「人は変われるのか?」ロクでもない僕の自分史
僕はLGBTQのTであるトランスジェンダー。女から男に戸籍を変えて生きるFTM 鈴木優希。1980年生まれ。
仕事は地元である名古屋の繁華街錦三丁目でFTMBARとレズビアンバーを経営している。
ロクでもない思春期の自分
今でこそ経営をし雇用する側になったが、僕の10代、20代前半は酷いものだった。
物心ついてからずっと性別に違和感を感じていた。女なのに、男の気持ちでいること。男として女の子が好きなことは、親にも友達にも誰にも内緒、僕だけの最大で重大な秘密だった。
そんな大きな違和に心のバランスを保てなかった僕はいつもイライラ。
上っ面の友人関係にストレスを抱えながら自分はみんなと同じ。普通の女だと言い聞かせて過ごす日々は思春期になればなるほど本当の自分の気持ちとの差は広がり、その事実に向き合う事も怖くてもはや本当の自分が何なのかさえもわからなくなっていた。
家庭内暴力、家出、暴言、高校退学...自分でもコントロールできないもやもやを誰かのせいにして暴れる日々が続いた。
僕自身も当時は辛かったけれど、周りにいて逃げ場のない家族も同じ位にしんどかったであろうことは今になってわかる。
取り返しのつかないこと
僕は26歳の頃、人生には取り返しがつかないことがあると知った。
若気の至り、未熟だったなんて言い訳を神様は1ミリも聞いてはくれなかった。
その傷は今も深く刻まれて消えることはない。
ドラマだったら、昔は荒れていたけど
その分今親孝行を...なんて流れなのに...現実はあまりにも厳しかった。
人は変われるのか?
人間、そう簡単に変わることは出来ないと思ってきた。僕の周りも同じようにきっと僕に対してもそう思っているだろうと感じることがある。
やったこと、発した言葉は消えることはない。やった方は忘れても、やられた方は覚えているもので。
ただ僕の持論としては、本質は変われないかもしれないけど「成長」することは出来ると考える。
生きていると日々が新しい経験である。
例えば同じ失恋でも相手が違えばまた違う。その中で後悔や反省をして大人になる。
のど元過ぎたら忘れてしまうけど、また痛い思いをして思い出す。それの繰り返しだとしても成長していると僕は信じている。
信じないとやっていけない。
取り返しのつかない反省から、
どんなに辛い時でも、仕事だけは、仕事だけは、どんな事があってもやりきると心に決めてここまできた。結果、今の自分がある。
何も出来なかったロクでもない僕が仕事という生きがい、やりがいを見つけた。
意味のない事はない。
人は変われないかもしれないけど成長することは出来る。
今も仕事以外には何も出来ない自分。
あの頃のままの部分もあるかもしれない。
変わってない危うさをもしかしたら家族も僕自身もまだどこかで感じているのかもしれない。
でもそれを責めることは出来ない。自分がしたこと。それは変えることは出来ない。
でも何回でも伝えたい。
「成長することは出来る。」
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