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ファッションレボリューションウィーク

今週から始まった、FASHION REVOLUTION WEEK

2013年4月24日に起きた「ラナ・プラザ崩壊事故」をきっかけに、ファッション産業の透明性を高めていくグローバルキャンペーン“FASHION REVOLUTION” が立ち上がりました。

事故が起きた4月24日を含む約1週間は、FASHION REVOLUTION WEEKとしてさまざまなイベントやアクションが行われています。

毎年何かしらの形で参加しているものの、ちゃんと発信したことないな…と思い、まとめてみました。



FASHION REVOLUTIONとは?


ファッション産業の透明性を高め、変革を目指すグローバルキャンペーン。

環境を保護・回復し、成長や利益よりも人を大切にする世界的なファッション産業をビジョンに掲げ、世界中で様々な活動が行われています。

*ファッションレボリューションの目的*

  • 世界的なファッション産業における人と環境の搾取を終わらせる

  • サプライチェーンに関わるすべての人々に安全で尊厳ある労働条件と生活賃金を

  • 世界的なファッション産業におけるパワーバランスを再分配し平等に

  • 世界的なファッション産業における労働運動をより大きく強力に

  • 貴重な資源の保護と生態系の再生に取り組む

  • バリューチェーン全体の透明性と説明責任を当たり前に

  • 使い捨てをやめ、素材がより長く使用され、無駄がないシステムへ移行

  • 伝統、職人技、地域の知恵が認められ、評価される


ラナプラザ崩壊事故


2013年4月24日、バングラデシュの首都ダッカにある「ラナ・プラザ」というビルが崩壊し、死者1000名以上、負傷者2500名以上という痛ましい事故が起こりました。

このビルには複数の縫製工場(有名なブランドをいくつも含む)が入居していて、劣悪な環境で働かされていたそう。

前日から建物に亀裂が見つかっていたにも関わらず、納期に追われ、操業を止めなかったことで事故が起きたため、ファッション産業の構造的な問題が浮き彫りとなりました。

さらには、この工場で生産を行っていたブランドが工場の状況を把握していなかったことから、ファッション産業のサプライチェーンの不透明さも問題視されるように。

世界中の消費者がSNSを通して「 #whomademyclothes (私の服は誰が作ったの?)」と企業に問いかけるムーブメントに発展しました。


エシカルファッションに興味を持ったきっかけ


私がこの事故について知ったのは、高校生の時。

何がきっかけだったのか、はっきり覚えていないけれど、フェアトレードを知ったことで生産者の労働環境や賃金などについて学ぶようになり、この事故にたどり着いたのだと思う。

「自分が選んだモノの裏側で、誰かが苦しんでいるかもしれない。」
「もしかしたら、事故や搾取に加担しているかもしれない。」

そう考えたら、もっと責任を持ってモノを選ぼう、と意識するようになりました。

フェアトレード商品
高校卒業してすぐ、People Treeでワクワクしながら買い物したのを覚えてる


FASHION REVOLUTION WEEKについて


ラナ・プラザの事故が起きた4月24日を含む約1週間は、”FASHION REVOLUTION WEEK”として、さまざまなイベントが行われています。


2023年の様子


昨年の様子もnoteに記録しようと思いながら1年経ってしまったので、、この機会に紹介したいと思います。


「Two Decades of Hidden Fashion」展

FASHION REVOLUTIONが始まるきっかけとなったラナ・プラザの事故から10年の節目として開催された展示。

ファッション産業に関わる人々の声や、10年間で変わったこと・変わらなかったことを、視覚的にわかりやすく知ることができました。

服の生産に関わる人々を可視化した超長いタグ

●素材について知る

衣服の原料となる綿
自然由来の素材から
衣服の原料となるポリエステル
化学繊維の原料まで

●10年間での変化など

展示は、半端で余ったミシン糸を活用しています

●生活者や生産者の声


ファッション産業の透明性についてのレポート

FASHION REVOLUTION 2023の企画のひとつとして計画されていた、1着の服の生産背景を長いタグを通して可視化する「#RememberRanaPlaza Collection」。

しかし、「一部の商品だとグリーンウォッシュになる」「消費者が求めていない」等の理由から辞退が相次ぎ、実施は叶いませんでした。

このような企業の懸念と消費者の期待にズレがあり、ステークホルダー間での思い違いがあるのではないか?と考え執筆されたのが、「#RememberRanaPlaza Collection 断念から考える日本のファッション産業の現在地」というレポート。

企業と消費者へのアンケート調査と専門家へのインタビューを通して、断念の背景や理由を丁寧に明らかにしていくことで、日本のファッション産業の現状や課題を浮き彫りにしています。

ラナ・プラザの事故のこと、日本のファッション産業のこと、さらには消費者として私たちができることまでまとめてくれているので、何度でも読み返す価値のあるレポート。

今年も、FASHION REVOLUTION WEEKの今、これから読み返してみようと思います。

>> ここからダウンロードできるよ!


ウェブセミナー

サステナブルファッションの最前線で活躍するゲストを迎え、トークイベントが開催されました。

【 TALK 1 】Why is Transparency Impotant? なぜ透明性が必要なのか
ゲスト:リブ・シンプリシアーノ(FASHION REVOLUTIONポリシー&リサーチ マネージャー)

【 TALK 2 】Making Better Choices as a Consumer より価値観にフィットする買い物をするために
ゲスト:ゴードン・レーヌフ(Good on You 共同設立者)

【 TALK 3 】How Clean Are Your Clothes? 衣服の隠されたコストに目を向けよう
ゲスト:マーク・リトル(パタゴニア プロダクト・ライン・ディレクター)


今年のイベント予定


今年のFAHION REVOLUTION WEEKは、4月15日(月)〜24日(水)の、10日間。

私もSNSの投稿などで参加しようと思います!

今年のイベント等はこちらから


「Who made my clothes?」展

今年も入場無料の展示が開催されます。

ファッション産業の透明性について考えるPOP-UP-LIBRARYが登場。
国内外の関連書籍を自由に読めるほか、服ができるまでのプロセスを体感できるインスタレーションも展示されるそう。

「Who made my clothes?」展
開催期間:4月23日(火)-4月28日(日) 11:00-20:00
     *最終日のみ18:00まで
場所:スパイラルガーデン (表参道)
住所:〒107-0062 東京都港区南青山5丁目6-23 1F


トレーサビリティに関する3冊の書籍を発表

会場では、トレーサビリティと透明性に関する生の情報が詰まった書籍も読めるそう。

本の装丁も工夫を凝らしてあるらしいので、楽しみ…!

- Book 1『Transparency in action』
サプライチェーンの透明性に関わるキーワードの説明や、透明性についての2つのインタビュー「なぜ透明性が必要なのか」「透明性を実装する」を掲載。 日本の生活者の声の紹介や、それぞれの立場からとれるアクションなどが学べるそう。

- Book 2『トレーサビリティ・プレイブック』(日本語版)
ファッション業界において、サプライチェーンのトレーサビリティを実現するためのガイドブック。 今後施行される法規制や、実用化が進むトレーサビリティ技術などについて載っているみたいです。

- Book 3『トレーサビリティ・ロードマップ』(日本語版)
ファッションブランドがトレーサビリティを実装していくための、プロセスをまとめたロードマップ。 それぞれのステップの要点、考慮すべき事項、うまく進めるためのポイント、先行するブランドのケーススタディ、専門家へのインタビュー、ダウンロード可能なテンプレートを含むツールキットなどが含まれているそう。

Book 1はオリジナル、Book 2とBook 3は、スウェーデンに本拠地を置くTrusTraceが発行した2冊を、プロボノの皆さんが協力して邦訳してくれたとのこと…!すごい…!


レセプショントークイベント

2024年4月24日(水)には、展示会場でゲストを招いたトークセッションを含む、レセプションイベントも開催。

2名のゲストを迎えたトークセッションやQ&Aが聞けるそう。

用事があって行けないのが悔やまれる…!興味のある方はぜひ参加してみてください^ ^

【 Session 1 】「Transparency in Action」
ゲスト:Saravanan Parisutham(TrusTrace)

【 Session 2 】「責任あるものづくりを目指して(仮)」
ゲスト:福井隆史(ヘラルボニー)

参加費は1500円、申し込みはpeatixから。


FASHION REVOLUTIONに参加する


特別なことは不要なので、まずは持っている服について「誰が作ったのか?」と考えてみてほしい!

それから、アクションできることがあれば、ぜひトライしてみてください^ ^


ハッシュタグをつけて投稿する


今年の展示のテーマでもある「Who made my clothes?(私の服は誰が作ったの?)」。

この質問を、SNSを通して企業に問いかけるムーブメントは、FASHION REVOLUTIONのキャンペーンが始まった当初から行われています。

自分の大切な服の写真とともに、 #whomademyclothes のハッシュタグをつけて、SNSに投稿してみましょう✨

タグを見せて、ブランドへ問いかけよう

そのほかにも、これまでのキャンペーンでテーマになっていた
#whatsinmyclothes(私の服は何でできているの?)で服の素材や工程を意識し問いかける投稿をすることや、
思い入れのある服への愛を #loveclotheslast のハッシュタグとともに投稿するのも良きです◎


FASHION REVOLUTION JAPANの
アカウントをフォロー&投稿をシェア


ハッシュタグをつけた投稿は、勇気が必要で難しい…という人は、インスタグラムで @fashionrevolutionjapan のアカウントをフォローして、情報収集だけでも参加しましょう…!

せっかく学んだ知識や情報は、ぜひシェアしてフォロワーさんに広めてください♪


展示を見に行く


東京近郊にお住まいの方は、表参道のスパイラルガーデンにて開催される「Who made my clothes?」展を見に行きましょう〜!!

誰しもが毎日身につけている洋服について、どのように作られているのか、今のままだとどんな問題があるのか、新たな発見や気づきがあるかも。

(会場の構成?を大学時代の同級生が担当しているので、個人的には会場自体も楽しみにしています^ ^)


↓↓↓その他にも、さまざまな参加方法が載ってる!

>> ダウンロードもできるよ


映画を見て学ぶ


ファッション産業に関わる生産者のリアルがわかる映画


『メイド・イン・バングラデシュ』

バングラデシュの縫製工場で働く女性が、過酷な労働環境と低賃金に立ち向かう物語。

縫製工場の逼迫した状況や、そこで働く人々の様子がよくわかります。
23歳のシムは、首都ダッカの衣料品工場で働いている。女性たちがせわしなくミシンを踏み続ける中、工場では男性幹部が威張り散らし、泊りがけも余儀なくされるほど環境は厳しく、給料は未払いが続いていた。家では夫が働かず、シムが働いて得たお金をアテにする毎日。そんなある日、労働者権利団体のナシマ・アパに声をかけられたシムは、同僚たちを説得し、労働組合の結成を目指して立ち上がる。仲間たちと労働法を学び、署名を集め組合結成に向け奔走するが、工場幹部からの脅し、夫や同僚の反対など、さまざまな困難が待っていた…。

『メイド・イン・バングラデシュ』HPより


『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』

ファッション産業の現状を映し出したドキュメンタリー。
私たちが服を買う行為は、誰に対してお金を払っているのか、改めて考えさせられます。

この数十年、服の価格が低下する一方で、人や環境が支払う代償は劇的に上昇してきた。本作は、服を巡る知られざるストーリーに光を当て、「服に対して本当のコストを支払っているのは誰か?」という問題を提起する、ファッション業界の闇に焦点を当てたこれまでになかったドキュメンタリー映画だ。

『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』HPより


これからのファッションの希望を感じる映画


『ファッション・リイマジン』

イギリスのブランド《Mother of Pearl》のデザイナーであるエイミー・パウニーが、サステナブルなコレクション《No Frills》をデビューするまでを描いた物語。

理想の原料を求めて奔走し、輸送にかかるエネルギーまで考慮したものづくりは本当に素晴らしくて、ワクワクした!


『燃えるドレスを紡いで』

パリ・オートクチュール・コレクションでも定期的に作品を発表している「YUIMA NAKAZATO」のデザイナー中里唯馬のケニア視察とコレクション発表に密着したドキュメンタリー。

世界中から古着が集まる「衣服の最終到達点」のアフリカ・ケニアの様子と、現地の人々の言葉に圧倒されます。

ケニアに届く古着の塊(ミトゥンバ)に含まれる衣服を、最新技術を活用してパリコレの作品の素材にする…というチャレンジには、未来への希望を感じました。




ラナ・プラザの事故からほんの1, 2年しか経ってない頃(私、高校生だった…!)にFASHION REVOLUTIONを知ったから、もうそれから10年近く経っているんだなぁ…と、しみじみ。

当時と比べたらエシカルファッションに関する情報や商品も増えたし、改善していることもあるけれど、まだまだできることがたくさんある!

値段が高いから良いとは限らないし、安い服が絶対に悪いとも思わないし、誰が何を選ぼうと自由だけれど、

「私たちが支払ったお金が何に使われてるのか?」
「誰かを傷つけてないか?」

と、みんなが想像してから選択するようになったらきっと良くなると思うから。

これからも自分にできることを続けていきたい!

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