活を豊かにし、人々の社会生活と文化レベルを底上げするものですが、何もしなければ途絶えてしまうのは当然です。しかし、人々に危機感はありません。それらは生まれた時から充分にあり、それがあるのが当たり前だから未来も当た

2024年4月・たけのこ炊いた

先日、タケノコを炊きました 以前、このnoteに紹介した方法です 今年は、下記リンクで新しく知った「植物油を使ってアク抜きをする方法」を試しましたが、それはとても上手く行きました。今後はこの方法で行こうと思いました。 この方法でやると、タケノコの香りがとても良く立ち、灰汁は抜けても味は殆ど抜けずに仕上がります。私は「米油」を使いました。米油は、少し甘い香りがし、味は旨味とほんのりした甘みがあり、揚げ物に使っても加熱による劣化が少なくウチでは愛用しています。最近、こなれた

2024年の桜写真【昼の部】

先日投稿しました上リンクの「夜の桜写真」の次は、昼の桜写真です。 桜だけでなく、椿やシャガの花の写真やその他の写真も入っています。 (画像クリックで拡大します) * * * * * * * * * *  以上です。

2024年の桜写真【夜の部】

私は桜花の花粉アレルギーなので、ここ数年は桜が満開の頃には近寄らないようにしていたのですが、今年は久々に撮影してみました。こちらは、夜に撮ったものだけまとめて投稿しました。(画像クリックで拡大します) 以下リンクは【昼の部】です。 * * * * * * * * * *  * * * * * * * * * *  以上です。

伝統工芸において明治以降の偉いとされている人ばかりを参考にしても伝統から学んだ事にならないですよね

私は、染の着物や帯の文様染色の製造卸販売をメインの生業にしております。ですので東京在住の私は東京国立博物館の常設展に良く行きます。工房構成員には年パスを配布します。工房を東博の隣にしたいぐらいに、それは身近であり、その収蔵物はある意味師匠であり、それを制作した人々に同志という感覚を持ちます。 しかし、私よりも年長の模様師たち(和装の文様を加工する職人)・・・いや同世代や年下の人たちもそうですが、模様師だけでなく和装制作系の全般、いや呉服業界全般か・・・大手美術団体系の展示会

伝統文化界隈こそ、未来への投資が必要

伝統文化界隈は、過去にばかり目が行きがちですが、むしろ常に未来を考え投資しなければ衰退します 特に未来の人材育成に投資していなければなりません。文化は人がつくるからです。モノや資料だけ残しても、それは命の無い人形のようなものに過ぎません 「過去の人たちの行動の結果が“今”」というのが、文化の構造です 特に伝統文化系は深度が深いので、身につけなければならない技術や知識が多く、かつ精度を求められるので、一人前になるまでに時間がかかる事からその構造の結果が色濃く出ます です

干しデーツを研究

半年ぐらい前から、急にナッツ類やドライフルーツ類を色々購入し試す趣味に目覚めまして、それで「そうだデーツを買ってみよう」となった次第です。 ナッツ類やドライフルーツ類の業界は研究熱心な方々がおられるようで、ネット通販のサイトの内容がとても詳しく面白く、勉強になります。 干したデーツは、中近東あたりで良く食されているようですね。 以前から気になっていたものの、ナゼか手を出した事が無かったのですが、数ヶ月前に初めて試してみました。 初めて食べたのは、以下の写真の向かって左

同じ業界でも他業種だと事情がまるで違う事もあり、社会からの影響も時差があるものなので、詳しい人程、他業種の事に知った口を利かないですよね

同じ業界でも、業界内の分野によってまるで違う事がありますから、その仕事のスペシャリスト程、同じ業界であっても他業種の事を偉そうに意見する事はしませんよね。 例えば、和装染色で手描き糸目友禅をしている人が、江戸小紋について偉そうな事は言えないわけです。逆もまたしかり。同じ生地や染料を使って和装をつくるわけですが、その手法と製品に対して要求される事がまるで違うからです。 もちろん知識としてはかなり知っている人もおりますが、逆にそういう人程…分かっているからこそ、 「多少知っ

化学染料と天然染料のどちらも、ただの染料ですよ

このnoteで繰り返し書いている事ですが・・・ 当工房は生業としては和装染色品の製造卸販売をメインにしておりますので色々な種類の染料や顔料を使って仕事をします。 染色加工には化学染料も天然染料も使いますが、いわゆる草木染に変なロマンを感じて使っているわけではありません。作りたい作品によって天然染料の方が相応しいとか、お客さまからのご要望だから使うとか、必要に応じて使い分けるだけであり、それ以上の意味はありません。色々な選択肢のある現代において「単に染料の一種」として使って

旨いにA級もB級も無い

私は若い頃、有名イタリア料理店におりまして、それなりに仕事を任されストーブ前で良い汗をかいていた時期がありました。 そのお店での賄いは基本的にイタリア料理でしたが、あまり縛りは無く、高級食材を大量に使わない限り下っ端コックが実験的に色々とチャレンジして作る事には文句を言わない感じでした。ただし、不味いとシェフや先輩スタッフたちは料理を罵倒し手を付けませんので怖かったですけども。 しかし、ただ単純に旨ければ良し、というものでは無かったのが面倒かつ面白いものでした。 その賄

映画「PERFECT DAYS」を観たです

先日、妻と最近評判の映画「PERFECT DAYS」を観に行きました。 結論から言うと、私は好きな映画でした。 以下、雑感の寄せ集めです。 * * * * * * * *  私は映画はまるで詳しくなく、家族や知り合いがPCやDVDで観ているのを横から観たり、たまーに興味が湧いたものを映画館で観る程度で、滅多に観ません。 作り手視点で観察するにも、私の資質だと掴みきれない程に映画制作は規模が大きいので手に余ります。 ですので、たまに映画館に行くと、色々な面で進化して