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均整と多様性の場

制作において、美意識や均整の追求は重要ですが、過剰になると本来表現すべきものが抑圧されてしまう危険性があります。私は完成された美しさを追求する一方で、その過程で常に自問自答をしています。『これが正解なのだろうか?』

抽象表現においても、幾何学的な形態の均整は美しさを感じる要素として重要です。真円や正方形の形状は、均整が取れていて美しいと感じられます。たとえばハイスピードカメラで撮られた、微細な構造や水滴の写真にも均整があり、美しさを感じます。しかし、私は常に『それが本質なのだろうか?』という疑問を抱いてしまいます。

均整や諸元的なカタチを追求することで、自然界の宇宙的な構造の美しさについての空想に浸ることもあります。しかし、これらはあくまで想像の域を出るものではありません。私が均整や諸元的なバランスを追い求めるのは、きれいに秩序だてたい美意識の欲求からくるものなのです。それは次元的な物理構造を説明するための理論的で数学的な視点とは距離があります。

均整や諸元的なカタチを追い求めること自体に正解はありませんが、過度に本質的な部分のみに注意がいきすぎると、他の重要な多様性をもった関係性などの表現が弱くなってしまうケースがあります。たとえば、白い紙がペラっと置かれているインスタレーションなどでは、意図的にモノとの関係性を補完する言葉や空間へのアプローチが重要になってくるのです。

私は個々の人や事象が完璧な均整やバランスを持つ必要はなく、持っていないと信じています。自己実現や自由を妨げず、多様性や個性を尊重しながら自由に表現し、それらが乱立することで、より緊張感のある作品を生み出すヒントになると考えています。


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宇宙とかのことを想像すると
怖くて眠れなくなるのでその話は止めてください。と
怒られたことがありました。

確かに、無限的な空間の中で
自分たちの存在を認識しようとすると、
想像の次元を飛び出てしまうことがあるかもしれません

それを表現しようとするなんて無茶苦茶ですね。。。


今日も読んでいただきありがとうございます。

では

偏りなく適したものとなるために
To be suitable without bias
© 2023 Yuki KATANO

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