佐山由紀/夜窓の雪だるま

2019.5より松下育男さんの詩の教室に参加/2022.5資生堂花椿「今月の詩」/第3…

佐山由紀/夜窓の雪だるま

2019.5より松下育男さんの詩の教室に参加/2022.5資生堂花椿「今月の詩」/第32.33.34回伊東静雄賞佳作/各詩誌の投稿欄にて入選と佳作/詩誌La Vagueに参加/noteにてeasypoemや日記など掲載/

マガジン

  • 日記

    何も起こらない日はない。何も感じない日はない。詩への架け橋になるように日々をつらつら綴る。

  • 感想

    ドラマ、映画、YouTubeなどの映像、小説、詩集などから得たものをアウトプット。

  • easy poem

    簡単な詩を掲載。自由に。詩誌に投稿はしないだろう詩、のちのち推敲して投稿するかもしれない詩。

最近の記事

日記「青の瞬間」

今シーズンのドラマ「ブルーモーメント」を観ている。気象学の天才があらゆるデータを元に自然災害から人々の命を守る、というお話。気象現象は未だに解明されていないものもあり、昨今の異常気象により予報も困難になってきているのではないだろうか。私の幼少期は真夏の最高気温はせいぜい32度くらいだった。今では気象予報士が「今日の最高気温は32度」と言うと涼しいじゃんと思う。梅雨明け直後35度を超える酷暑の日々は気象殺人だと思っている。このドラマは地球温暖化による異常気象に備えよ!というメッ

    • 小説「舟を編む」三浦しをん

      三浦しをんの長編小説。 あぁ何か小説を読みたいなぁと書店をふらふら物色していると、ふと目に入った文字「舟を編む」。なんて詩的なタイトルなんだろうと惹かれてしまう。思わずジャケ買い(死語ですか?)してしまう。調べてみると2012年の本屋大賞受賞作品だった。これは期待値が高い。 とある出版社が新しい国語辞書「大渡海」を作るというお話。辞書を作ることが小説になるとは大変な驚きだった。言わば裏方の物語である。小説とはどう書くのだろう、エッセイとはどう書くのだろう、自称詩人である私だ

      • 日記「私の 2024 GW」

        テレビニュースの画面には、渋滞する高速道路、大きな荷物を転がす人々でごったがえす新幹線のホームと空港ロビー、各地のテーマパークの長蛇の列。 我が家は混雑が苦手。娘が幼稚園の頃GWに動物園に行こうと計画した。渋滞情報を観て滞在時間が短くなるしおそらく動物園も激混みだろうと判断し行くの中止した。早起きして作ったお弁当を自宅のお庭にシートを敷いて食べてピクニック気分を味わう。GW明けの翌週に動物園に向かい予定通り1時間弱で着き十二分に動物園を満喫できた。 なので我が家のGWは、

        • 日記「らしさを表現する」

          CANACANAさんというピアニストがいる。クラシックから流行りの曲まで弾きこなす、個人的にとても好きなピアニスト。YouTubeでカナカナさんの演奏をよく観るのだがお顔は出しておらず画は手の動きだけ。最近ハマったのが少し前にTikTokなどでも流行っていたCreepy Nutsの楽曲「Bling-Bang-Bang-Born」をクラシックの巨匠が作曲したら!?という動画。ショパンっぽくBling-Bang-Bang-Bornを弾いてみた!みたいな感じ。素晴らしくショパンっぽ

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        • 日記
          82本
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          13本
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          35本

        記事

          日記「満開の桜にて」

          子供の頃に住んでいた団地の、五階のダイニングの窓から見えた一級河川わきのサイクリング道路の桜並木は、もっともっと濃いピンク色だった気がするし、ならば私がここ数日に見ている桜はあの頃の桜とは別の桜なのだろうかと、はたまた、私の目が、私の眼が、私の眼球が、私の見方が、若しくは視力の問題なのだろうか、私が衰えてしまったのだろうか、私が変わってしまったのだろうか、桜の木に登る子供らの奇声とも言えようあの叫び声が、耳たぶとか耳の奥とかもっと根本的に聴覚とかを痛気持ち良いようにくすぐって

          日記「満開の桜にて」

          日記「なんでもかんでも」

          ここ1、2年だろうか。月に2、3日とても体調が悪い日がある。目眩、倦怠感、頭痛、朝に目が覚めると、また朝だ、とひどく気持ちが重くなってそれはベッドが沈んでしまうほど身体も重くなっている。実際に体重が増えているのも目を逸らしたい現実であるが。とほほ。謎の腰痛も続いていて運動不足は否めないが日々のストレッチで対処の方法が少し掴めてきた。 謎の体調不良、ぽちぽち検索してみると、いちいち更年期障害という言葉が出てくる。なんかいらっとする。更年期障害で検索すると症状の全てが当てはまる

          日記「なんでもかんでも」

          2022年映画「ある男」

          原作、平野啓一郎の映画。原作を読んでからプライムビデオで観た。原作に忠実でイメージどおりに映像化されていたので何となくほっとする。今年1月に原作を逸脱した内容でドラマ化し作者が自死するという悲しい事件もあった。作者の意図を無視するとは言語道断であると私は思う。 2022年9月に原作を読んで深い感銘を受けた。中心に一つだけ「本当の自分」を認めるのではなく、それら複数の人格すべてを「本当の自分」だと捉えるこの考え方を「分人主義」と呼ぶ。これまでの自分、今の自分は間違っていないと

          2022年映画「ある男」

          日記「わたしならできるでしょ」

          明日3月3日は詩誌LaVagueのイベント。昨日はXで宣伝を兼ねて近況報告をした。何気なく書いたものだが、ふと思い返してみる。日常に余裕がないと書いたが嘘ではない。それは娘が膝の手術をしたから。(下記参照) 当初4週間の入院予定だったが娘が早く退院したいと言うので主治医と相談し許可がおりたため10日間で退院した。お家の方が良いに決まっているが手術後の後遺症か微熱が続き体調が優れない。歩行介助、入浴介助、手術の傷の手当、リハビリ、通院、普段ならばお寝坊も放っておくが三食後の飲

          日記「わたしならできるでしょ」

          日記「うまれつき」

          手術室の扉ってのは身体を治す為への扉なのにとても重々しくてなんと無機質なことか。入院の為の部屋や診察室は木製でできていていくらか温かみのある感じだけれど、金属の扉と休まらない微妙に広さのある空間は、こんなにも人を不安にさせ心拍数を走らせるのか。 人間の身体は、聞き慣れた臓器、聞き慣れない臓器、骨、管、ぜい肉、筋肉、色んなものでできている。そんな身体の一部、半月板。半月板?スポーツ選手が半月板損傷で手術、なんてフレーズは耳にしたことはある。半月板は膝関節の中にあり関節に加わる

          easy poem「季節のころ」

          節分を迎えるころは 最期の一輪の花殻が立つ 四匹のうち一匹の鬼が くしゃみをしながら それを摘みとり ぱきっぱきっ と、手もみをする 衣装ケースの中の古くなって 捨て時がきた服を袋に詰める 行事ごとに写るどうしても 名前を思い出せない人の顔 色褪せたアルバムの写真は 記憶の抜け殻さえ アイロンをあてたとして シワが伸びることはない 橋を渡りきるまで ごみ収集車を見送る 足りない気がして 橋へむかうと新しい空が きっと夕方には 気象予報士を困らせる 次の鬼はクローゼットの中

          easy poem「季節のころ」

          小説「正欲」朝井リュウ

          朝井リョウの長編小説。 初めてこの作品を知ったのは映画の広告だった。演者とか内容とかそうゆうものに興味はなくタイトルの「正欲」という言葉に強く惹かれた。日々の生活や詩作をする時「正しさ」とはなんだろうと考えることがある。だから「正欲」とは正しさを欲することなのか、正しく欲することなのか、そもそも正しい欲とはなんだろうか、強烈な興味に駆られた。映画を観そびれてしまったのでいっその事、元々原作から映像化された物は原作から、という思いが強い為、書店に買い求めに走ったわけである。

          小説「正欲」朝井リュウ

          2023年映画「PERFECT DAYS」

          いつものように運転しながら歌い、いつもと同じルートでとあるショッピングモールに向かい、比較的人が少ない平日の映画館に入る。隣に座る年配の女性がハンバーガーを食べきってコーヒーの香りを漂わせるとそれからぽりぽりと音を立てながらポップコーンを齧っている。ちょっと嫌だなって思いながら本編が始まるのを待った。 ひとりの男の変わらぬ日々が続いてゆき、ひとりの男の変わらぬ日々がこれからも続く。 映画館を出ると買い物客がいつものように買い物をしていて、ショッピングモールの床がいつものよ

          2023年映画「PERFECT DAYS」

          2016年ドラマ「荒地の恋」

          原作、ねじめ正一のドラマ。戦後の詩誌「荒地」の同人であった詩人、北村太郎の物語。 詩歴5年の私には、まだまだ知らない詩人、読んだことのない詩人、がたくさんいる。北村太郎という詩人に出会ったのは、松下育男さんの詩の教室だった。対談ゲストが北村太郎のお嬢様の融理子さんだった為、予習としてねじめ正一「荒地の恋」北村太郎「センチメンタルジャーニー」を読み、そして教室からの資料として数篇の詩を読んだ。すっかり北村太郎という詩人に魅せられ、融理子さんから「北村太郎の全詩篇」を購入させて

          2016年ドラマ「荒地の恋」

          日記「現状維持も大事なんですって」

          梅の蕾がふっくら色づき今年も残すとこあと2日。今年を振り返ってみよう。 詩誌LaVagueが誕生し同人になれた事。 詩作は最低でも月一篇は仕上げ詩誌へ投稿したり詩の賞に応募したりなんだかんだ20篇程は仕上げた事。 三年半ぶりの対面での松下育男さんの横浜教室に参加しメンバーに会えた事。 詩生活は良い一年だったと思う。まだまだ頑張れたんじゃないかと思いつつも今年の抱負「新しい事に挑戦する」は実践できた。来年は自己満足でも良いから結果を残したい。他人の評価も自分の評価も高みを目

          日記「現状維持も大事なんですって」

          2014年ドラマ「私という運命について」

          原作、白石一文のドラマ。バブル崩壊後の激動の時代を背景に女性総合職として働く一人の女性の約10年間を描いたドラマ。 当時まだ一般企業で働く女性はOLと呼ばれ25歳を過ぎれば寿退社をするのが一般的な時代。いわゆるOLとは少し違った意味をもつ女性総合職を希望する人は少なかったと思う。私は主人公よりも10歳くらい歳下になるが私の時代も総合職に就いた女性は周りにはいなかった。名のない短大出身なのでそうゆう環境だったというのもある。古い友人の中には教師や看護師になり今でもばりばり働く

          2014年ドラマ「私という運命について」

          easy poem「赤」

          「帰り道」 は、うまくできている 同じ距離でも 行き道より早く感じるように そうゆう風にできている 「帰り道」は言う 赤信号を短くしてるんだよ 思考回路が狂わないように 止まる隙をなくしているんだよ 帰るべき場所を間違えないように しなければならないからね 帰りたくない時は どうしたらいい? 「帰り道」は言う 思考回路を元に戻さなくてはならないね 次の信号を渡る時は ひとつ向こうの信号を渡るといいよ 夜間専用の押しボタンがあるから すぐに赤信号ではなくなるよ 赤が止ま